23ky-28
百崎 蒼生(東海大熊本星翔)遊撃 178/74 右/右 | |
手薄な今年の二遊間候補の中でも、本会議での指名が期待できそうなのが、この 百崎 蒼生 。 パワフルな打撃に加え、安定感のある守備で、好感が持てる高校生ショートだ。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの到達タイムは、右打席から 4.35秒前後。 これを左打者換算すると、4.1秒前後に相当し、このタイムは、プロに入る野手の中では、平均的な走力だと言えよう。盗塁をバシバシ仕掛けて来るタイプではないが、適度に動ける走力がある。 守備面:☆☆☆ 3.0 球際でのボールさばきやフットワークなどはまずまずで、スローイングの安定感も基準レベル。プロでショートを任され続けるかは微妙なラインだが、けして下手な選手ではないし、特に雑な感じはして来ない。プロでのショートが厳しくても、二塁なり三塁ならば守れる可能性は充分ありそうだ。 守備・走塁に関しては、売りにするほどではないが共用範囲。やはり、評価の別れ目は、打撃にあるのではないのだろうか。 (打撃内容) 甲子園では初戦で敗退したが、第一打席に右中間に抜ける当たりでツーベースを放った。また、打球は詰まっていたが、二遊間を抜ける当たりでタイムリーも記録。ちなみに熊本大会では、注目されるなか 打率.389厘 1本塁打 5打点 の内容だった。 <構え> ☆☆★ 2.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高く捕手側に引いて構える。腰の据わりはもう一つで、両眼で前を見据える姿勢は並ぐらい。構えとしては、かなり癖のある形となっている。しかし構えは、本人がシックリすることが一番なので、これが良いのであれば無理に変えることは無いだろう。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。強打者のイメージが強いのですが、確実性を重視しているのかもしれません。 <足の運び> ☆☆☆☆ 4.0 足を軽く上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプの打者ではないのだろうか。 踏み込んだ前の足も、インパクトの際にはブレずに止まっています。そのため、逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことができ、試合を見ている限り、ローボールヒッターの印象を受けます。打球は、どの方向に打ち返せる広角打者ではないかと感じました。 <リストワーク> ☆☆★ 2.5 あらかじめグリップを引いて、「トップ」に近い位置に添えられています。そのため、速い球に立ち遅れ難いはず。ただし、グリップを最初から引いていると、力みが生じやすくリストワークの柔軟性を損ないます。したがって、どうしても打てる球が限られてしまいがちになります。 バットの振り出しも、腰が早く開いて肘が下がって出てくるために、インパクトまで遠回りに。それでもヘッドを立てようとしするので、無理のあるスイングにも見えなくはありません。むしろ多少ヘッドが下がってでも、自然にヘッドが走る形の方が長打も確実性も高まる気がします。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて突っ込まずにスイングできています。あとは、強打者の割に内モモの筋肉にそれほど強さが感じられないので、この辺の筋力が付いてくると、もっと打球の迫力や飛距離も増してくるのではないのでしょうか。 (打撃のまとめ) 下半身の動きと軸は安定しているので、スイング軌道を修正ができるのかが今後の鍵ではないのでしょうか? それができるようになれば、体は強くパワフルなので、良いポイントゲッターになりうる資質がありそうです。 (最後に) 守備でも走塁でも打撃でも、プロとなるとまだ絶対的なものは無いように感じます。それだけに、ある程度高い次元ではまとまっていますが、プロに混ぜると何処を売りにして行けるかで伸び悩むかもしれません。そういった意味では、いち早く自分がプロで生き残るためにはどうした良いのか、見極めて伸ばして行けるかが鍵になりそうです。それでも貴重な右打ちの二遊候補ということで、本会議中での指名が期待される一人です。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2023年夏 甲子園) |