22ky-42
盛島 稜大(興南3年)捕手 185/93 右/右 | |
恵まれた体格から繰り出される豪快なバッティングには、確かなスケールを感じさせる 盛島 稜大 。 ただし、現時点でプロに入るには、いろいろと課題の多いように思われる。 (ディフェンス面) 昨年までは、大型でのぼ~と座っているだけのキャッチャーといった印象でした。しかし今年は、かなり動作にキレが出てきて、ある程度考えてプレーをする捕手らしくなってきました。ミットを投手に示し、そのグラブを下げることもありません。そのため、投手としては的がつけやすいのではないのでしょうか。キャッチングは、低めの球に対し上から被せに行ってしまうなど、まだまだミットの出し方に課題がありそうです。もともと大型で、フットワークなど機敏とはいえない足回りの悪さがあります。 U-18の日本代表メンバーにも選出された・生盛 亜勇太(3年)右腕の好投を導いたように、インサイドワークはある程度考えて組み立てられるようになってきました。地肩自体は弱くないのですが、捕ってから投げるまでの動作にまだ時間がかかり、2.0秒前後はかかります。そういった意味では、送球能力はプロでも低い方だと考えられます。けして走力がある選手ではないので、一塁やDHとかじゃない限りは捕手を続けることになるのではないのでしょうか。 (打撃内容) 打球を見ていると、センター方向へ打ち返すことが多いように思えます。パワフルな打撃で、この夏の沖縄大会では、20打数4安打 .0本 3点 打率.200厘 という成績ながら、チームの4番を任されていました。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップは高めに添えた強打者スタイル。後ろ足に体重を預けており、全体のバランスや両眼で前を見据える姿勢としては並ぐらいでしょうか。それでも、打席では非常に強打者としての雰囲気をプンプンと匂わせます。 <仕掛け> 平均 投手の重心が沈みきったところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の長打力と対応力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際には動きません。腰は早く開くのですが、ある程度のところで開きを止めることができています。そのため、甘めの外角球や高めの球ならば、さばくことができそうです。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。バットの振り出しは、腰が早く開くぶん少し遠回りにはでてきますが、それほど大きなロスにはなっていません。インパクトの際にはヘッドが下りがちですが、その分ボールの下にバットをもぐらせることもでき、フォロースルーも使ってボールに角度をつけて飛ばすこともできていました。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げも静かで、目線の上下動も少なめ。体の開きもある程度のところで我慢できており、軸足の内モモの筋肉にも非常に強さが感じられます。しいて言えば、少し軸足が前に傾いているので、体が突っ込まないように注意したいところ。 (打撃のまとめ) 打撃フォームに癖はなかったのですが、打てるタイミングやさばけるコースが狭いのかもしれません。形は悪くないので、打てる精度を高めて、スイングにパワーだけでなくキレも追求して欲しいところです。 (最後に) 攻守にまだまだといった感じですが、打席に入る姿などを見ていると、軸足の足元をしっかり掘って自分の形に変えたて打席に入ったり、適度なこだわりも感じられます。ルーティンも自分なりもっており、いろいろと考えてプレーしているように思えます。また、打ちおった後の形などは、リチャード(ソフトバンク)を彷彿とさせます。モノになるのかと言われると微妙ではあるのですが、非常に化けたときにスケールの大きな選手への期待が高まってきます。「旬」だとは思いませんが、彼のような強打者はプロでじっくりとその才能を育むのも悪くないのではないのでしょうか。 (2022年夏 甲子園) |