23dy-4
石上 泰輝(東洋大4年)遊撃 172/85 右/左 (徳島商出身) | |
オフの「本当に凄いやつ」でも寸評を作成した通り、23年度の飛躍を期待していた一人であった 石上 泰輝 。今年、何度か生で確認したものの、思ったほどのインパクトは感じられなかった。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの到達タイムは、左打席で速い時で 4.1秒前後。これは、ドラフト指名される左打者としては平均的なタイムだと言える。リーグ戦でも、盗塁の数は毎シーズン 2~3個 といった感じで、全く動けないわけではないが、足を売りにして行けるかは微妙といった感じがする。実際プレーを観ていても、少し重苦しく見えるぐらいで、俊敏な感じはして来ない。 守備面:☆☆☆★ 3.5 下級生の時に、逆シングルの深いところからアウトをしたのを観て、その強肩ぶりに驚かされた。ただし、上記に記したように、二遊間を守る選手にしては、スピード感や動作の切り返しがやや鈍いように思える。そのため、最初の一歩目の反応、フットワークなどに特別なものは感じられず、守備範囲は広くないものの、球際で強かったり、地肩の強さで送球が安定しているなど、そういった部分を評価するタイプではないのだろうか。現状プロに混ぜた時に、垢抜けて上手い感じはしなく、守備を売りにして行けるほどかは個人的に微妙な印象を受けている。 (打撃内容) 打撃の方でも、物凄く対応力が高いとか、長打力があるとか、そういった特徴は見えづらい。一部に昇格した今シーズンは、東都で .231厘 と、目立つものはなかった。二部時代でもモノの違いを魅せていた印象はなく、そこそこ打てて、たまに引っ張った打球が飛んで行くといった印象しかない。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を引いて、グリップは高めに捕手側に引いて添えています。腰の据わりは悪くないが、少し引き過ぎのような。そのため、全体のバランスとしてはあまり良く見えないが、両眼で前を見据える姿勢はできている。したがって、錯覚は起こし難くボールを追うことはできている。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下る時に、引いていた足をベース側にもってきてつま先立ちします。その後再度ステップするのですが、その時のタイミングがリリース直前ということで、「遅すぎる仕掛け」になります。この仕掛けだと、プロレベルの球速やキレには立ち遅れやすく、日本人の筋力やヘッドスピードだと扱うのが難しいと言わざるえません。一度地面に足を降ろしても構わない(ここでタイミングをとっているのでしょうし)ですが、その後の動作が遅れないように注意したいところです。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、少しベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」がないので、あらかじめ狙い球を絞り、その球を逃さず叩くことが強く求められます。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプなのかと。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際に止まっています。したがってアウトステップでも甘めの外角球や真ん中~内角低めの球ならば、充分に対応できそうです。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は、あらかじめグリップを引いているぶん早いです。したがって、始動の遅さをここで補おうとしています。その一方で、あらかじめグリップを引いて構えると、前の肩が強く後ろに引かれる分、リストワークに遊びがなくなり柔軟性を損なうきらいがあります。 バットの振り出しに関しては、肘をたたんで内から出てくるタイプです。したがって、内角寄りの球を引っ張るのには適しています。バットのしなりを活かして飛ばすタイプではないのですが、ヘッドも下がらないので、フェアゾーンにボールが飛びやすいのでは? <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが小さいので、頭の位置は安定しています。体の開きも我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びています。そういった腰の回転で巻き込む時には強さを発揮するスイングですし、何より軸足の内モモが強く発達しているので、強烈な打球を生み出す原動力になっています。 (打撃のまとめ) 始動の遅さ含めて、対応力に課題を感じ、プロの投手相手には苦労するのではないかと感じます。その一方で、内角のさばき方は上手く、また軸足の内モモの筋肉が発達しており、上手く巻き込めた時にはビックリするような飛距離を生み出すことがあります。意外にこの選手は、打撃は粗っぽいロマン型なのかもしれません。 (最後に) 同世代の左打ちである 森敬斗 や 林琢磨 がいるなか、あえて獲る意味があったのかは疑問が残ります。また、実力的な微妙な印象を受けました。その一方で彼らにない個性を見出すとすれば、ショートの守備の安定感で彼らを上回ることができれば、獲得した意味は出てくるのではないのでしょうか。そして彼らにはない、一発長打のパンチ力もあるということになれば、また別の個性を示すことができそうです。2割5,6分でも、ホームラン15本前後打つとことができ、さらにチームの若手でも一番遊撃の守備は安心してみていられる、そういった位置づけにが求められるのではないのでしょうか。 ただし、個人的には、本会議で指名するほどの魅力は感じられなかったので ☆(支配下級)の評価にまでは至りませんでした。今後の成長に、期待して見守りたいところです。 (2023年秋 東都リーグ戦) |
石上 泰輝(東洋大3年)遊撃 172/82 右/左 (徳島商出身) | |
アマチュア野球を観ていると、動きがとても良いショートはたまにいる。しかし、本当に肩が強いなと思わせてくれる遊撃手は、滅多に出会わない。そんな中、この選手は肩が強いなと思えるのが、この 石上 泰輝 だ。 (守備・走塁面) 一塁到達タイムは、左打席から 4.2秒前後 。 このタイムは、ドラフト指名される左打者としては少し遅い。もう少し早いタイムも出るのかもしれないが、リーグ戦では毎シーズン 2~3個 ぐらいと足を積極的ににアピールしてくるわけでは無さそうだ。 遊撃手としては、結構細かい動きもでき、打球への入りも丁寧で動きもまずまず。最大の売りは、深いところからでもアウトにしてしまう、踏ん張りの利く強肩にある。守備は 中の上 、肩はプロでも上位クラスの内野手だと評価できそうだ。 (打撃内容) 3年春のリーグ戦では、東都二部で .373厘 のハイアベレージを記録。続く秋のシーズンでは、.289厘 ながら東洋大の3番を担った。また、大学選抜松山合宿には、全日本候補に選出され参加していた。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を引いて、カカトを浮かせて構えます。グリップを高めに捕手側に引いて構え、腰は深く据わり、両眼で前を見据える姿勢は良く、全体のバランスとしてもまずまず。あらかじめグリップを引いて構えると、力みが生じやすくリストワークに遊びが無くなりやすいので注意したい。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が下る時に、開いていた足をベース側につま先立ちします。そこから本格的に動き出すのは、投手がリリースをする直前という「遅すぎる仕掛けを」採用。日本人の筋力やヘッドスピードを考えると、ここまで遅い始動をプロレベルの投手相手にするのは厳しいように思えます。できるだけ引き付けてから動き出すのでは、二番打者タイプの傾向が強いとは考えられますが。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞りその球を逃さない「鋭さ」が求められます。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプなのではないのでしょうか。 踏み込んだ足元は、インパクトの際にはブレずに我慢。そのため、アウトステップでも甘めの外角球や高めの球ならば、充分に対応できます。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 あらかじめバットを引いて、「トップ」に近い位置にあるので、始動の遅さをある程度補えています。バットの振り出しも、インサイドアウトで内から出てくるタイプですし、甘い外角球ならばレフト方向にもキッチリ打ち返します。 それほどバットのしなりを活かして打つタイプではないのですが、スイングにひ弱さは感じません。インパクトの際にもバットの先端であるヘッドが立っているので、フェアゾーンにボールが飛びやすいです。 <軸> ☆☆☆☆★ 4.5 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は殆どみられない。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。特に、軸足の内モモの筋肉も発達しており、打球は強烈なものを放つことができる。 (打撃のまとめ) 本格的始動が遅すぎるために、動作全体に余裕がないのが気になる。あとは、グリップをあらかじめ引いていたりと、少し柔軟性に欠けるきらいはある。その辺をもう少し、全体に柔らかさや幅みたいものが打撃に出てくると、動作自体はきっちりしているので確実性も増して来るのではないのだろうか。 (最後に) なんと言っても、上のレベルでもショートを任せられそうな強肩の持ち主。走力は並で、打撃の資質は悪くなりそうだが、プロに順応するのには数年かかるかもしれない。そういった意味では、春の内容次第で進路が決まってきそう。できれば、春は入れ替え戦でアピール。秋は、一部でも通用するところを魅せて、大学からのプロ入りを実現させて欲しい。 (2022年 秋季リーグ戦) |