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木瀬 翔太(北嵯峨3年)投手 185/85 右/右 | |
現時点では、、凄みのあるタイプというよりも、投手としてのセンスが光るといった感じの 木瀬 翔太 。バランスの良いフォームから投げ込む正統派で、体格にも恵まれ可能性を感じさせる素材だった。 (投球内容) この夏の京都大会では、2試合 12回2/3 9安 9四死 13三 防 2.84 。 四死球は多いが、立命館戦の模様を見る限り、制球が粗いタイプには見えなかった。 ストレート 140キロ前後 ☆☆☆ 3.0 球速は常時140キロ前後といった感じだったが、初戦では143キロを記録したという。指先にかかった感じの真っ直ぐを投げており、打者の手元までの伸び・勢いは悪くない。球速表示よりも、打者は速く感じられる球ではないのだろうか。また、ボールも両サイドに投げ分けられており、コントロールが悪いようには見えなかった。 変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップ・フォーク ☆☆☆ 3.0 まだ絶対的な変化球があるわけでは無さそうだが、一つ一つの変化球のキレ・曲がりは悪くない。カーブ・スライダーなどでカウントを整えつつ、チェンジアップややフォークのような縦の変化も交えるなど、指先の感覚は良さそうで器用に感じられる。 その他 牽制のターンは鋭く、走者を刺すことのできる。クィックも1.0~1.1秒ぐらいとまずまずで、じっくりボールを持ち自分の間合いで投げることができていた。あとは、もう少し走者がいない時に、テンポを上げて投げられると投球にリズムが生まれるのではないのだろうか。。 (投球のまとめ) 現時点では、まだ絶対的なボールや凄みは感じられない。しかし、筋の良い投手で、全体的にパワーアップ・レベルアップを遂げて行ければ、将来楽しみな投手だといった感じがする。体ができてきた時に、どういった総合力・特徴を見出して行けるかではないのだろうか。 (投球フォーム) 実際のフォームを分析して、この投手の将来像を考えてみたい。セットポジションから、足を引き上げる勢いや高さがある。フォーム最初からのエネルギー捻出は、比較的高いリリーフタイプ。軸足一本で立った時に、膝がピンと伸びがちで力みが感じられる立ち方のは少し気になった。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 少し重心を沈める時に前に倒れがちのため、お尻の一塁側への落としには甘さが残る。したがって体を捻り出すスペースが充分確保できず、カーブやフォークの変化が鈍くなる恐れがある。 「着地」までの地面の捉えとしては平均的で、体を捻り出す時間も並ぐらい。こうなると、変化球の曲がりが平凡となり、武器になるほどの球を習得できるかが今後の鍵となる。 <ボールの支配> ☆☆☆☆ 4.0 グラブは最後まで体の近くにあり、外に逃げようとする力を内に留めることができている。したがって軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすい。足の甲での地面の捉えもしっかりしており、浮き上がろうとする力も抑えられている。「球持ち」も良く指先の感覚も良さそうで、体が出来てくれば、安定した制球力が期待できるのではないのだろうか。 <故障のリスク> ☆☆☆★ 3.5 お尻の落としには甘さはあるものの、カーブやフォークが投げられない窮屈には見えない。また、腕の送り出しにも無理は感じられず、肩への負担も少なそう。けして力投派でもないので、現状は疲労も溜め難いのではないのだろうか。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの地面の捉えは平凡で、ボールのみやすさも並ぐらいだろうか? そういった意味では、さほど嫌らしさを感じるフォームでは無さそう。 その一方で、投げ終わったあと腕が身体に絡んでくるなど、腕の振りには勢いと粘っこさが感じられる。さらに、体重をしっかり乗せてからリリースできており、打者の手元までの勢いも悪くない。最後まで力が伝えられた証として、地面を力強く蹴り上げられている。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」と「体重移動」に優れている。あとは、「着地」や「開き」に、もう少し粘りが出てくればと。制球を司る動作に優れており、故障ののリスクも高くは無さそう。問題は、将来的に武器になるような変化球を習得できるかに懸かっていそうだ。 (最後に) 実際の投球でもフォームを分析してみても、投手としての筋の良さが感じられる。現状は、驚くほどのボールは投げていないので育成枠だったのは致し方ない。しかし、まだまだ良く慣れる余地があり、それを活かすだけのセンスも感じられる。そういった意味では、育成枠での指名でも、☆ を付けても良い素材ではないかと判断したい。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2023年夏 京都大会) |