22sy-6
日隈 モンテル(21歳・徳島IS)外野 186/86 右/右 (金光大阪→OBC高島→琉球BO出身) | |
7月から投手から野手に転向した 日隈 モンテル 。米国人とのハーフ選手で、兄はヤクルトに投手として在籍していた 日隈ジュリアス 。二塁ベースに飛び込んでくるスピードと迫力は、まるで 弾丸 のようだった。 (守備・走塁面) セカンドゴロの時の一塁到達タイムは、なんと 3.95秒を記録。左打者換算にすると、3.7秒に相当する球界トップレベルの脚力の持ち主。出塁すると積極的に盗塁を試みて、26試合で13盗塁を記録している。まだまだNPBレベルだと盗塁成功率は低そうだが、プロで足を売りにして行ける可能性を大いに持っているのは間違いない。大型選手ながら一塁到達タイムも破格で、トップスピードに入るも遅くないし、走塁への意欲も高いとみた。 この脚力を活かした広い守備範囲が魅力で、幾つかの映像をみるとダイビングキャッチで候補するなど球際でも強い。ただし、猪突猛進で突っ込んでくるので、周りの野手との接触プレーには注意して頂きたい。投手としても回転の好い真っ直ぐを投げていた選手なので、地肩も悪くないはず。あとは、打球勘や落下点までの入り、送球の精度などがよくわからなかったので、そのへんがどのレベルなのか? 走塁に関しても守備に関しても、破格のレベルに到達しても不思議ではない資質を持っている。ただし、現時点での技術・レベルに関しては、まだまだ経験不足の部分もあるのだろう。これは、プロの指導・本人の努力に期待していみたい。 (打撃内容) 野手転向後のjアイランドリーグでの成績は、26試合 0本 8点 打率.247厘 と、打撃が課題なのがわかる。本塁打こそ0本ではあるが、肉体の強さを活かし、二塁打や三塁打などの長打はそれなりに出る感じ。そのため、成績ほどノーパワーではけしてない。 <構え> ☆☆☆ 3.0 ほぼ両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えます。腰の据わり・両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスは並といった感じで、特に可も不可もなしといった構えとなっています。 <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が沈む時にベース側につま先立ちして、リリース直前にチョンとステップする「遅すぎる仕掛け」を採用。彼のように、肉体の資質が日本人離れしている選手の場合、このタイミングでもある程度立ち遅れる心配はないのかもしれないが。 <足の運び> ☆☆ 2.0 小さく足をステップさせて、真っ直ぐ踏み込んできます。引っ張る意識が強い選手なので、前の足はインパクトの際に動きます。もちろん、引っ張る時はそれで良いのですが、やはり引っ張れない球もあるわけで、そういった球を打てるように、センターから右方向への打撃も身につけないとプロでは厳しいでしょうね。 始動~着地までの「間」が基本的にとれていないので、打てるタイミングは限られてしまいます。足元も動くので、外に逃げてゆく球や外角に強い球を投げられると厳しいと考えられます。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなく呼び込めているのは良いところ。バットの振り出しにもロスは感じられず、インパクトの際にもヘッドの下がりは目立ちません。そういった意味では、しっかりタイミングさえ合えば、フェアゾーンに飛ばせる可能性は高いのではないかと。さほど打球が上がる打ち方ではないように見えますが、体の強さが尋常ではないので、上手く回転があえばオーバー・フェンスも増えてゆくのかもしれません。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げほとんどないので、目線の上下動は小さい。体の開きが充分我慢できないのが欠点だが、軸足は比較的安定して回転できる。また、軸足の内モモの筋肉も、適度な強さが感じられる。 (打撃のまとめ) 野手転向間もないので、タイミングの取り方や基本引っ張った打撃しかできないのは致し方ないかと。それでも上半身の動きに悪いクセがないのと、持っているポテンシャルが桁違いなので、その辺を考えれば時間が解決して行ってくれるのではと。 (最後に) 走力は破格で、肩や守備範囲も悪くない。そういった肉体的な資質はピカイチで、化けたら凄いことになるなぁというワクワク感はあります。打撃に関しては正直これからなので、どうなるか想像もできません。育成力が高い西武が、彼のような選手をどう育てるのか見ものではあると思います。まさに、育成枠ならではの指名と言えるのではないのでしょうか。 (2022年 公式戦) |