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 奥村 光一(24歳・BC群馬)中堅 177/82 右/右 (東海大翔洋-東海大中退)





「BCでは一番良い打者」





 独立3年目にして、悲願のプロ入りを果たした 奥村 光一 。加入一年目には首位打者を獲得し、2年目の昨年もプロとの交流戦でも存在感を示していた。それでも指名されることなく迎えた今年、BCリーグ最強打者がプロ入りを果たした。


走塁面:
☆☆☆☆ 4.0

 一塁までの塁間は、右打席から4.2秒前後。これを左打者に換算すると、3.95秒前後に相当する。リーグ戦でも昨年は31盗塁、そして今年は33盗塁を記録し
盗塁王を獲得。特に今年は、身体を大幅に絞って、キレのある動きを示していた。プロで足を売りにするかほど圧倒的かは別にしても、適度に走れる脚力があるのは間違いない。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 この脚力を活かし、守備でも
広い守備範囲を誇る。打球への反応、落下点までの入りなどを見ていても、まずまずといった感じ。地肩も 中の上 ぐらいの強さはありそう。しいて言えば、かなり腕が遠回りに出てきてブンと振って来る感じなので、送球の精度・コントロールという意味では、少々不安があるぐらいだろうか。

 BCリーグ屈指の強打者でありながら、守備力・走力がありながら、指名が今までなかったのが不思議なぐらいの選手だった。





(打撃内容)

 今シーズンの成績は、
63試合 6本 26点 打率.300厘 。広角に打ち返す中距離ヒッターで、ツボにハマればスタンドインのパンチ力を秘めている。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 スクエアスタンスでグリップを高めに添え、腰を深めに構えている。気になるのは、少し
腰を引きすぎているせいで、全体のバランスがイマイチな点。両眼で前を見据える姿勢は悪くないので、錯覚を起こすことなく球筋を追うことはできているが。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用している。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングだ。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を軽く上げて、少しベース側に踏み込んで来る。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。インステップして来ることからも、外角への意識が強いのではないのだろうか。

 踏み込んだ前の足は、
インパクトの際にブレずに我慢。したがって、逃げて行く球や低めたの球にも食らいつくことはできている。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配は薄い。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトに出てくるわけではないので、インステップ相まって
内角寄りのさばきは得意ではないのだろう。

 バットの先端であるヘッドまでは下がらないので、そこまで遠回りというほどではないこと。また、
バットを振れる選手でもあり、スイングは最後まで力強い。けして、フォロースルーを効かせたり、打球に角度を付けて飛ばして来るというタイプではなく、鋭い打球が野手の間をといったタイプで、ホームランは上手く引っ張って巻き込めたときではないのだろうか。それでも、右方向にもしっかり打ち返すことはできていた。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は小さめ。体の開きも我慢でき、
低めの球でも軸足の形が崩れず体勢が崩れないのは非凡なところ。難しい球を無理に打つというよりも、自分の打てる球をきっちり叩くことに特化したスイングではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 特にボールを捉えるセンスや打撃の感性は感じられないが、自分の打てる球をキッチリ捉えられる技術を持っている。スイングも強く、打撃もファームレベルならば、すぐに通用するのではないのだろうか。問題は、そこから上の段階で、
何かを生み出し広げて行ける、そういったものを持っているのか? という部分。この辺が、一軍半レベルと、一軍のレギュラー選手になる選手の大きな別れ目になる。その部分に関しては、ちょっとどうかな?というのは感じる。


(最後に)

 守備・走塁・打撃などの総合力も一定レベルあり、一年目から支配下入り・一軍半レベルの活躍を魅せても不思議ではないだろう。プレーを見ていても
気持ちの強さが伝わって来る選手だし、3年間高い次元で好成績を残してきた心身の安定感も意識の高さも評価したい。レギュラーとは言わなくても、一軍の層を厚くする、そういった存在にはなりうるのではないかと期待して ☆ (支配下級)の評価を記したい。


蔵の評価:
 (下位指名級)


(2023年 プロ・アマ交流戦)