23ky-25


 




ワォーターズ 璃海(日本ウェルネス沖縄3年)遊撃 177/71 右/右 
 




 「今までで一番速いかも」





 ボテボテのサードゴロの際の一塁駆け抜けタイムが、右打席から 3.7秒(左打者換算で3.45秒前後に相当)で走り抜けるという、今まで計測した中で記憶のないほどのタイム(セーフティバントを除く)を記録した ワォーターズ 璃海 。 高校1年の時には、すでに沖縄の競技大会で、100メートル走で優勝。 評判の脚力は、私の想像を超えていた。

走塁面:
☆☆☆☆★ 4.5

 他の打席でも 4.09秒(左打者換算で3.85秒前後に相当、3.93秒(左打者換算で3.7秒弱に相当)と、そのタイムは圧倒的だ。私が今まで観てきた右打者の中でも、そのスピードは歴代NO.1ではないかというほど。ただし、彼がこの夏に記録した盗塁は、5試合で1盗塁ほどと、
走塁技術に関してはこれからの素材なのかもしれない。

守備面:
☆☆☆ 3.0

 ポジションはショートで、小さめなテイクバックながら丁寧に送球しようという意志が感じられる。動きもバネを感じさせる素材で、
地肩は強くて送球も安定している。何処かおっかなびっくり守っている感じはするのは、高校時代の 宗 佑磨(オリックス)を思い出させる。ただし、けして下手な選手でも雑なプレーヤーでもない

 将来的に、盗塁技術が身につくのか? プロでもショートを続けて行けるのか? と言われると、そのへんはなんとも言えない。ただし、肉体的な魅力は、まさに超がつくほどの逸材であるのは間違いないだろう。






(打撃内容)

 この夏は、
20打数6安打で、3本二塁打を含む 打率.300厘 。それほど打球が上がるタイプではないが、強烈な打球で野手の間を抜けてゆく。気になったのは、変化球に脆い部分があるということか。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 両足揃えたスクエアスタンスで、前の足のカカトを浮かして構えます。腰の据わり、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスも取れていて悪くないのですが、少し
全体に窮屈に感じられます。もう少し、リラックスを心がけても良いのかもしれません。

<仕掛け> 早すぎ

 投手の重心が下る前から足を引き上げてしまうので、まだ投手が投げるタイミングを変えられてしまいます。投手の重心が下がってからでも、始動は充分に間に合うと考えられます。

<足の運び> 
☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分ありそうに見えるのですが、
踏み込みが早すぎて「間」が上手く取れていません。早めに下半身が固定されてしまうので、上半身だけ打ちにゆく手打ちになってしまっています。

 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのでしょう。踏み込んだ前の足は、
インパクトの際にもしっかり止まっています。したがって逃げてゆく球や低めの球に食らいつくことができています。

<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みがないところは良いところ。あとは、バットを引くのが遅れないように注意したい。バットの振り出しは少し遠回りに出てくるものの、ヘッドを下げないで振るのでドアスイングというほどではありません。ただし、
ヘッドを立てようという意識が強すぎるのか? ヘッドがスムーズに走ってゆかないのは気になる部分はあります。

 
天性の体の強さあるので、捉えれれば強烈な球足となって飛んでゆきます。基本はライナー性の打者だと思うのですが、体の強さがあるので、ある程度はスタンドインできるようなパワーを身に付けられそうです。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 目線の上下動はそれなりといった感じで、踏み込んだ足元もブレません。ただし、
ステップが狭いせいか? スイングをするために軸足を後ろに逃がす傾向にあり、そのへんは無駄な動作のように思えます。

(打撃のまとめ)

 ステップが狭く、着地が早すぎるので、どうしても先に下半身がロックされてしまい、上半身だけの手打ちになってしまいがち。またスイングも、遠回りに出てくるスイングでありながら、無理にヘッドを下げないようにしているせいか? ヘッドの走りが不自然に見えます。当て勘自体は悪くないと思いますが、プロ入り後はスイングを作り直すことから始めないと行けないかもしれません。


(最後に)

 足という意味では、無限の可能性を感じさせる選手です。内野手としても、そこまで下手だとか雑のようにも見えませんでした。それだけに、プロでショートとなると微妙ですが、別のポジションでモノになる可能性は感じます。打撃は正直プロレベルではまだ無いようにも見えますが、捉えた時の打球の速さや根本的な当て勘はそこまで悪いとは思いませんでした。そういった意味では、
技術的な部分を改善できれば、資質の高さが素直に成績に現れてくるかもしれません。必ずモノになるというよりもリスキーさがつきまとう素材だとは思うものの、ここまで突出しているものを持っているのであれば、育成ではなく本会議での指名もありではないかと感じました。


蔵の評価:
 (下位指名級)


(2023年夏 沖縄大会)