23ky-13





田上 優弥(日大藤沢3年)遊撃 181/82 右/右 
 




「思ったほどではなかった」





 昨年秋季神奈川大会で3本を放ち、神奈川屈指のドラフト候補として期待した 田上 優弥 。期待して春の神奈川大会で観に行ったが、思ったほどではなかったというのが率直な感想だった。別の試合でもと思い、6月に行われた日体大下級生との練習試合をみても、その印象は変わらなかった。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 昨秋測った時の一塁到達タイムは、早い時で 4.3秒前後。また、今春計測した中でも、最も速いタイムは、4.2秒前後を記録した。これを左打者に換算すると 4.05~3.95秒前後 に相当し、タイム的にドラフト指名される右打者としては、中の上 ぐらいとまずまず。秋は4番などを担っていたが、一番打者として出場することもある。ただし、盗塁を積極的に仕掛けてくるとか、そういった場面はあまり観られない。

守備面:
☆☆☆★ 3.5

 打球の反応や前にチャージしたりする、
積極的な守備を魅せる。腰を深く沈めて、地面に吸い付くようにミットを出すので球際でも強い。垢抜けてスピード感とかフットワークだとかグラブさばきが上手いとは思わないが、高校生のショートとしては、ドラフト候補としても 中の上 ぐらいはありそう。鍛えようによっては、プロでも二遊間で勝負して行ける素材ではないのだろうか。地肩もめっぽう強いわけではないが、ドラフト候補としても基準を満たすだけのものは持っている。


 守備でも走塁でも圧倒的ではないものの、ドラフト候補としては 水準~それ以上 のものを持っていた。プロでそれらを売りにできるほどかと言われると微妙だが、今後の意識や取り組み次第では、まだまだよくなって行けるかもしれない。







(打撃内容)

 夏の神奈川大会では、21打数6安打で、打率.286厘 。結果を求め過ぎていたのか? 
引っ張りにかかっていて、引っ掛ける打球も多かった。

<構え> 
☆☆☆ 3.0

 両足揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。少し猫背気味で、全体的に頼りなく見えるものの、両眼ではしっかり前を見据えられていた。もう少し背筋を伸ばした方がといった感じはするが、昨秋と構え自体は大きく変わっていなかった。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がり始めると動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。始動のタイミングも秋と変わっていませんでしたが、追い込まれると一度ベース側につま先立ちしてからチョンと踏み出す、「遅すぎる仕掛け」に変えてきます。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 
足を引き上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの時間は充分あり、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいはず。ただし、「間」を上手くとっているというよりも、大きく引き上げる動作のために、早めに動き出す必要があるのかなといった感じで、タイミングを上手く測っているわけでは無さそう。

 真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。踏み込んだ前の足はなんとか我慢できているものの、打球を引っ張りかかることが多い。センターから右方向への打撃も可能な動作なので、そういった意識を今後は求められるのではないのだろうか。


<リストワーク> 
☆☆☆ 3.0

 
打撃の準備である「トップ」の形をつくるのは自然体で、ボールを呼び込むまでに力みは感じません。ただし、バットが内から出るといったスイングでもないので、引っ張りにかかる割に内角のさばきが上手いわけでは無さそうです。恐らく、真ん中~甘めの外角球あたりを、上手く巻き込むのが長打を放つ条件かもしれません。

 それでもバットの先端であるヘッドは下がっていないので、フェアゾーンに飛びやすいインパクト。スイングも、フォロースルーを使って遠くに運ぶというよりも、大きめな孤を描き最後まできっちり振り抜いて行くタイプです。上手く巻き込めた時には長打がでますが、普段は鋭く野手の間を抜けて行くタイプの打者なのでしょう。


<軸> 
☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げは結構あるので、目線の上下動は並ぐらい。体の開きはなんとか我慢していますが、軸足の安定感は少し後ろに引き気味で、適正な場所に無いように感じます。これは、恐らく
ステップの幅が足りないからではないのでしょうか? 

(打撃のまとめ)

 
打撃フォームは、秋からほとんど変わっていませんでした。生で見ると、そんなにミートセンスが抜けているとか、ボールをめっぽう飛ばすとか、そういった特別ものは感じませんでした。


(最後に)

 
上手くゆけば、「強打の遊撃手」 といったスケールは感じますが、同じ神奈川のショートでも、昨年の 相澤 白虎(桐蔭学園-巨人育成5位)の方が、個人的には隙を逃さない鋭さがあって評価できました。田上選手の場合は、高校からプロに入るといった、何かギラギラしたものはまだ感じられず、大学に進学するのかなと思っていました。持っている資質自体はあると思うので、野球で飯を食べて行くんだと目の色が、どの時点で変わってくるかだと思います。評価的には、(支配下級)までの評価はできず、育成での指名は妥当だったのではないかと判断します。


(2023年夏 神奈川大会)










田上 優弥(日大藤沢2年)遊撃 181/80 右/右 





「神奈川屈指のドラフト候補」 





 23年度の神奈川の高校球界では、この 田上 優弥 が、最もドラフト候補らしいドラフト候補といった感じがする。強打・好守の遊撃手として、全国的にも注目される存在ではないのだろうか。


(守備・走塁面)

 一塁までの到達タイムは、右打席から 4.3秒前後(左打者換算で 4.05秒前後に相当)と、ドラフトとしては 平均的な脚力 。実際プレースタイル的にも、チームの中軸を任されるなど、走力を全面に押し出してくるプレーヤーではない。

 彼の最大の売りは、地面に吸い付くように吸着する腰の低い遊撃の守備にある。打球が目の前で変わっても瞬時に対応でき、送球も普段は丁寧に制球重視で投げてくる。それでいて大胆に動くときには動け、地肩もまずまず強い。 ドラフト候補としても 中の上 ~ 上の下 ぐらいの守備力はあるのではないかといった感じで、上のステージでもショートを担って行ける可能性を秘めた素材だとみている。





(打撃内容)

 秋の神奈川大会では、4番にすわり 3本塁打・9打点 打率.353厘 と存在感を示し、チームを県ベスト4に導いた。

<構え> ☆☆★ 2.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、少し猫背気味にグリップを下げて構えている。腰の据わり・全体のバランスとしても少し頼りないが、両眼で前を見据えるといった意味では悪くない。構えからは、強打者の雰囲気は伝わっては来ない

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がり始める時に動きだす、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足をしっかり引き上げて回し込み、少しベース側にインステップ気味に踏み込んできます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でも、スピードの変化には幅広く対応できます。ベース側に踏み出すように、外角への意識が高いのではないかと考えられます。

 インパクトの際にも、踏み込んだ足元はブレずに我慢。そのため、逃げてゆく球や低めの球に喰らい付けます。ゆえに打球も、右方向にも飛ばすことはできていました。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなくボールは呼び込めています。それでいて、打撃の準備である「トップ」を作るのも早めに作れており、速い球に立ち遅れない形はできています。

 気になるのは、スイングが遠回りに出てくることで、インパクトまでにロスがあること。そのため秋の慶応戦では、一発逆転の場面で打席を迎えても、速球でゴリ押しして来る相手に真っ直ぐを空振りする場面が目立ちました。それでも遠回りに出てくる割に、ヘッドを残すのは上手く上手く低めの球を拾う印象はあります。

<軸> ☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げは結構あるので、目線の上下動は並ぐらい。体の開きは我慢できているものの、軸足を後ろに引いてさばいたりと、軸足の安定感はイマイチです。ようは、ボールを引き付けて手元でさばけている感じのスイングではないということ。

(打撃のまとめ)

 大きな孤を描きながら、ヘッドスピードもかなり鋭いものがあります。現状は、確実性よりも破壊力が勝ったタイプなのではないかと。この辺の粗さを、最終学年いかに高めて行けるかではないのでしょうか。


(最後に)

 守備力に光るものがある一方で、まともに捉えられれば長打が期待できる破壊力のあるスイングをしてきます。その一方で、まだ上のレベルを想定すると、精度という意味では粗さが目立ちます。その辺を最終学年いかに改善して行けるかで変わってくると思いますが、持っているポテンシャルはそれなりのものがあるので、プロ志望であれば何かしらの形で指名されるかもしれないと思わせてくれるものはあります。期待して、最終学年の成長ぶりを見守ってゆきたい一人です。


(2022年秋 神奈川大会)