22sp-15
船迫 大雅(26歳・西濃運輸)投手 174/72 右/右 (聖光学院-東日本国際大出身) | |
サイドから150キロ台のボールをガンガン投げ込んでくるイメージが強い 船迫 大雅 。しかし、聖光学院や東日本国際大時代は、けして球威・球速で押すようなタイプではなかった。大学時代のレポートでも、手元でピュッとキレる135~140キロぐらいの投球をする好投手とのコメントがあり、むしろ社会人に入ってからのパワーアップが課題だと指摘している。今でも、先発をしている時は、140~140キロ台中盤ぐらいで丁寧に投げている印象すらある。 (投球内容) チームでは先発での起用も多く、リリーフでも登板してくる。今年の都市対抗でもエネオス戦で先発し、4回1/3イニングで4失点で降板している。 ストレート 140キロ~150キロ ☆☆☆☆ 4.0 先発だと140~中盤ぐらいと驚くほどのものはないものの、ポンポンとテンポ良くストライクを先行させ、優位な状況を作るのは上手い。またリリーフでは、気合の入った150キロ級のボールを投げ込んでくる。恐らくプロでは、リリーフを想定した獲得なのだと考えられる。結構高めに甘く入ることもあり、ボールの勢いが鈍ると一気に打ち込まれる危険性もはらんでいる。 変化球 スライダー・シンカーなど ☆☆☆ 3.0 サイド特有の、大きな曲がりをするスライダーとのコンビネーションで、その他のシンカー系の球などはあまり観られない。リリーフで力で押せている時はいいが、先発だと単調に陥りやすく、試合中盤でマウンドを降りることは少なくない。 その他 クィックは、1.05~1.15秒 ぐらいとそれなり。牽制も、適度に鋭く下手では無さそう。先発だと結構落ち着いて、丁寧に投げているイメージがある。リリーフで観られる、気合満点のマウンド姿とは明らかに違う。 (投球のまとめ) プロの先発としては、やや物足りないものがあります。やはり、プロで持ち味が発揮されるのはリリーフでキャパ全開で投げた時なのでしょう。ただし、元々体が大きな選手ではないので、そういった投球がシーズン通して持続するのか? あるいは、長い年月できるのかといった意味では、少し懐疑的な見方はしています。もちろん、瞬間風速的な爆発力ならば、プロの一軍相手でも通用する可能性は充分あるとみていますが。 (成績から考える) 今シーズンの公式戦は、36回1/3 22安 14四死 37三 防 2.23 1、被安打は投球回数の80%以下 ◎ 被安打率は、60.6% と、充分に基準をクリアしている。ボールの威力が、充分に社会人レベルでも圧倒できていることが伺われる。 2,四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 △ 四死球率は、38.5% と、基準を満たしていない。40%を超えるような極端な数字ではないが、けして繊細なコントロールがあるわけではない。 3,奪三振は、1イニングあたり0.8個以上 ◎ 右投手ながら、投球回数を上回る奪三振が奪えている。そのほとんどは、真っすぐの勢いと大きな曲がりをするスライダーによるものなのだろう。 4,防御率は1点台 △ 防御率は2点台前半と、基準を満たしていない。それでも悪い数字ではないのと、リリーフに専念すればもっと数字は下がっていたであろうということ。その点、リリーフを想定して獲得していたのであれば、そこまで悲観する必要はないのでは? 今年リリーフで登板をした試合は、いずれも無失点できりぬけている。 (成績からわかること) 年齢の割に結構制球がアバウトで粗っぽい投球をするなといった印象はあったが、これはかなり無理して速い球を投げているのかもしれない。防御率に関しては、リリーフでの起用前提ならば気にする必要は無さそう。被安打の少なさ、三振の多さからも、ボールの威力は社会人でもトップクラスであることが伺われる。 (最後に) 社会人4年目の26歳での指名を考えると、短期的に2~3年活躍してくれれば充分といった指名なのかもしれない。確かに短いイニングであれば、一軍でも抑えられる可能性は充分あるとみる。問題は、そういった投球が、どの程度持続できるのかどうかといった部分。1シーズン持つのか? 数年持つのか? その辺を割り切って本人も考えての指名であれば、両者にとってウインウインの指名になるのではないのだろうか。一年目から、貴重なリリーフ投手として活躍できそうだ。能力的には ☆☆ を付けて然るべきだが、高齢での入団で短期的な活躍で終わる可能性があることも差し引いて、控えめの評価に留めたい。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2022年 都市対抗) |