23sp-21
加藤 竜馬(24歳・東邦ガス)投手 185/89 右/左 (大阪偕星学園-亜細亜大出身) | |
亜細亜大時代に150キロを越えた球を投げていた 加藤 竜馬 。そのときは、ボールに力はあるけれど、制球力や合わされやすいフォームに課題がある投手だと感じていた。しかし、今年は観戦機会がなく、僅かな映像を頼りにレポートを作成するしかなかった。 (投球内容) 恵まれた体格から投げ込んでくる力投派で、23年度の直近の10試合では、10回 14安 4四死 10三 防 4.50 で、リリーフとして起用されている。 ストレート 145キロ前後~150キロ強 ☆☆☆★ 3.5 投球の多くは真っすぐで構成されており、球威・球速は水準以上。ただし、それほど打者の空振りを誘うというよりも、少しカット気味に変化する癖球で、微妙に芯をズラしてくる。ただし、今年の投球を見ていると、ボール自体は両サイドに上手く散っていた。 大学時代に気になっていた、合わされやすいフォームは変わっていないようで、10イニングで14安打と、投球回数を上回っている。また四死球も4個あり、ボールは散っているものの余計な出塁を許しているようだ。 変化球 カーブ・フォークなど ☆☆★ 2.5 大学時代は、大きなカーブを投げていた記憶がある。今年の映像を確認すると、速球とフォークだかのコンビネーション。ただし、この縦の変化球の精度は、高くないように見えた。それでも、10イニングを投げて10個の三振は奪えている。 (投球フォーム) 大学時代は、ノーワインドアップから、社会人ではセットポジションから投げていたようです。足を引き上げる勢いや高さはそれほどでもなく、軸足一本で立った時には膝にそれほど力みは感じませんが、全体としては少し トの字 になりがちで突っ込みやすい立ち方にはなっています。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足は地面に伸ばしがちで、お尻の一塁側への落としには甘さを残します。カーブやフォークなどの捻り出して投げる球種は投げられないことはありませんが、曲がりが鈍くなってしまうかもしれません。 「着地」までの地面の捉えは並ぐらいで、体を捻り出す時間も平均的。こうなると、空振りを誘えるほどの大きな変化は望み難く、球速のある小さな変化を中心に投球を広げて行くことになるかもしれません。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後で後ろで解けてしまっているのは気になりますが、実際のボールは両サイドに散っていました。足の甲のでの地面の捉えが浅かったり短ったり見えますが、そこまで高めに集まっているわけでもありません。「球持ち」は並ぐらいですが、指先の感覚はあまり良いようには見えませんでした。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としには甘さはあるもの、それほどカーブやフォークの頻度も高さは無さそうで、気にするほどでは無さそう。また腕の送り出しも、肩への負担はそれほど高くなさそうです。力投派のところがあるので疲労は溜めそうですが、タフそうな投手なので、この辺も大人しくなって持ち味を損なう方が怖いです。あと気になる点があるとすれば、テイクバックした時に背中のラインよりも後ろまで肩が入っているので、その点では故障に繋がらない若干気になりました。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは並ですが、そこまでボールの出どころは早いようには見えません。しかし、実際には合わされやすい感じなので、何かしらの工夫が欲しい気はします。 腕はとても強く叩けるので、打者としては勢いで吊られそう。ただし、ボールが見やすいのであれば、その効果は限定的になってしまいます。ボールへの体重の乗せも悪くはないと思いますが、投げ終わったあと一塁に重心が流れてしまっているので、作り出したエネルギーを指先まで伝えきれずロスしているのがわかります。この辺はステップをもう少し広くとれるように、股関節の柔軟性を養ったり下半身の筋力を強化できると、もっと質の良い真っ直ぐが投げられるようになるのではないのでしょうか。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、どれも平均的でもっと良くなる余地が残されているように感じられます。制球を司る動作もそこまで悪くなく、故障のリスクも思った大きくはではないのですが、今後いかに武器になる球を見出すかなど求められるものは少なくありません。実戦的な投手になるために、フォーム探求の意識を常に持ち続けたいものです。 (最後に) 実際には今年の投球も確認できていませんし、確認できた映像も僅かなもの。そういった意味では、評価云々ができるほどの材料がありません。ただし、大学時代みた時の課題を、改善できているようには見えなかったのは気になるところです。少なくても即戦力というよりは、課題の改善を試みる時間が必要なのではないのか? そんな感じはしました。また、まだ伸びる余地も残されているので、中日の育成力に期待したいところです。ということで、評価としては 未確認 といった評価にさせて頂きます。 (2023年 公式戦) |