23sy-10
谷口 朝陽(19歳・徳島IS)投手 184/85 右/右 (広陵出身) | |
広陵高校から一年目の選手で、今年投手として 3試合(3イニング) 防 9.00 という成績に留まった 谷口 朝陽 。そんな選手を、西武は野手で指名したのだという。今年のドラフト指名選手の中でも、屈指の穴っぽい指名ではないのだろうか? (守備・走塁面) 残念ながら、野手としてのプレーを実際に観られていないので、よくわからない。ただし、50メートルを5秒台という脚力もあるというこで、盗塁ができるかは別にしても、動けない選手ではないということ。 投手としては、150キロ前後を投げられる速球派だった。実際、守備練習の動きをみる限り、リズム感などのフットワーク、足の運びも悪くなく、送球も雑な印象は受けなかった。ショートやサードとしてノックを受けていたが、鍛えようによってはショートとは言わないまでも、サードあたりならばモノになるかもしれない。肩が強いことは、間違いないだろうし。 純粋に持っている、脚力・地肩 は確かなので、これをいかに実戦に結び付けられるかといった感じだろうか。 (打撃内容) いかんせん、試合で打っているところを見たことがないので未知数。チームでは、ベイスターズに指名された 井上 絢登 に次ぐぐらい、飛ばす能力があると評判だった。今回は、フリーバッティングの映像を元に、フォーム分析をしてみたい。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えている。背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスも取れている。打席でもリラックスして構えられており、癖のない良い立ち方になっている。 <仕掛け> 遅すぎ 一度上げた足を地面に戻し、そこから再度ステップさせる「遅すぎる仕掛け」を採用。そういった動作でタイミングを合わせているのだろうが、プロレベルのスピードやキレを考えると、立ち遅れる危険性は高い。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 軽く足を浮かし、真っ直ぐ踏み出して来る。始動~着地までの「間」が取れていないので、狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められる。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプではないのだろうか。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際に止まっている。そのため、逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことができ、実際打球を見ていると、けして引っ張りだけの打者ではないことが伺われる。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は、早めに作れている。始動の遅さを、ここで補おうとしている。バットの振り出しも、特に癖がなく遠回りに出てくる感じはしないし、ヘッドも大きくは下がっていない。まだ速い球に対し、何処まで自分のスイングができるかまではよくわからなかったが、ボールにも適度に角度をつけて、遠くに飛ばすこともできていた。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できており、軸足の内モモの筋肉も強そうで、強烈な打球を飛ばせる可能性を感じさせる。 (打撃のまとめ) 軽いボールを打っているフリーバッティングを見ただけなので、わからない部分も多かったが、スイングには癖がなく、ボールもある程度飛ばせる角度と体の強さが感じられた。まだ軽い球相手なので、ステップも狭めでも軽く振っても飛んで行く感じ。それではこれで、150キロ近いボールを打ち返せるかだとか、順応できる能力があるのかは、この映像だけでは掴めなかった。ただし、素材としての面白さは、伝わってくるものがあった。 (最後に) 打撃でも守備でも走力でも、野手で育ててみたいという判断に至った理由は頷ける。少なくても、荒れ荒れの投手としてよりは、野手としてならば指名されたことも理解できる内容だった。野手の育成力の高い西武で、どのように才能が磨かれるのか、ファームの試合で確認できたらと思っている。当然、評価云々できるだけの材料は揃っていないので、評価としては 未確認扱い とさせて頂きたい。 |