23sp-11
松原 快(24歳・富山GRMサンダーバーズ)投手 180/84 右/右 (高朋-ロキテクノ富山出身) | |
育成会議での指名ながら、即戦力としてリリーフとしたら活躍しれないのが、この 松原 快 。右サイドに近いスリークォータから、勢いのあるボールを、ガンガンと投げ込んでくる力投派だ。 (投球内容) ストレート 常時150キロ前後 ☆☆☆☆ 4.0 最速156キロと言われる球速だが、常時150キロ前後を記録する真っ直ぐには、確かな勢いが感じられる。こういった球で早めに追い込み、自分の有利な状況を作り出すのが上手い。ただし、かなりの力投派なので、じっくり見られたときにはどうなのか?など、本当の意味での制球力には不安を残す。 変化球 スライダー・シンカー ☆☆☆☆ 4.0 この真っ直ぐ以上に魅力的なのが、大きく変化するスライダー。このボールのキレは、なかなか真っ直ぐと見極めがつかず、思わずバットがまわってしまう場面もしばしば。シンカーもあり、この球もそれなりに変化するので、変化球全般のキレ・曲がりは総じて良い。気になるのは、スライダーが曲がりすぎること。これにより馴れて来られると、あまり振ってもらえなくなる恐れはある。 その他 クィックは、0.9秒台と高速。牽制やフィールディングに関してはよくわからなかったが、「間」を使ってボールを長く持つとか、コース一杯で微妙に出し入れするとか、そういった投球術は無さそう。ただ、気持ちは強そうでガンガン押してくる。 (投球のまとめ) スライダーが曲がり過ぎるので、相手に馴れられた時はどうか? といった心配はあるものの、短期的には凄く活躍する可能性を感じる。特に、制球の粗さを抑えボールの力の方が全面に出せれば、即戦力リリーフとしてハマっても不思議ではないのではないかとみている。スライダーのキレは、プロでもなかなか観られないレベルの変化だと言えよう。 (成績から考える) 今シーズンの成績は、31回1/3 20安 16四死 34三 防 2.30 。シーズン中には、22試合連続無失点なんて記録も打ち立てている。 1,被安打は投球回数の70%以下 ◯ 被安打率は、63.8% と、リーグでは圧倒的な内容を示していた。また、プロアマ交流戦で投げた4イニングでも、安打は打たれていない。 2,四死球は、投球回数の1/3(33.3%)以下 ✕ 四死球率は、51.1% とかなり高い。実際の投球を観ていても、結構ボールがバラついてしまっている。そのため、相手にじっくり観られた時に、自分のピッチングを徹し続けられるかが鍵になりそうだ。 3,奪三振は1イニングあたり0.9個以上 ◎ 投球回数以上の奪三振を奪えており、1イニングあたり 1.09個 と高い。真っ直ぐ以上に、スライダーで三振が奪えている。さらにシンカーもあり、この球も意識されることができれば、投球の大幅は大いに広がる。 4,防御率は1点台以内 △ 防御率は 2.30 と、絶対的な数字ではない。ただし、8月以降の直近の10試合に限ってみれば、0.90 と安定していた。 (データからわかること) 被安打率と奪三振の多さからも、ボールの威力が勝ったタイプであることは間違いない。その一方で、四死球でランナーを出すことが多く、そのことが失点に絡むケースもあるようだ。そういった意味では、まだ絶対的な安定感は、独立リーグでも誇っていたわけではないようだ。この辺が、よりレベルの上がるNPBの打者相手にどう出るだろうか? (最後に) 短期的には大いにハマる可能性があり、一年目から支配下入りして、一軍で活躍しても不思議ではない。逆に一年目全然だと、かなり厳しいタイプであるように思える。ただし、育成枠での指名でもあり、そのへんはハマるかハマらないかの賭けなのかもしれない。こと一年目に関しては、ロッテに2位指名されたチームメイトの 大谷 輝龍 よりも活躍できそうな気がする。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2023年 リーグ戦) |