23ky-2
真鍋 慧(広陵3年)一塁 189/90 右/左 | |
オフシーズンに作成した寸評でも、パワーよりも対応力が勝ったタイプではないかと書いた 真鍋 慧 。かつての、駒田 徳広 選手を彷彿とさせる選手で、その印象はこの選抜を観ても変わらなかった。 走塁面;☆☆ 2.0 一塁までの到達タイムは、左打席から 4.4~4.6秒 ぐらいとかなり遅い。それでも新チーム結成以来の51試合で10盗塁と、けして走らない選手ではない。プロで足を売りにすることはないと思うが、けして動かない選手ではない。 守備面:☆☆ 2.0 一塁手としてボールさばきは、それほど下手なようには見えない。それでも、結構ポロポロやってしまうこともあり、51試合で7失策は、一塁手としては多い。その走力や動きなどをみてみると、他のポジションへの融通という意味ではどうだろうか? むしろ、この体格を生かして上手いファーストを追求した方が良いようにも思える。 (打撃内容) 3年春の選抜では、本塁打こそ出なかったものの、14打数6安打 で、うち3本のツーベースを記録。打率は、.429厘といった内容だった。レフト方向への打球に角度がつかないと秋の寸評でも書いたが、この点を意識してやってきたのか? 大きなフライをセンターからレフト方向へ飛ばす場面も増えてきていた。それでも基本は、引っ張って巻き込んだ時に本塁打、流した時にはヒットやツーベースが多いタイプではないのだろうか。 <構え> ☆☆★ 2.5 前の足を少しだけ引いて、グリップの高さは平均的。やや背中は猫背気味で、、腰の据わり具合、全体のバランスとしては癖のある構えとなっている。それでも、両眼で前を見据える形は悪くなかった。まぁ構えというのは、自分がしっくりする形で構えられるのが一番ではないかとは思うので。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が沈みきって、前に移動する段階で動きだす、「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、ボールできるだけ引き付けてから動きだすということで、長距離打者や生粋の二番打者に多くみられる。彼の場合は、前者のタイプなのだろう。この始動のタイミングは、秋と変わっていなかった。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を小さくステップさせて、少しアウトステップ気味に踏み込んで来る。始動~着地までの「間」は短いので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められる。軽くアウトステップするように、やや意識は内角寄りにあるのではないのだろうか。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもブレない。アウトステップ気味でも、人並み外れた腕の長さで、逃げてゆく球や低めの球にも、しっかり食らいつくことができる。この打撃こそ、この選手の真骨頂であるように思えます。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めています。秋は、早めに「トップ」の形を作っていたのですが、柔軟性が増した感じはした。 バットの振り出しは、けしてインサイドアウトで内から出てくるというほどではありません。それでも、インパクトまでロスは感じられませんし、秋よりもスイングの孤も大きくとれ、フォロースルーも使えるようになったことで、外角球を角度良く遠くに運べるようになってきました。この点は、意識的に取り組んできたのではないかと感じられます。内角の球に対しても、全く開くことなくさばくことができるので、けして苦手ではないはず。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できているし、軸足の内モモの筋肉にも強さが感じられます。したがって、強い打球を生み出す原動力になっています。 (打撃のまとめ) 超大型の選手ではありながら、脆さとかそういうものは感じられない。むしろ、人並み外れた長いリーチを生かして、低めの球をうまく拾ったりさばいたりする器用さに驚かされます。そういった対応力の高さは、佐々木凛太郎(花巻東)よりも、現時点では高い技術を持っているのではないのだろうか。 (最後に) 迫力の体格の割に、打撃は凄みよりも上手さが目立つタイプ。それだけに、将来的に30本~40本をというスラッガーに育つというよりも、3割・20本 タイプで、長く安定した成績を残す選手になってゆく気はします。そういった選手でも一塁に欲しいという球団であれば、失敗のイメージはし難いです。求めるものによって、この選手の評価は変わってくるのではないのでしょうか。春の時点では、上位指名候補ではあるけれど、文句なしの1位級かと言われると、そのへんはまだ確信が持てませんでした。 蔵の評価:☆☆☆ (上位指名級) (2023年 選抜大会) |