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高野 光海(19歳・富山GRMサンダーバーズ)外野 187/87 右/右 (池田出身) | |
昨年、池田高校の時にみた 高野 光海 は、まだ粗すぎてドラフト候補とみるのは厳しいなと正直思っていた。しかし、あれから一年で、見違えるほどにそういった違和感は薄れていた。 (守備・走塁面) 池田高校時代は、センターを守っていました。しかし、富山ではDHでの出場。一塁までの塁間は、右打席から 4.7秒前後。これを左打者に換算すると、4.45秒前後と、プロに混ぜてもかなり遅い。肩は悪くなかったと記憶しているが、現状DHでの起用にとどまっているところ、守備は厳しいレベルにあるのだろう。池田時代のノックを見直すと、そこまで打球への落下点の入りに迷いは感じられないが、スローイングの仕方や捕球などに、少々雑な面があるかなといった印象は受けた。いずれにしても、守備はプロでも、レフトあたりの候補といったことになるのではないのだろうか。 (打撃内容) 独立での成績は、39試合(146打席) 5本 22点 打率.233厘 。まだ粗いところはあるが、パワフルで飛距離は日本人離れしたものを持っている。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えます。腰を深く沈めて、全体のバランスとしては並ぐらいですが、両眼ではしっかり前が見据えられています。そのため、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができます。 <仕掛け> 平均的な仕掛け 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、中距離ヒッターや勝負強さを売りにする、ポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足をあげて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地」までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 踏み込んだ前の足も、インパクトの際になんとか動かずに我慢。そのため、逃げて行く球や低めの球にも、ある程度食らいつくことが可能です。長打はセンターからレフト方向への引っ張りが中心ですが、右方向への打球も放つことができていました。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。ただし、ボールを呼び込む際にグリップが奥に入りがちなので、バットの出がどうなのかな?という疑問は持ちます。しかし、試合では、結構インハイの球を上手くたたんで長打に結びつけていました。 バットの振り出しは、けしてインサイドアウトといった感じではないものの、バットの先端であるヘッドは下がらないので、そこまで遠回りにはなっていません。スイングの弧は大きめですが、けしてフォロースルーを使ってとか、打球に角度を飛ばしてというスイングでもありません。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できていますが、少し軸足が前に傾きがち。そのため、体が突っ込まないように注意したい。軸足の内モモの筋肉はそこまで発達していないように見えるので、この辺はもう少し鍛えて飛距離に繋げて欲しい。 (打撃のまとめ) 思ったよりは癖のないスイングである一方で、スイング的には天性の長距離砲というよりも、中距離・ポイントゲッタータイプの打撃をしている。それでも非凡な長打力があるのは、技術よりも肉体の資質の方が優れているからではないのだろうか。技術的にな部分は、今後少しずつ追求して精度を高めて行って欲しい。 (最後に) 高い確率でモノになるといった素材ではないが、育成枠であれば非常にロマン溢れるスラッガー候補ではある。飛ばす資質は確かなので、あとは精度と技術による後押しで、確率を高めて行って欲しい。守備・走塁では少々厳しい部分はあるが、DHのあるパ・リーグ球団への入団だけに有りの指名なのだろう。現時点での完成度では ☆(支配下級)の評価はできないが、大化けも期待できる素材だけに面白い指名ではないのだろうか。期待して、今後も見守ってゆきたい。 (2023年年 リーグ戦) |