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宮崎 一樹(山梨学院大4年)外野 184/84 右/右 (山梨学院出身) 





 「フィジカルモンスターだけれども」





 大学日本代表候補が集う平塚合宿では、名だたる全国の選手の中でも50メートルで最速ラップを記録した 宮崎 一樹 。センターからの返球も強く、3年秋のシーズンでは 打率.600厘 5本塁打 を記録した、まさにフィジカルの化け物といった感じの選手だった。その一方で、レベルの高い相手になると、まだ対応しきれない弱さが残っている。

走塁面:☆☆☆★ 3.5

 以前計測した時には、一塁までの到達タイムは 右打席から 4.35秒前後(左打者換算で 4.1秒前後に相当)とドラフト候補としては平均的なタイムだった。一歩目が素早いタイプの快速というよりは、ベースランニング等で加速して行くタイプなのかもしれない。それでも今春は、9盗塁を決めるなど走力でアピールすることはできていた。まだまだプロで学ばないと行けないことは多そうだが、純粋な走力はプロでトップクラスなのは間違いない。

守備面:☆☆☆★ 3.5

 この脚力を活かし、守備範囲は狭くない。ただし、打球への一歩目の反応や落下点までの入りなどを見ていると、まだまだ上手い外野手といったレベルではないようだ。センターからの返球は確かで、スローイングの形、中継への送球などを見ていても、悪いクセは感じられない。このへんも、プロの指導次第で、まだまだよくなって行けるのではないのだろうか。

 現状は、プロでも上位クラスの脚力や地肩はあるものの、走塁技術や守備力という意味では上手いとは言えない。そういった素材を、いかに磨いて売りにして行けるかに懸かっている。






(打撃内容)

 4年春のリーグ戦では、本塁打こそなかったものの、打率.419厘・9盗塁を記録。大学日本代表にも選出されたが、日米野球で華やかな活躍ができるとまではゆかなかった。

<構え> ☆☆☆ 3.0

 前の足を引いて、つま先立ちで構えます。グリップの高さは平均的で、腰の据わり具合、両目で前を見据える姿勢や全体のバランスも並ぐらいでしょうか。

<仕掛け> 遅め

 投手の重心が下る時にベース側につま先立ちし、本格的に動き出すのは投手が前に重心移動しはじめてから。この始動のタイミングは、「遅めの仕掛け」になります。天性の長距離打者やボールできるだけ引き付けてから叩く二番打者に多くみられる仕掛けです。ただ、足の動きが忙しないので、
一定レベルの球速やキレのある球に対しては、立ち遅れる危険性を感じます。これ以上、動作全体が遅れないように注意したいところです。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は短いので、狙い球を絞り、その球を逃さないことが求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのではないのでしょうか。

 踏み込んだ足元は、
インパクトの際に止まって動きません。そのため、逃げて行く球や低めの球にも食らいつくことは可能だと判断します。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているので、始動の遅さを補おうことができています。
バットの振り出しにも癖はないので、インパクトまでに大きなロスは感じません。

 少々インパクトの際にバットの先端である
ヘッドが下り気味なので、打ち損じは多くなりがちです。基本的には、大きな孤を活かして飛ばすとか、ボールに下にバットを潜り込ませて捉えるとか、フォロースルーを活かして運ぶとか、そういったスイングではないように思います。あくまでも、きっちり振り抜くのが基本の軌道に見えました。昨秋みたときはスイングが遠回りに出ていたので、そのへんはかなり内からバットが出るようにはなってきています。

<軸> ☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げは小さいのですが、目線の上下動は並ぐらい。体の開きは我慢できていますが、
足元を見ている少し窮屈に見えます。恐らく上手くセンターから右方向にというよりも、腰の回転を生かした引っ張りを好むタイプなのでしょう。

(打撃のまとめ)

 スイング軌道に癖がないのは良いのですが、タイミングの取り方が上手く行っていなかったり、足元に余裕がなく打撃の幅は広くないように見えました。それでも、、140キロ前後ぐらいの投手ならば面白いように打てるので、問題は
150キロ級のスピードに対応した打撃が身につけられるか懸かっています。打撃に関しては、一軍の投手に対応するまでには、数年の時間が必要だと考えます。ただし、根本的な当て勘は悪い選手ではありません


(最後に)

 今春の日体大戦でのオープン戦では、打った瞬間に本塁打という圧巻の一発を放ちました。そういった飛ばせる能力にも、非凡な可能性を感じさせます。イメージ的には、鈴木誠也(広島-カブス)に似たタイプではないかと。ただし、ちょっと強打者にしては、
イケイケの強気の性格といった感じがしなかったのが気になるところではありました。フィジカルは確かですが、あまり入れ込み過ぎるのも危険かなと感じます。ドラフト的には、3位前後ぐらいの評価になりそうです。


蔵の評価:
☆☆(中位指名級)


(2023年 高校日本代表VS大学日本代表)


 








宮崎 一樹(山梨学院大3年)中堅手の本当に凄いやつへ