22sp-19
山本 晃大(23歳・BC信濃)投手 185/88 左/左 (佐久長聖-関西学院大出身) | |
昨秋リーグ戦を観に行った時に、140キロ台後半を連発していた 山本 晃大 。プロ志望届を提出し、これだけのボールを投げているのに、なぜ育成枠でも指名されなかったのかと首をかしげたく内容だった。あれから一年、プロには指名されたものの、かなり感じが変わっていた。 (投球内容) 骨太な体格から、少しもっさり感じで投げ込んでくるサウスポー。 ストレート 常時135キロ前後~140キロ台前半 ☆☆☆ 3.0 昨秋みた140キロ台後半のピッチングと違い、135キロ~140キロ前半の球威と角度のある球を、両サイドに散らせて来るピッチングスタイルに。球が球威型なので、高めに浮くと空振りを取れずヒットを打たれやすい感じはする。それでも、四死球で自滅するとか、そういった危うさは感じられなかった。 変化球 スライダー・チェンジアップなど ☆☆☆ 3.0 スライダーもチェンジアップも、空振りを奪える威力はないものの、両サイドに散らせるコントロールは持っている。そのため、ストレートが定まらなくても、ある程度ゲームメイクできるのだろう。 その他 クィックは、1.05~1.10秒ぐらいとまずまずで、牽制は軽く入れるものしかみられなかった。しかし、大型の割にフィールディングが上手かったは印象的だった。 (投球のまとめ) 昨秋みたような140キロ台後半の真っ直ぐでゴリ押しするパワーピッチから、淡々と両サイドに散らすピッチングスタイルに変わっていて驚きました。まだまだ秘めている能力があるとみるべきなのか? 現状、投球を成立させようとすると、力をセーブせざる得ないのかはよくわかりません。今年の試合の模様を何試合かみましたが、少なくても今年はどの試合でもこんな感じの投球でした。 (成績から考える) 今シーズンのBCリーグでの成績は 15試合 9勝3敗 77回2/3 69安 14四死 52三 防 2.90 といった内容に。 1,被安打は投球回数の80%以下 △ 被安打率は、88.8% と、ファクターを満たすほどではなかった。リーグ戦での135~140キロ台前半ぐらいの投球だと、制球に気をつけても適度にヒットは打たれるだろうなといったボールではあった。 2,四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 ◎ 四死球率は、18.0% と極めて少ないことがわかる。逆に昨秋は、14イニングで7四死球と、四死球率は50%にも及ぶ。その反省からか、かなり力をセーブして制球重視なピッチングスタイルに変えていたのだろう。 3,1イニングあたりの奪三振は 0.8個以上 ✕ 1イニングあたりの脱三振は、0.67個 と平凡。ただし、昨秋の関西学生リーグでは、14イニングで21三振を奪っており、やはり私がみた投球は幻ではなかったと改めて実感させられる。 4,防御率は1点台以内 ✕ 防御率は 2.90 と悪い成績ではないが、NPBの一軍を意識すると物足りない。制球の部分は大きく改善されたが、失点しないということに関しては、まだまだ発展途上といった感じだろうか。 (成績からわかること) 学生時代から魅せていたパワーピッチから一転、打たせて取る投球にシフト。そのことが、大幅な制球力の向上に繋がった。しかし、そのぶん被安打の多さや奪三振の少なさにも繋がり、防御率としては平凡なものになってしまっている。 (最後に) 現状、力と技の融合は道半ばといった感じ。そのため、速い球を投げようと思えば、恐らくいつでも140キロ台後半のボールも投げられるのだろう。プロの世界で、そのバランスや程よいさじ加減が見つかるようだと、一軍でも活躍できる投手になってくるのかもしれない。今年のパフォーマンスは育成レベルだと思うが、そういったピッチングを早期につかむ可能性も秘めている。そういった意味では、楽しみな素材ではないのだろうか。 (2022年 リーグ戦) |