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濱 将乃介(中日)外野手のルーキー回顧へ







濱 将乃介(22歳・日本海・福井)外野 181/81 右/左 (東海大甲府-高知FD出身) 





 「とっても好い」





 独立リーグの選手ながら、本会議で指名された 濱 将乃介 。アイランドリーグの高知にいた時はあまり印象がなかったが、日本海オセアンリーグの福井に進んでから、凄く好い選手になった気がする。本会議で指名されたのも、なるほど思わせる内容だった。


走塁面:☆☆☆☆ 4.0

 一塁までの到達タイムは、計測した時は 4.2~4.4秒 ぐらいと、NPBに指名される左打者としては平均以下のタイムしか計測しなかった。しかし、実際のプレーを見ている実にスピード感のある選手で、リーグでは、58試合で37盗塁を記録し、2位に10個以上の差をつけての盗塁王に輝いている。そのため、もっと速いタイムが計測できるに違いない。

守備面:☆☆☆★ 3.5

 守備に関してはわからない部分も多いのだが、実にスピード感を活かしたプレーをする印象。球際でのスライディングキャッチや、外野から勢いを付けての返球など動きの良さが目立っていた。ただし、打球勘やキャッチングの細かい部分は、正直私自身あまり掴めていない部分もある。それでも、外野からの送球は一級品で、プロでも肩を売りにするレベルにあるといえます。ショートなどにも挑戦していましたが、プロではやはり外野手として勝負してゆくのではないのでしょうか。





(打撃内容)

 けして小さくコツコツ当てて来る好打者ではなく、ファーストストライクから思いっきり大きな弧でスイングして来る強打者です。特に、引っ張っての長打が目立つ選手で、センターからレフト方向にも打ち返しますが、引っ張りを好む傾向が強そうです。ちなみに今シーズンは、58試合(213打数) で、6本 36点 打率.315厘 といった内容でした。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 前の足を引いて、カカトを浮かせて構えます。グリップの高さは平均的で、腰の据わりや全体のバランスは程よい感じ。両眼での前の見据えはそれなりですが、打席でも適度な緊張感が感じられます。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。アベレージヒッターに多くみられる仕掛けで、ボールの呼び込み方も好い感じでタイミングが取れています。

<足の運び> ☆☆☆☆ 4.0

 足を上げて回し込み、真っ直ぐ踏み込んできます。始動~着地までの「間」も取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。踏み込んだ前の足も動かずに止まっており、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのも自然体で、力みなくボールを呼び込めています。バットの振り出しも、上からインパクトまでもロスがなく、それでいて結構バットを長く使って大きなスイングをしてきます。ボールを捉えるときもヘッドが下がらず、広い面でボールをとらえており、打球がフェアゾーンに飛びやすいのではないのでしょうか。中日とのプロ・アマ交流戦でも、2試合で8打数5安打と、プロの投手に力負けすることはありませんでした

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 頭の上げ下げはそれなりで、目線の上下動は平均ぐらいでしょうか。体の開きはしっかり我慢できており、軸足の安定感もそれなりといった感じです。

(打撃のまとめ)

 難しい球を上手く打つというよりは、ファーストストライクから自分の打てそうな球を潔く振ってくるといった感じの強打者です。あまり俊足を生かしてゴロがというよりも、鋭く野手の間を抜けてゆくタイプではないかと。


(最後に)

 打席でもしっかり足場を作ったり、ルーティンを設けたりと、打撃へのこだわりも感じられます。高知時代も何度か見ていたはずですが、その時はあまり気にすることはありませんでした。そういった意味では、福井に来て大いに伸びた選手なのだと思います。今なら、充分に本会議で指名されるだけの内容だと評価します。今年の独立リーガーの中でも、最も印象的な野手でした。


蔵の評価:☆☆ (中位指名級)


(2022年 中日VSオセアンリーグ選抜)