23ｄｙ-9
23ｄｙ-9
| 萩原 義輝（流通経済大４年）捕手 １８０／８５ 右／左 （東海大相模出身） | |
オフシーズンの頃には、進藤 勇也（上武大）捕手に次ぐ大学生捕手は、この 萩原 義輝 だとみていた。しかし、平塚合宿で一同に全国トップクラスの捕手達を見ていると、けして突出した存在ではないことに気がついた。 （ディフェンス面） 体を小さくかがめ、ミットをしっかり投手に示して、的をつけやすく構えます。ミットを下げるような癖もありません。少々ボールを上から捕りたがる傾向があるので、低めやワンバウンドするような球への捕球に不安を覚えるところはありますが。特にフットワークが機敏だとか、グラブさばきが上手いといった感じはありませんが、テンポの良いリードを心がけたり、周りにも指示を出せますし、投手ともある程度対話しながら守ることはできています。 送球を見る限り、1.8秒台中盤～1.9秒台前半ぐらいであり、送球の強さ・精度共に悪くないように見えます。ただし、強肩揃いの平塚合宿では、その地肩の強さは平凡に見えました。もう少し圧倒的な地肩の持ち主だと思っていただけに、この春は物足りなく見えます。春は、結構別の選手がマスクをかぶることも多く、あまり肩・肘の状態が良くなかったのかもしれません。 もう少し強肩・強打の捕手というイメージを持っていたものの、平塚や春のリーグ戦を見ていると、そこまで図抜けてはいない。あるいは、そういったパフォーマンスを示せない理由が何かあったのかもしれません。大学日本代表を逃したように、思ったほどでもなかったというのは関係者も同様だったのではないのでしょうか。 （打撃内容） この春は、１１試合には出場したものの、打率.333厘・０本・２打点 と物足りなく、規定打数にも達することができませんでした。平塚での実戦でも、次から次へと代わる投手に、対応しきれない感じでした。昨春、.４１０厘の好成績を残し、大学選手権でホームランを打ったときのような勢いは感じられませんでした。 ＜構え＞ ☆☆☆☆ 4.0 前の足を引いて、グリップを高めに添えつつバットを寝かせて構えます。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスなど、構えには悪いところがなく、打席では強打者としての雰囲気を感じます。 ＜仕掛け＞ 早め 昨年は投手の重心が下がりきったあたりで動き出す「平均的な仕掛け」を採用していたのですが、この春は重心が下がり始める時に動き出す「早めの仕掛け」に始動のタイミングが変わっていました。たまたまなのか？ 意識的に始動を早めていたのかは定かではありません。強打者というよりは、対応力を重視した形になっていました。 ＜足の運び＞ ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げてから、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動～着地までの「間」はとれており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい打ち方。アウトステップするように、内角への意識が強いことがわかります。昨年は、真っ直ぐ踏み出していたので、結構いろいろ変えてきていました。 踏み込んだ足元は、インパクトの際になんとか地面を捉えて我慢。そのため、逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことができます。そのため、レフト方向への打球も可能にしています。 ＜リストワーク＞ ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めているところは良いところ。けして、インサイドアウトにバットが出てくるタイプではありませんが、外角の球を叩くときもヘッドが下がっていないので、特に大きなロスは感じられません。ボールを遠くに運ぶというよりは、最後までしっかり振り抜き、鋭い打球で野手の間を抜けて行くのが持ち味ではないのでしょうか。 ＜軸＞ ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げはありますが、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。比較的、調子の波は少ないタイプなのではないのでしょうか。 （打撃のまとめ） 始動のタイミングやステップの仕方など、細かい部分はいろいろ変えていたようです。ただし、本質的な部分では大きくは損なわれていないので、試行錯誤の最中なのかもしれません。ただし、大学日本代表レベルの投手たちに対しては、明らかに対応に苦慮していたところをみると、プロに入っても時間がかかるのかなと感じられました。 （最後に） 攻守に、下級生のような勢いや輝きが無くなっていたのは気になる材料。それでもフォームなどを分析する限り、何か大きく形を崩していたわけではなさそうです。体調面を整え、精神的な自信が芽生えれば、まだまだ巻き返しは可能だとみます。秋のリーグ戦で確認して、最終的な判断をしたいところです。 蔵の評価：追跡級！ （２０２３年 平塚合宿） |
