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宮内 春輝(日ハム)投手のルーキー回顧へ







宮内 春輝(26歳・日本製紙石巻)投手 176/75 右/右 (多古-明星大出身) 
 




 「巻き付くような腕の振り」





 柔らかい腕をムチのようにしならせ、投げ終わったあと体に巻き付いてくる 宮内 春輝 。社会人4年目ながら、日ハムから6位で指名された。果たしてこの選手は、即戦力として活躍できるのだろうか?


(投球内容)

 昨年から本格的にウェートトレーニングを取り入れ、球速が大幅にUP。試合によっては、150キロ台を記録するまでになったと言います。

ストレート 常時145キロ台中盤 ☆☆☆★ 3.5

 柔らかさを活かした、伸びのある球が持ち味です。そのため、空振りが奪えるのがこの投手の持ち味。むしろ、球威で詰まらせるといった剛腕ではありません。それに加え球筋も、コーナーや低めに決まることも多く、サイド特有の集中打を浴びやすいタイプではないように思えます。

変化球 スライダー・シンカー・カットなど ☆☆☆★ 3.5

 横手らしく、大きな曲がりをするスライダー。それを少し制御しようとカウントを整えてくる、カットボール。さらに、シンカー系の球にも落差があり、投球に大きなアクセントを及ぼしています。

(投球のまとめ)

 ボールの勢いで押せるだけの勢いもありますし、それでいてスライダーやシンカーなどでも空振りを奪える変化の大きさがあります。そういった意味では、打者としては短いイニングであれば、なかなか的を絞るのも難しいのではないかと。真っ直ぐの威力が増したことで、変化球の良さが生きてきました。





(成績から考える)

今年度の公式戦の成績は、30回 16安 10四死 40三 防 1.80

1,被安打は投球回数の80%以下 ◎

 被安打率は 53.3% であり、サイド特有の合わされやすというものはありません。真っ直ぐを魅せておいての変化球、変化球を意識させておいての真っ直ぐで、相手に的を絞らせません。また、投げミスが少ないのも良いところではないのでしょうか。

2,四死球は投球回数の 1/3(33.3%)以下 ◯

 四死球率は、ちょうど 1/3 の 33.3% 。けして際どいコースを丹念に突く繊細なタイプではありませんが、無駄な四死球で自滅する危うさはないですし、要所ではズバッと良いところに決めて見逃し三振などが奪えます。

3,三振は1イニングあたり 0.9個以上 ◎

 奪三振は、右投手ながらイニングを越えてきます。これは、社会人の右投手としては破格で、それだけボールの威力が社会人でも抜けているということなのでしょう。

4,防御率は1点台 ◯

 チームではリリーフで登板し、防御率も1点台をキープ。絶対的な数字ではないものの、プロを意識できる安定感・総合力があると考えられます。

(成績からわかること)

 被安打の少なさと奪三振の多さが際立ち、四死球率や防御率も許容範囲で収まっている印象です。特に短いイニングで勝負する起用になるでしょうから、そう考えるならば、充分にありな成績ではないかと判断します。


(最後に)

 典型的な好投手タイプといった感じだったのですが、ウェートトレを取り入れたことで球速UPし、指名圏内に入ってきた印象です。少し「旬」は遅かったのですが、彼にとっては今こそがプロ入りの旬の時期だと判断させて頂きます。一年目から、一軍での活躍を期待したいところです。


蔵の評価: (下位指名級)


(2022年 都市対抗)