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菊田 翔友(20歳・愛媛MP)投手 184/89 右/左 (享栄出身) | |
享栄高校出身の2年目の選手で、チームのクローザーを任されるようになった 菊田 翔友 。同期には、ヤクルトに5位指名された 竹山 日向 などがいる。 (投球内容) 今シーズンのアイランドリーグでの成績は、24試合 24回1/3 16安打 13四死 26三 防 3.65 といった成績を残している。 ストレート 150キロ前後 ☆☆☆★ 3.5 角度と勢いのある真っ直ぐは、球速表示どおりに威力を感じさせる。特に高めに浮き上がるような真っ直ぐには、打者も思わずバットが出てしまうほど。24回1/3イニングで16安打と、被安打率は 65.8% (基準は70%以下)と低い。その一方で13個の四死球があり、四死球率は 53.4% と高い(基準は33.3%以下) 。そういった粗さは感じられるものの、ボールの威力にはみるべきものがある。 変化球 フォーク・カーブなど ☆☆☆★ 3.5 リリーフでもあるので、変化球の多くがフォークとのコンビネーション。この球の落差や精度は悪くなく、狙って空振りの奪える武器になっている。実際、24回1/3イニングで26三振と、投球回数を上回っている。あとは、たまに緩いカーブでカウントを整えるにくる。 (投球のまとめ) 防御率 3.65 の数字が示す通り、まだ独立リーグの中でも絶対的な安定感はない。それでも、持っているボールの威力にはみるべきものがあり、ファームで 1,2年も育成すれば、一軍でも活躍できる可能性がありそうだ。 (投球フォーム) 今度は、フォームを分析して、その可能性について考えてみたい。セットポジションから、それほど勢い良くは足を上げないが、その高さはそれなりといった感じ。軸足一本で立った時に、膝がピンと伸び切るような力みは感じられない。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 お尻は比較的一塁側に落とせているので、カーブやフォークなどの捻り出して投げる球種も投げられるだろう。「着地」までの粘りは平均的で、体を捻り出す時間といった意味では並ぐらいだろうか。ただし、現時点でフォークの落差などは悪くないので、そのへんはあまり気にしなくても良さそうだ。 <ボールの支配> ☆☆★ 2.5 グラブは比較的最後まで体の近くにはあるので、外に逃げようとする遠心力はおさえられる。そのため、両サイドへの投げ訳はしやすいのではないのだろうか。一方で、足の甲での地面の捉えは浅く、力を入れて投げると、ボールが上吊りやすい。真っ直ぐも高めに行くことが多い。また「球持ち」もさほど良い感じはしなく、指先の感覚は比較的悪そうに見えた。 <故障のリスク> ☆☆★ 2.5 お尻はある程度落とせているので、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種を投げても、窮屈にはなり難いのではないのだろうか。それでもボールを持っている肩は上がり、グラブを持っている方の肩が下がるなど、腕の送り出しには無理が感じられる。そのため、肩への負担には注意したい。フォーム的にも力投派の部分があるので、疲労も溜めやすい可能性がある。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りは平均的で、ボールの出どころも少し早く見える。そういった意味では、ボールの勢いよりも打者がついて来られてしまう可能性は捨てきれない。 腕の振りは強く叩けているので、打者は思わず吊られてしまう可能性が。ただし、ボールの出どころが見やすいことで、その効果は限定的になりやすい。ボールにしっかり体重を乗せてリリースできているので、打者の手元まで勢いが落ちない球が投げられている。フィニッシュ時の、地面の蹴り上げも素晴らしい。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「開き」に課題がある。また制球に不安があるフォームで、故障のリスクも高そう。それでも現時点で、良いフォークを身につけられていることは大きな武器となりそうだ。リスキーな部分もあるフォームではあるが、長所を全面に出して押し切って欲しい。 (最後に) 真っ直ぐの威力とフォークの落差にはみるべきものがあるので、あとは制球力の粗さと投球の安定感だろうか? しかし、そういった部分も、プロの環境での育成次第では、さらなる上積みも期待できるだろう。即戦力とは言わないまでも、2,3年目に一気にリリーフの一員に加わってきても不思議ではないとみる。高卒2年目の若さも考えれば、☆(支配下級)の評価をしてみても良いのではないのだろうか。 蔵の評価:☆(下位指名級) (2023年 アイランドリーグ戦) |