23dp-10
| 尾崎 完太(25歳・セガサミー)投手 175/73 左/左 (滋賀学園-法政大出身) | |
法大時代からドラフト指名が期待されてきた左腕、尾崎 完太。しかし、社会人2年目の昨年も指名されることなく終わった。果たして今年こそ指名があるのか、気になるところだ。 (投球内容) 社会人3年目で迎えた東京スポニチ大会。2戦目の先発を任されたが、5回を投げて9安打、無四球、5三振、3失点 という内容だった。しかし、結果以上にボール自体は悪くなかったように見えた。 ストレート:140キロ前後〜140キロ台中盤(☆☆☆ 3.0) 球速自体は平凡だが、ボールの出どころが見えにくいフォームからピュッと来る感覚があり、決して悪くはない。ボールも両サイドに散っており、正直、そこまで打ち込まれる理由は判然としなかった。 横変化:スライダー(☆☆★ 2.5) 大学時代は、曲がりながら沈む120キロ台のパワーカーブのような球をよく投げていた記憶がある。しかし、この試合ではそういった球はほとんど見られなかった。 縦変化:チェンジアップ(☆☆☆ 3.0) スライダーの代わりに多く投じていたのがチェンジアップだ。空振りを奪うほどの威力は感じられなかったが、低めには集められていた。 緩急:カーブ(☆☆★ 2.5) 緩いカーブのような球を時折織り交ぜる。この球でしっかりカウントを整えられるようになると、投球がさらに楽になりそうだ。 その他(☆☆☆★ 3.5) クイックは1.0〜1.1秒前後とまずまず。走者への目配せもできており、飛び出した走者を刺すような鋭い牽制も見られた。スタートを切りにくい投手と言えるだろう。ボールを長く持つなどの投球術も見られるが、精神的に余裕がなくなると投球が一辺倒になり、連打を浴びやすい傾向がある。 (投球のまとめ) 一塁側のプレートを踏み、対角線のクロスへの球筋を強く意識した投球だった。なんとかして抑えようという意思は感じられるが、まだそれが形になりきっていない印象だ。そのプレースタイルから、リリーフの方が向いているのかもしれない。 (投球フォーム) セットポジションから足を引き上げる勢いや高さは平均的。軸足一本で立った際、膝から上がピンと伸びがちで力みは見られるものの、足を幾分二塁側に送ることでバランスを保てている。 <広がる可能性>(☆☆☆ 3.0) 引き上げた足を地面に向けて伸ばすため、お尻がバッテリーライン上に残りやすい。その分、体を捻り出すスペースが十分に確保できず、構造上はカーブやフォークといった球種に適しにくいのではないか。それでもステップを大きく取ることで、体を捻り出す時間は適度に確保されている。カーブやフォーク以外であれば、曲がりの大きな変化球の習得も期待できそうだ。 <ボールの支配>(☆☆☆ 3.0) グラブを最後まで内に抱え、外へ逃げようとする遠心力を抑えられている。そのため軸がブレにくく、両サイドの制球は安定しやすい。一方で足の甲での地面の捉えが浅く、力むとボールが上ずりやすい。「球持ち」もそれほど長くはなく、イニングが進むにつれて制球が甘くなる傾向が見られた。 <故障のリスク>(☆☆ 2.0) ヒップファーストが浅いため、縦の変化球を投げようとすると体に窮屈さが出る。その影響で肘などへの負担が懸念される。また、投球側の肩が上がり、グラブ側の肩が下がりやすいため、腕の振り出しにも一定の負担がかかっているようだ。もっとも、極端な力投派ではないため、すぐに疲労が蓄積するほどではないだろう。 <実戦的な術>(☆☆☆★ 3.5) 「着地」までの粘りは適度に作れており、ボールの出どころを隠せている。打者からすれば「見えないところからピュッと出てくる」感覚で、差し込まれやすい。腕も強く振れており、その勢いで空振りを誘うことも可能だ。もう少しリリースを我慢できるようになれば、さらに体重が乗り、打者の手元で伸びる球が投げられるだろう。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作(着地・球持ち・開き・体重移動)のうち、「球持ち」と「体重移動」に改善の余地がある。足の甲での抑えが浅くボールが甘く入りやすい点や、肩・肘への負担が大きそうなフォームは気になる材料だ。将来的に「これ」という絶対的な武器を見出せるかが鍵になるだろう。 (最後に) 大学時代の欠点だった制球力は、この試合で5イニング無四球と改善の兆しを見せている。ただし、序盤は好調ながら中盤に9安打を浴びた点は、打ち込まれ出すと止まらないという課題が残っていることを示唆している。貴重な速球派左腕だけに、今後の進化を見極めていきたい。個人的には、その特性を活かせるリリーフとしての適性を強く感じる。 蔵の評価:追跡級! (2026年 スポニチ大会) |
| 尾崎 完太(法政4大年)投手 175/73 左/左 (滋賀学園出身) | |
キレのあるボールの勢いや変化球の曲がりは、上位指名に相応しいボールを投げ込む 尾崎 完太 。 この春は、4勝0敗 と、勝てる投手へと変貌してきた。 (投球内容) 特に、今シーズンの滑り出しは良く、一皮むけたのではないかと思わせる投球をしていました。好調時にはポンポンとテンポ良く、コンビネーションが冴えまくります。 ストレート 常時145キロ前後 ☆☆☆★ どの試合を見ていても、コンスタントに145キロ前後を刻んできます。平塚合宿の時には、やや調子が落ち気味だったのもあり、マイガンで89マイル・143キロほどでした。それでも、ボール自体のキレ・勢いには見るべきものがあります。ボールも両サイドに適度に散らせるのですが、フォームのバランスを崩しやすいのは注意したいところ。 変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップなど ☆☆☆ 3.0 最大の特徴は、120キロ前後の大きく曲がりながら沈むパワーカーブなのか、スライダーを投げ込んできます。その他には、小さく逃げるチェンジアップも併せ持ちます。ただし、この球の精度や曲がりには、それほど光るものはありません。 その他 クィックは、1.1~1.15秒 ぐらいとそれなり。牽制も、左腕らしく上手いです。また、フィールディングの動きや反応も良く、投球以外の各動作に欠点はありません。ランナーを背負うとボールを長く持ったりと、そういった投球術も使えます。ただし、精神的に余裕がなくなると一辺倒になり、集中打を浴びることも少なくありません。 (投球のまとめ) 今シーズンは、最初から一味違うなといった内容でした。今春はキャリアハイとなる成績を残したシーズンだったのですが、平塚合宿では悪いときの尾崎が顔を覗かせてしまい、代表入りを逃してしまいました。ただし、好調時のピッチングは、実に観ていて爽快です。 (成績から考える) 今シーズンに残した成績から、その傾向について考えてみます。この春は、42回1/3 29安 23四死 47三 防 1.28(3位) といった内容でした。 1,被安打は投球回数の80%以下 ◎ 被安打率は、68.5% と、ハイレベルな六大学でも高い数字を残している。大きな曲がりの変化球がアクセントになって、キレのある真っ直ぐが活かせているのではないのだろうか。 2,四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 ✕ 四死球率は、54.3% と、相変わらず高い。普段の制球力はさほど悪く見えないのだが、決まって欲しい時に決めきれなかったり、悪いときは全然という不安定さもあるということだろうか? 3,奪三振は、1イニングあたり0.8個以上 ◎ 奪三振は、投球回数を完全に上回っている。この三振が取れるというところは、彼の最大の魅力ではないのだろうか。 4,防御率は1点台 ◯ 絶対領域の0点台こそ達していないが、1.28 と、一点台前半の数字をマークしている。本格的にリーグ戦で投げるようになった3年春以降、0点台の実績がないのは不安要素。それでも、だいぶ実戦的になってきたことは確かなのだろう。 (成績からわかること) 被安打の少なさと三振の多さに目をひく一方で、制球力の不安定さは依然としてつきまとう。その辺が、まだ絶対的な投球ができない要因になっているのではないのだろうか。ちなみに左右の被安打率は、左打者には.228厘、右打者には.201厘 と、右打者よりも左打者を若干苦手にしている。そのため、左打者に強い左腕 といったことはなく、それほど左投手としての有難味には欠けるタイプだと言えよう。すなわち、右投手と同じ目線で評価する必要がある左腕だということになる。 (最後に) シーズンはいい形で過ごせたものの、平塚合宿での内容は残念なものだった。そう考えると、やはり相手との力関係、本人の状態などにも左右されやすい投手でもあり、それなりにリスキーさも伴う素材では無いのだろうか? プロでは、まず勢いのあるリリーフから入ってゆくのことになるのでは? 先発の一角を期待するというよりも、1リリーフを補充するぐらいの認識で指名するのが良さそうだ。勢いのある投球とキレのある球で、短いイニングならば1年目からハマるかもしれない。いずれにしてもドラフトでは、秋によほど変わらない限りは、2,3位あたりのゾーンの選手だとみている。 蔵の評価:☆☆☆(上位指名級) (2023年 平塚合宿) |
| 尾崎 完太(法政大3年)投手 175/73 左/左 (滋賀学園出身) | |
左腕から140キロ台中盤の速球をコンスタントに投げ込んでくるなど、勢いのあるボールを投げ込んでくる 尾崎 完太 。この秋の、有力なドラフト候補として注目される一人だろう。 (投球内容) 1年春からリーグ戦で投げてきたものの、主戦として任されるようになったのは、3年春から。秋のシーズンでは、1勝5敗 防 5.49 と結果を残せなかったが、春は、1勝0敗 ながら、防御率 1.93(5位) と安定した成績を残していた。12月には、大学日本代表選考の松山合宿のメンバーにも選出されている。 ストレート 常時145キロ前後 ☆☆☆★ 3.5 140キロ台中盤真っ直ぐを、両サイドに散らしてきます。特に、右打者内角のクロスファイヤーの球筋で、厳しく突くこともでききます。またボールに勢いが感じられる球質で、打者は差し込まれやすい。思ったほど、真っすぐのコマンドは低くはなく、荒ばれるといったタイプではない。それでも秋は、38回で23四死球と、四死球率は 60.5%(基準は33.3%)と、かなり高いのは気になる材料。やや力んで、甘く入ることも少なくない。 変化球 スライダー・カーブ・チェンジアップなど ☆☆☆ 3.0 曲がりながら沈むスライダーに、カーブなどを織り交ぜカウントを整えてきます。右打者の外角には、小さく逃げるチェンジアップ系の球もあるのですが、まだこの球のキレ・精度共にもうひとつ。特に、追い込んでから三振が狙える変化球がありません。それでも真っ直ぐに勢いがあるので、38イニングで37三振と、投球回数前後の奪三振は奪えます。 その他 クィックは、1.1~1.15秒 ぐらいとそれなり。牽制も、左腕らしく上手いです。また、フィールディングの動きも、好い投手です。ランナーを背負うとボールを長く持ったりと、そういった投球術も使えます。ただし、ボールが揃い出すと、カンカンカーン と集中打を浴びます。 (投球のまとめ) 四死球率は高いのですが、両サイドに散らすコントロールはありますし、それほど高めに抜けるような球も観られません。そういった意味では、むしろ勝負どころで甘く入って打ち返されてしまう、ゾーン内での制球の方が気になります。 けして「間」を使ったりできる選手なので、先発投手としての適性がないわけではありません。ただし現状は、勢いのある球を全面に出した、中継ぎ・リリーフタイプという、プロではなってゆくのではないのでしょうか。 (投球フォーム) 今度は、フォームの観点から、今後の可能性について考えてみましょう。セットポジションから、足を引き上げる勢いは最初からあるフォームです。軸足一本で立ったときに、膝から上がピンと伸びてしまい直立して立ってしまっています。こうなるとバランスを保つために、余計な力みが生じやすい立ち方です。また、足を上下に動かし、大きな反動を付けて投げ込んでくるタイプでもあります。 <広がる可能性> ☆☆☆ 3.0 引き上げた足を地面に向けて伸ばして来るのですが、フォーム後半からお尻が三塁側(左投手の場合は)に沈んでくるフォームです。そのため、カーブやフォークといった捻り出して投げる球種も投げられないことはないと考えられます。 また前にステップすることで、「着地」までの地面の捉えは平均的。したがって体を捻り出す時間としては並で、変化球の曲がりはそれほど大きくはならないようなフォームではないのでしょうか。そういった部分が、追い込んでからの決め球に欠ける状況を作っているのかもしれません。ただし、一通りの変化球を操れる土台は持っています。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後まで内に抱えられており、外に逃げようとする遠心力を内に留めることはできています。そのため、軸はブレ難く、両サイドのコントロールはつけやすいのではないのでしょうか。 足の甲での地面の捉えが浅いので、浮き上がろうとする力を充分には抑え込めんでいません。また上下動が激しいフォームなので、そういったところからも制球が安定しない要因かもしれません。「球持ち」自体は悪いとは思わないのですが、指先の感覚はあまり好い方には見えません。 <故障のリスク> ☆☆★ 2.5 お尻の落としに甘さは残すのですが、極端ではないですし、カーブやフォークといった球種を投げる頻度もそれほど高くはありません。そういった意味では、窮屈になる機会も限られ、そこまで肘への負担は大きくはないのではないかと考えています。 ボールを持っている肩は上がり、グラブを持っている肩は下がりがちなのですが、これも極端に肩に負担はかかっているというほどでもありません。普段から結構力んで投げている部分があるので、そういった部分で疲労を溜めやすい恐れはあります。 <実戦的な術> ☆☆☆ 3.0 「着地」までの粘りが平均的で、打者としてはそれほど苦になるフォームではないのかもしれません。それを普段は、「間」をとったり、制球に気をつけることで回避できています。しかし、精神的に余裕がなくなると、そういったリズムが単調になったり、力みから甘く入ったりと、元来の合わせやすさが現れやすいのかもしれません。気になったのは、そんなに球の出どころが早くは見えない割に、甘くない球を打ち返されたり集中打を浴び出すと止まらない傾向にあるところです。 「球持ち」も悪くなく見えるのですが、その割に投げ終わったあと腕が体に絡んできません。そのため、ある程度体重を乗せてからリリースできているようには見えます。しかし、この辺もステップの幅がそれほど確保できていないので、フィニッシュを観ていると、グッと体重が前に乗って行っているというほどでもありません。もう少し、股関節の柔軟性を養い下半身を強化して、ステップの可動域を確保できるようになると、そのへんが変わってくるかもしれません。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」としては、どれも平均的で可も不可もなしといった感じです。それだけまだ、良くなる余地が残されているとも捉えられます。四死球の多さの割には、普段のコントロールはそこまで悪いようには見えませんでした。多少体への負担が大きいそうなフォームなのと、将来的に決め手不足で苦労するかもという不安があります。まだまだ良くなる余地はあるのですが、現状は伸び悩むリスクの方を強く感じさせるフォームです。 (最後に) 力投派ですが、投手としてのセンスや制球力は、そこまで荒っぽくはありません。良くなる余地があるので、単なる素材型という言葉では片付けられないように思えます。ただし、3年生までのパフォーマンスを観ていると、プロで即戦力を期待するのは厳しいかもしれません。それでも勢いのある球を投げられるサウスポーなので、ドラフトでは中位前後を狙える有力な指名候補なのは間違いありません。期待半分不安半分ですが、注視して追いかけて行きたい一人です。 (2022年秋 リーグ戦) |