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伊藤 琉偉(21歳・BC新潟)遊撃 180/77 右/右 (東農大ニ-農大中退) | |
伊藤 琉偉 を見ていると、元楽天などで活躍した 渡辺 直人 を彷彿とさせるプレーヤー。しかし、170センチ前半の体格だった渡辺に比べると、180センチ台の体格で、かなり体格には差がある。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの到達タイムは、右打席から4.4秒前後ぐらい。これを左打者に換算すると4.15秒 ぐらいに相当する。BCリーグでは、41試合で7盗塁。圧倒的な数字ではないが、けして動けない選手ではないのだろう。ドラフト指名された選手としては、平均的な脚力の持ち主ではないのだろうか。 守備面:☆☆☆★ 3.5 BCリーグでは、41試合で6失策。安定感はそれほどではないが、キャッチング・フットワークもそれなりで、特に光るのは強肩を生かしたスローイングの安定感。地肩自体は、NPB に混ぜても、中の上~上の下 クラスはありそうだ。まだ精度・安定感に課題があるので、その辺はプロの世界で更に磨いて行きたい。いずれにしても、プロに混ぜてもニ遊間でやって行けそうなタイプではある。 (打撃内容) BCリーグ選抜で見た時は、スタメンでなかったせいか? 正直記憶に残らないほどだった。しかし、シーズン中盤以降どんどん打撃成績をあげて、秋口に指名濃厚なレベルまで引き上がってきた。ちなみに今シーズンの成績は、41試合(149打数) 4本 32点 打率.336厘 を記録している。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を幾分ベース側に置き、つま先立ちして構える。グリップは高めに添え、腰の据わり具合や全体のバランスもいい。軽いクローズスタンス気味なので、両眼での前の見据えるは並ぐらい。恐らく打球を、センターから右方向にという意志の現れなのだろう。特に良いのは、構えた時に高い集中力を感じさせる点。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が下がり切って、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。できるだけボールを引き付けてから動き出すので、長距離打者や生粋の二番打者タイプによく見られる始動のタイミングだ。彼の場合、後者の色彩が強いのだろうと考えられる。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を小さくステップさせ、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」が短いので、狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」がより求められる。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 踏み込んだ前の足は、なんとかブレずに我慢。そのため、ある程度は逃げて行く球や低めの球にも喰らいつけて行けそう。気になるのは、ステップが狭く早く地面を捉えてしまうので、打てるポイントが狭く感じられる点だ。引っ張って巻き込む打撃を売りにしている選手ならばこれでも良いが、彼の場合センターから右方向への打球を重視していることを考えると、気になる部分だった。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を早めに作り、始動の遅さを補おうとしています。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトで内から出てくるタイプではありません。このへんは、センターから右方向への打撃を強く意識してからではないかと考えられます。それでも、バットの先端であるヘッドは下がらないので、広い面でボールは捉えられ、フェアゾーンに打球が飛ぶ確率は高そうです。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きもなんとか我慢できていますが、足元が窮屈そう。そのため、内角のさばきは、あまり得意にしていないのではないのだろうか? (打撃のまとめ) それほど打撃に関しては、特別な部分は感じられませんでした。始動が遅いので、扱いが難しいこと。そして、ステップの狭さからくる、内角を中心に打てるコースやポイントが限られているように感じられます。それでもまずは、BCで高打率を残せてきたことからも、今の打撃をプロにぶつけて、順応してゆけば良いのではないのでしょうか。 (最後に) 生で見た時は、正直ピンと来るものはありませんでした。その後、打撃が急成長したそうで、試合を見ていても、甘い球を逃さない「鋭さ」みたいなものは磨かれてきた気がします。ショートとしても強肩で右打ちでもあることからも、指名されたのは納得なところです。個人的には育成枠ぐらいの選手かなと感じましたので、☆(支配下級)の評価はしませんが、高い集中力を生かした打撃がプロでも通用するか見守りたいところです。 (2023年 リーグ戦) |