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緒方 漣(横浜3年年)遊撃 169/69 右/右 
 




「そんなに変わっていなかったけれど」





 1年夏の甲子園で、いきなりサヨナラ本塁打を放って全国デビューを果たした 緒方 漣 。名門・横浜高校不動の一番打者として、今年最終学年を迎えた。

走塁面:☆☆★ 2.5

 一塁到達タイムは、今まで計測した時には右打席から 4.5秒台。左打者換算にしても、4.25秒前後ぐらいと、ドラフト候補としては 中の下 ぐらいのタイムだ。実際のプレーを見ていると、もっと速いタイムが出ても不思議ではないのだが、それほど走力を全面に出して揺さぶって来るタイプではない。したがって上のステージでも、足を売りにするといったことは無さそう。

守備面;☆☆☆☆ 4.0

 打球への一歩目の反応も鋭く、フットワークのスピード感、軽快さも悪くない。重心が低く、ミットが地面に吸い付く感じで扱うので、キャッチングミスも少ない。特にボールの持ち替えも素早く、次のプレーへの動作も実に速い。それでいてプレーに雑なところがなく、送球も比較的安定している。地肩がめっぽう強いとかそういった感じはしないが、プロでも守備で飯を食って行ける。そういった領域まで行けるかもしれない。






(打撃内容)

 二度の甲子園出場での打率は.375厘と、全国レベルに下級生から対応。この春も 
4試合で 15打数 6安打 打率.400厘 と健在ぶりをアピール。日体大戦でも、内野手を強襲する強い当たりを放っていた。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 前の足を軽く引いて、カカト浮かして構えている。グリップを高めに添えて、背筋を伸ばしつつ両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスがとれた構えをしている。
適度な集中力も感じられ、良い構えではないのだろうか。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手の重心が沈む時にベース側につま先立ちし、本格的に動き出すのはリリース直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。
ここまでお押しタイミングでの始動だと、日本人の筋力やヘッドスピードではプロの球に対応するのには苦労するかもしれない。昨年までは、「平均的な仕掛け」ぐらいで始動していたのだが。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 足を軽く上げて、軽くベース側に踏み込んで来る。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められる。ベース側に踏み込むので、外角への意識が強そうだ。

 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にも止まってブレません。そのため、逃げて行く球や低めの球に対しては、「開き」を我慢して食らいつけそう。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 あらかじめ「トップ」に近い位置にグリップを添えているので、始動が遅くても速い球に立ち遅れる心配は薄い。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトで内から出てくる感じではないものの、外の球に対しては大きなロスは感じない。またインパクトの際にヘッドも下がっていないので、広い面でボールを捉えられフェアゾーンには飛びやすい。スイングの弧は大きく、最後までしっかり振り抜いてくる。身体は小さくても、力負けしない大きなスイングをしてくる。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は小さい。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。そういった意味では、調子の波は少ないのではないのだろうか。

(打撃のまとめ)

 始動が遅くなり、「間」が取れなくなったのは気になります。また、技術的には大きな欠点がないかわりに、特な別感性だとか特別なものは感じません。また始動が遅すぎる分、プロのスピード・キレには最初は戸惑うかもしれません。そういった中で、自分なりのタイミングの取り方・始動などを身に付けていって欲しいところです。


(最後に)

 守備に関しては、高校生でもすぐにファームの試合に混ざって行けるぐらいのレベルにはあるように思えます。問題は、
プロのスピードへの対応や走力でのアピールが低いところをどうみるか? 評価的には、下位~育成 あたりではないかとみています。そのため本人が、どんな順位でもプロに行きたいという熱いプロ志向の持ち主なのかでも、指名の有無は変わってきそうです。下級生から見てきた選手だけに、健在ぶりを確認できただけでも、 は付けてみたいと思います。


蔵の評価:
 (下位指名級)


(2023年 練習試合)









緒方 漣(横浜2年)遊撃手の本当に凄いやつへ