石澤　大和（東農大北海道オホーツク４年）投手　１７６／７４　左／左　（網走南ケ丘出身）

「面白いとは思う」

　驚くほどの球威や球速はないものの、テンポよく投げ込み、打者の内角を厳しく突いてくる　石澤　大和　。左打者に強そうな左投手でもあり、なかなか短いイニングであれば面白い存在ではないのだろうか。

（投球内容）

　腕がそんなに下がってくるわけではないのですが、左打者の内角を突きつつ外角へのスライダーを活かしてくるので、打者は容易に踏み込んで来られないというタイプの左投手だと考えられます。

ストレート　１３５キロ～１４０キロ台前半　☆☆★　2.5

　球威や球速という意味では、ドラフト候補としてはやや物足りません。上記にも記したように、打者の内角を厳しく突いてきます。それでいて結構荒れ球で、打者としては踏み込みづらいかと。そのため、球威・球速がそれほど無くても、その点は気になりません。右打者に対しては、結構両サイド一杯にボールが散ってゆきます。左打者にはアバウトなのですが、武器であるスライダーを効果的に使えています。

変化球　スライダー・カーブ・チェンジアップ　☆☆☆　3.0

　基本的にスライダーとのコンビネーション投手で、時々ゆるいカーブを使ってきたり、ツーシーム的な小さく逃げるチェンジアップを織り交ぜてきます。特にスライダーは、打者の内外角に投げ分ける技術を持っています。ただし、投球が単調になりやすく、イニングが進むに連れ慣れられて全国大会では結果が残せていないのかなといった気がします。

その他

　左腕らしく、牽制の見分けはつき難いです。また、クィックは１．０５秒前後とまずまず。打者としては、なかなかスタートの切りにくいのではないのでしょうか。特に投球に「間」を使ってとかいう感じがしないだけに、配球が単調になりやすい分、そういったところには工夫が欲しいところです。

（投球のまとめ）

　昨秋と比べて、目に見えて球威や球速が変わってきた感じはしません。リーグ戦では無双をしているのですが、なかなか全国大会だと結果を残し切れていないのは残念です。秋に向けて、そういった部分に変化が出てくると、プロ入りにも太鼓判を押せるのですが・・・。

（最後に）

　オフシーズンにフォーム分析をしているので、今回は割愛させて頂きます。テンポよく内角を厳しく突いて来ることで、打者はよくわからない間に抑えられているといった感じに陥るのでは？マウンドさばきがよく先発向きに見えますが、むしろ今のスタイルであれば、プロでは中継ぎで持ち味が出るタイプではないのでしょうか。現状は、本会議での指名はボーダーラインぐらいだとみていますが、育成枠含めれば面白いと判断する球団があっても不思議ではありません。個人的には、短いイニングであるならば、有りなのではないかと評価します。

蔵の評価：☆（下位指名級）

（２０２３年　大学選手権）