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| 森 煌誠(21歳・NTT東日本)投手 183/90 右/右 (徳島商出身) | |
高校時代は四国屈指の素材としてプロからも熱視線を浴びた 森 煌誠。高卒2年目の昨秋、日本選手権で全国デビューを果たすと、プロ解禁の年を迎えた今春はスポニチ大会で先発を任された。しかし、現時点では「まだまだ発展途上」という印象は拭えなかった。 (投球内容) オーソドックスな右の正統派。先発したスポニチ大会では、5回を投げて被安打6、四死球1、奪三振2、失点1 という内容だった。特に5イニング目には球速が140キロ前後まで落ち込み、なんとか5回まで持たせたという印象で、体力面にも課題を残した。 ストレート:140キロ前後〜MAX147キロ(☆☆★ 2.5) スポニチ大会では試合途中からの観戦となったが、その時点ですでに球速は140キロ前半まで落ち込んでいた。立ち上がりは140キロ台中盤を計測し、勢いで押せていたという。 昨秋の日本選手権(京セラドーム)ではリリーフとして最速147キロを記録しているが、同球場のガンは平均して5キロ程度速く表示される傾向があり、実際速度はそこまで出ていなかったように思う。この投手の球はミットに「ビシッ」と収まるというより、どこか「スポッ」と入るような感覚があり、指にしっかりかかっているように見えない。そのため、球速表示ほどの威力を感じさせないのが現状だ。 ゾーン内に集める制球力はあるものの、コースへの散らせはまだ甘く、痛打される場面も目立つ。ボール単体の評価としては、まだ「高校時代の延長線上」という域を出ていない。 横変化:スライダー(☆☆★ 2.5) 横滑りするスライダーを時折交えるが、投球の主軸というほどではない。現状は、カウントを稼ぐためのアクセントとしての役割に留まっている。 縦変化:スプリット(☆☆☆★ 3.5) 現時点で最大の武器は、縦に小さく沈むスプリットだろう。ストレートとのコンビネーションが投球の生命線となっている。空振りを奪うというより、チェンジアップのように打者のタイミングを外して引っ掛けさせる使い方が効果的だ。 緩急:カーブ(☆☆★ 2.5) 高校時代は縦割れのカーブを多用していたが、社会人に入ってからはあまり見られなくなった。腕の振りの緩みなどで打者に見極められているのかもしれないが、投球の幅を広げる意味では再考の余地がある。 その他 (☆☆☆ 3.0) クイックタイムは0.9秒台と非常に高速だ。一方で走者への目配せが甘く、クイックが速くてもスタートを許す危うさがある。フィールディング自体は悪くないが、マウンド上での細かな駆け引きや術数は、これからの経験が必要だろう。 (投球のまとめ) 昨年は公式戦での登板機会が限られていたが、プロ解禁年となる今年はチームとして積極的に起用していく方針のようだ。ただし、今大会での登板は1試合のみ。現状は「期待の若手」ではあるが、まだ「計算できる戦力」という位置付けではない。今後、大事な試合を任される中でどのような結果を残せるか注視したい。 (投球フォーム) セットポジションから足を蹴り上げる勢いや高さには勢いがある。軸足一本で立った際に膝から上がピンと伸びきり、やや力みが感じられるが、引き上げた足を二塁側へ送り込むことでバランスを維持しようとしている。 <広がる可能性>(☆☆☆★ 3.5) お尻の一塁側への落とし(ヒップファースト)には甘さが残る。そのためカーブやフォークの曲がりや落差は鈍くなる傾向にあるが、窮屈な動きではないため、他の変化球の習得も含め改善の余地は十分にある。着地までの粘りもあり、体を捻り出す時間を作れている点は評価できる。 <ボールの支配>(☆☆☆ 3.0) グラブを内に抱え、遠心力を抑え込めているため軸はブレにくい。両サイドへのコントロールも大崩れはしないだろう。ただし、足の甲での地面の捉えが浅く、力が上に逃げやすいため、球が高めに浮きやすい恐れがある。球持ちも並程度で、繊細な出し入れまでは至っていない。 <故障のリスク>(☆☆☆ 3.0) スプリットを多用するため、肘への負担には注意が必要だ。また、投球時に肩が少し上がり、グラブが下がりがちな点も気になるが、現時点では神経質になるほどではない。力投派ではないため、フォームに由来する疲労蓄積のリスクは低い。むしろ、投げるだけの体力を更に引き上げたい。 <実戦的な術>(☆☆☆★ 3.5) 着地までの粘りがあり、ボールの出どころを隠せている点は長所だ。これにより、縦の変化球を打者に振らせる確率を高めている。ただし、リリース時に腕が体にしっかり絡んでこないなど、腕の振りの強さが物足りない。体重移動自体は悪くないが、打者の手元での球威が平凡なのは、回転数や回転軸に改善のヒントがあるのかもしれない。 (フォームのまとめ) 「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の4大動作に、大きな欠陥は見当たらない。制球の土台も故障リスクも平均レベルであり、むしろフォームの土台が良いからこそ、パワーアップ次第で化ける可能性を秘めている。 (最後に) 現状、即戦力のドラフト候補としては物足りなさが残る。しかし、高卒3年目という若さを考えれば、ファームで1〜2年じっくり育成することで大きく化ける可能性はある。下位指名で素材枠として獲得を検討する球団が現れるかもしれない。今年1年、公式戦でどこまでパフォーマンスを上げていけるか、継続して追いかけていきたい。 蔵の評価:追跡級! (2026年 スポニチ大会) |
| 森 煌誠(徳島商2年)投手 183/87 右/右 | |
このひと冬の間に、あと少し成長できれば、充分にドラフト候補として注目されそうなのが、この 森 煌誠。 四国屈指の本格派として、高校からのプロ入りが期待される存在なのだ。 (投球内容) 秋の大会では、チームを四国大会に導きます。しかし、高松商相手に打ち込まれ、選抜出場を果たせませんでした。 ストレート 135キロ~140キロ台前半 ☆☆★ 2.5 MAX147キロと言われる球速ですが、普段は135キロ~140キロ台前半ぐらいと、まだまだ絶対的なものはありません。両サイドにボールを散らせるピッチングですが、やや左打者外角への球が高めに抜けたり、右打者にも高めに浮いたところを狙い打たれることがあります。多少甘く入っても、相手が振り遅れたり、打ち損じるだけの勢いが欲しいところです。 変化球 カーブ・スライダーなど ☆☆☆ 3.0 横滑りのスライダーよりも、縦に割れる110キロ前後のカーブを使っていることが多いです。この球でカウントを整えられるかが一つ生命線で、決まればブレーキが効いて効果的です。ただし、現状は、これ以外の変化球や武器になるほどの球は見当たりません。 その他 クィックは、1.0秒前後と素早く、フィールディングも落ち着いてボールを処理できています。まだ細かい投球術はないように見えますが、堂々としたマウンドさばきです。 (投球のまとめ) 1年生のときは、リリーフでガンガン140キロ台を投げ込むような力強さがありました。先発の場合、それほどバリエーションが多くないので、単調になって甘く入る球を打ち込まれる、そういったケースがあります。そういった部分を改善できるようになるか? 甘い球も容易には打ち返されない、球威・球速を身につけられるようになれるかが求められます。 (投球フォーム) セットポジションから、高い位置まで足を引き上げてきます。軸足一本で立った時には、膝にも余裕がありバランス良く立てています。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 お尻を一塁側に落とせるフォームなので、体を捻り出すスペースを確保。したがって、捻り出して投げるようなカーブやフォークといった球種を投げるのには無理がありません。 その一方で、「着地」までの地面の捉えは淡白。。体を捻り出す時間が充分ではないので、曲がりの大きな変化球の習得が厳しくなります。ゆえに、決め球となるほどの変化球を習得できるのかには懐疑的になります。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後まで内に抱えられているので、外に逃げようとする遠心力を内に留めています。したがって軸はブレ難く、両サイドへの投げ訳は安定しやすいのかと。しかし、足の甲での地面の捉えが浅いので、浮き上がろうとする力を充分に留めることができません。そのため力を入れて投げると、ボールが高めに集まったり抜けてしまうことも少なくないようです。「球持ち」自体も並ぐらいで、指先の感覚はさほど良くないように見えました。 <故障のリスク> ☆☆☆☆ 4.0 お尻は落とせているので、カーブやフォークを投げても窮屈にはなり難いのでは? カーブを結構使ってきますが、その点ではあまり肘への負担などは少なそうです。腕の送り出しを見ていても、肩への負担も少なそう。多少力投派の部分はありますが、そこまで疲労を溜めやすいといったフォームではないように思えます。 <実戦的な術> ☆☆★ 2.5 「着地」までの粘りがないので、イチ・ニ・サン のタイミングで合わされやすい傾向にあります。また、ボールの出どころも並ぐらいでしょうか? イチ・ニ~の・サン の ニ~の のタメが欲しいところです。 腕も、思ったほど体に絡んで来るといった粘っこさがありません。ボールへの体重の乗せ具合も平均的で、もっと乗せてから投げられるようになると、打者の手元までグッと迫ってくるような迫力が出てくるのではないのでしょうか。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「着地」に課題があり、その他も並ぐらいといった感じで、まだまだ体を使い切れていない感じがします。故障のリスクは低そうなのは良いのですが、制球を司る動作や、将来的に武器になるほどの変化球を習得できるかは微妙です。そういった、実戦的な部分で物足りなさを残します。 (最後に) 現状、高校からプロ入りを狙えるかは、春までの成長具合で大きく変わってきそうです。それを狙えるだけの資質はありますが、本当の意味で素質が開花するのは、次のステージに進んでからかもしれません。現状は、春までの成長を見てから判断したいところで、期待半分、不安半分 といった感じではないかと思います。それでも、四国全体でも屈指の右腕であるように思えます。 (2022年春 交流戦) |