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天井 一輝(亜細亜大4年)外野 177/79 右/左 (広島商出身) | |
今年の大学生で、NO.1外野手は? と訊かれたら、私は迷いなく、この 天井 一輝 だと応えるだろう。ただ、この選手、どうも社会人志望だと聴いて、残念に思ったものだ。意識も高い選手だけに、プロ志望届 を提出しないかなと密かに期待している。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの到達タイムは、左打席から 3.95秒前後 とまずまず。この春のシーズンでは3盗塁に留まったが、3年春のシーズンでは7盗塁を記録している。プロで足を売りにするほど圧倒的な脚力かは微妙ではあるものの、俊足 であるのは間違い無い。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 常に、次のプレーを想定した形で捕球できている点は素晴らしいです。外野からの返球も、正確かつ強いものがあります。下級生の頃から、地肩の強さには目を見張るものがありました。身体能力を頼らず、高い意識と集中力でプレーができていることが伺えます。 (打撃内容) 1年秋からリーグ戦でレギュラーとして出続けているのですが、3割5分を超えるようなハイアベレージを残したシーズンはありません。それでも、局面での勝負強さと、目が覚めるような鋭い当たりは際立ちます。ちなみに、この春のシーズンでは、0本 5点 打率.280厘 だったのですが、日米野球ではチーム最高の打率.316厘の好成績を残しました。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を引いて、グリップは高めに添えます。腰の据わり具合、両目での前の見据え方、全体のバランスとしてもとれており、打席でも高い集中力が感じられます。 <仕掛け> 遅すぎ~早め 投手の重心が沈む時にベース側につま先立ちし、リリース直前に本格的に動き出す「遅すぎる仕掛け」を採用しています。これだけ遅いタイミングでの始動は、プロレベルの投手のスピードやキレに対応するのには苦労しそうで、その点は気になる材料ではあります。ただし、追い込まれると「早めの仕掛け」に切り替えて対応できるので、幾つかのタイミングを使い分ける技術があるようです。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さくステップして、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞ってその球を逃さないことが求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプか。ただし、追い込まれると始動を早めることもできているので、その点はあまり気にしなくても良いのかもと。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にはなんとか動かずに我慢。そのため、低めの球や逃げて行く球にも食らいつくことができます。ただし、少々ステップが狭めなので、引っ張って巻き込む打撃の方を好むのかもしれません。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 早めに「トップ」を作っているように見えるのですが、そこからさらにバットを引くので速い球に立ち遅れないか心配です。しかしこれも、日米野球などの国際試合で成績を残したように、スイングを使い分けることで対応しているのかもしれません。 スイング軌道は、けしてインサイドアウトではありません。むしろ大きな孤を描きながら、しっかり振り抜いてくるタイプ。そのため、確実性よりも破壊力重視なのが伺えます。リーグ戦での打率が、そこまで突出していないのも、そのへんが影響しているかもしれません。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できていますし、軸足も太さはないのですが強さを感じます。鋭い打球を連発するのも、そのせいなのかもしれません。 (打撃のまとめ) 甘い球を仕留めるという意味では、非常に興味深い打者です。ただし、始動のタイミングの遅さや、スイング軌道を観ていると、ハイアベレージを残すというよりは、効果的なヒットを放つタイプの打者だと感じました。この辺は、上のレベルではさらに精度を高めて行って欲しいところです。 (最後に) 社会人希望だと聴いていますが、意識の高い選手で今後何処まで研ぎ澄まされて来るのか気になります。まだまだ修正できる部分も少なくないので、2年後には文句なしの形でプロ入りを実現して欲しいところです。すでに現時点でも、充分にプロでやって行ける選手だと評価します。ただし、プロ志望届を提出した場合には、4位前後ぐらいの評価に留まるかもしれません。その順位以上に、モノになる可能性は高いとみています。 蔵の評価:☆☆☆ (上位指名級) (2023年 高校ジャパンVS大学ジャパン) |