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近藤 大雅(専大北上)捕手 174/80 右/右 
 




「勝ち気なタイプ」





 残念ながら試合の模様は確認できなかったが、映像を見る限り、とても気の強そうなプレースタイルの 近藤 大雅 。今回は、幾つかの映像を元に、レポートを作成してみることにする。


(ディフェンス面)

 
気持ちを全面に出したプレースタイルであり、投手の気持ちを汲み取るとか、ちょっとした相手の変化に気がつくとか、そういった繊細なタイプというよりも、俺について来い的なプレーヤーには見えます。元々投手だった選手らしく、2年秋にから捕手に転校。難しい体勢からでも、素早く捕って返球するなど、動きの良さと地肩の強さはありそうです。投手としても、力投派でガンガン投げ込むリリーフタイプ。140キロ台中盤の真っ直ぐを投げ込む姿は、捕手よりも投手としての方が適正は高いのではないかと思えるほどです。細かいキャッチングや捕手としてのプレーはよくわかりませんでしたがが、動きの良さと地肩の強さは感じることができました。





(打撃内容)

 追い込まれるまでは、
フルスイングで強振してきます。しかし追い込まれると、ノーステップに変わってセンター方向に打ち返そうという姿勢が感じられました。最後の夏は、7番打者として、9打数4安打 2打点 打率.444厘 だったようです。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を軽く引いて、グリップは高めに添えます。背筋を伸ばしつつ、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスなどは、それなりといった感じです。体近くに投げられても全く避けないなど、
気持ちの強さと眼の良さが感じられました。

<仕掛け> 早すぎ

 投手の重心が下がり始めるまで足を引き上げる、「早すぎる仕掛け」を採用。ここまで早い段階から動き出すと、投げるタイミングを変えられて、フォームによって狂わされる恐れがあります。また、追い込まれるとノーステップに変わり、リリース直前に動き出す「遅すぎる仕掛け」に切り替わります・。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を早めに引き上げ回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分あるので、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも打ちたいタイプかと。

 追い込まれるまでは強振をして、踏み込んだ
足元が止まらずに開きが抑えられていません。そのため、逃げて行く球や低めの球を、きっちり捉えられないスイングが目立ちます。ただし、追い込まれるとスイングを小さくして、踏み込んだ前の足元止まっています。そのため、センターから右方向にも開きを抑えて対応することができていました。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れないようにしています。バットの振り出しは、脇を閉めて振るので、引っ張るのには良いのですが、外の球をキッチリ叩くのはどうなのかな?といった疑問は残ります。それでもヘッドは下がっていないのでフェアゾーンには飛びやすいですし、何より
振る力があるので、荒削りですが、その点は評価したいところです。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは静かで、目線の上下動は少なめ。普段は体の開きは我慢できていませんが、追い込まれると抑えることはできていました。
軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しているので、見た目よりも調子の波は少なそう。軸足の内モモの筋肉も強そうなので、強烈な打球を生み出す原動力になっています。

(打撃のまとめ)

 技術的には荒削りで、改善してゆかないと行けない部分も少なくないでしょう。ただし、打者として一番大切な、振る力があること。そして、
相手に向かって行く気持ちがあるので、その点は打者として最も必要な資質でもあると思うので、壁に当たっても大事にして行って欲しいところです。


(最後に)

 育成枠らしく、かなり攻守に基礎的なところから教えないと行けないかもしれません。その過程で、他のポジションへのコンバートといった話も出てくるかもしれません。ただし、
地肩の強さと動きの良さは確かなので、その点はどのポジションに行っても活きるのではないのでしょうか。将来どうなるか想像もできないのですが、見ているものを惹きつける、魅力溢れるプレーヤーではないかと思います。当然、試合の模様をしっかり見られていないので、評価としては 未確認扱い とさせて頂きます。


(2023年夏 岩手大会)