23ky-15





仲田 侑仁(沖縄尚学3年)一塁 186/96 右/右 





「脆さがないのが良いところ」





 選抜緒戦の 大垣日大 戦で、左中間スタンドに叩き込んだ 仲田 侑仁 。その飛距離もさることながら、この選手の良さは、強打者ながら脆さを感じさせないところではないのではないのだろうか。


走塁面:☆☆ 2.0

 一塁までの到達タイムは、右打席から 4.6秒前後。左打者換算で、4.35秒前後に相当し、このタイムはドラフト候補としてはかなり遅い。実際走力をアピール選手ではなく、新チーム結成以来の23試合で盗塁は2個と少ない。飛距離を売りにする強打者なので、このへんはあまり気にしなくてもよいだろう。

守備面:
☆☆★ 2.5

 試合前練習や試合の動きを見ていると、一塁手としては可も不可もなしといった感じだろうか。秋の23試合で、失策は2個。一塁手としては、この数字は、けして少ないとは言えない。また、三塁手としての可能性や左翼手あたりもどうかと言われれば、かなり厳しいかもといった気もしなくはなかった。あくまでも、一塁手でも良いので打撃で存在感を示して欲しい。そういった球団が、獲得を目指すべきではないのだろうか。






(打撃内容)

 この選抜では、
11打数5安打 1本塁打 4打点 打率.455厘 といった成績で対応力も悪くない。秋も、23試合で6本塁打を放っており、その長打力はチームの中でも抜けていた。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 前の足のカカトを浮かし、クローズスタンスで立つ。グリップは高めに添え、腰の据わりは深い。ただし、クローズスタンスのために、全体のバランスとしてはとか、両眼で前を見据えるといった部分ではどうか? といった疑問は残る癖のある構えとなっている。


<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みきった、底のあたりで動きだす「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 足をほとんど引き上げず、地面をなぞるようにして真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応します。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも打ちたいタイプなのかもしれません。

 踏み込んだ前の足は、インパクトの際に少し動きます。それでも、それほどではないので、右方向にも甘めな外角球や高めの球ならば打球を飛ばすことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備であるトップを作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めています。それでいて、非常に深く「トップ」を作れるので、強烈な打球を生み出す原動力になります。

 バットの振り出しも、クローズスタンスの割にはバットが素直に出てくる感じで、外角球に対しては大きなロスは感じられません。インパクトの際にもヘッドが下がってこないので、広い面でボールを捉えられフェアゾーンに飛びやすいかと。それでいてスイングの前が大きくとれて、大きな飛球につなげています。

<軸> 
☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は小さい。体の開きが充分我慢できているといったほどではないのと、少し軸足が前に傾きがちでツッコミやすいので注意したい。それでも軸足の内モモの筋肉は発達しており、強力な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 タイミングの取り方、スイング軌道にも癖がなく、それでいてボールを飛ばせる資質も秘めています。そういった意味では、強打者として大成して行ける可能性を秘めていると言えるのではないのでしょうか。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた打者として、打撃では期待することができそうです。



(最後に)

 上記で書いたように、一塁以外のポジションの融通性が見えないので、一塁手やDHでも構わないといった余裕のある球団ならば指名してくるのではないのでしょうか。「右打ちの大物打ち」といった需要のあるポジションでもあるし、脆さがないところは良いところです。現状は過大な評価はできませんが、下位指名~育成あたりの評価であればアリなのではないのでしょうか。あとは、それを良しとして、本人がプロ志望届けを提出するかだと考えます。



蔵の評価: (下位指名級)


(2023年 選抜大会)