22ky-39
佐藤 航太(八戸学院光星3年)中堅 183/75 右/右 | |
夏の甲子園・愛工大名電戦では、フェンスに直撃した打球が大きく跳ね、ランニングホームランを放っていた 佐藤 航太 。ただし、それ以外の部分は、正直記憶に残っていなかった。そのため、改めて映像を見直してどんな選手なのか確認してみることにした。 (守備・走塁面) 一塁までの到達タイムは、ピッチャーゴロの時に 4.45秒前後。これを左打者換算にすると、4.2秒前後に相当する。しかし、この時はかなり緩めて走っていたので、正確なタイムとは言えるものではなかった。公称では、50メートル 5秒9 ということで、チームでも一番打者を務めることが多い。少なくても、左打者換算で4.0秒前後で走り抜けられる脚力はありそうにみえた。それでも出塁したからといった、走力を全面に出すといったほどのプレースタイルではない。その辺の意識が、プロでどのように変わってくるかで、走塁での位置づけも変わってきそう。 中堅手としての守備も、可も不可も無しとといった感じで無難だった。甲子園では、声援で声が聞こえないのか? 他の野手とたびたび接触しそうになっていた。送球に関しては、地肩自体はそれなりにありそうには見えたものの、送球の形が悪く制球・精度という意味ではどうなのかな?という疑問は残ったのだが。 (打撃内容) 右に左に打球を飛ばすといった感じだが、特に長打力が図抜けているとか、対応力がすごく高いとか特別なものは感じられなかった。夏の甲子園では、9打数3安打。そのうち一本が上記で記したランニングホームランと、緒戦で放った右中間へのツーベースだった。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を軽く引いて、グリップを高めに添えた強打者スタイル。後ろ足に重心を預けていて、全体のバランスとしては癖がある。それでも、両眼でしっかり前を見据えられているところは良いところ。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足をしっかり引き上げて、ベース側に少し離れた方向に踏み出すアウトステップ気味に踏み込むんできます。始動~着地までの「間」はとれており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。アウトステップ気味に踏み込むので、少し内角寄りに意識がある選手ではないのでしょうか。 始動は早いのですが、タイミングをしっかり図るというよりも、大きく足を引き上げるので、そういった動作を成立させるために早めに動き出しているのではないかと。踏み込んだ足はブレずに止まっているので、逃げてゆく球や低めの球にも食らいついて右方向にも打ち返せます。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 あらかじめ捕手方向にグリップを引いて添えているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。そのぶんリストワークに遊びはなくなるので、柔軟性のある打撃は望み難いのかと。 バットの振り出しも少し遠回りに出てくる感じで、アウトステップするのは苦手な内角を対応しようとするためなのではないかと考えられます。インパクトの際にヘッドは下がらず、思いっきり引っ叩くことはできているのですが。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げ大きい割には、頭はあまり動かない。体の開きも我慢できているが、軸足の形が崩れがちなので、調子の波は激しいタイプかもしれない。また、まだまだ内モモの筋肉に強さが感じられず、内転筋を鍛えれば変わってきそうだ。 (打撃のまとめ) 対応力や安定感という意味では粗さは残しますが、強く叩くことができるといった打者です。オーバー・フェンスで魅了するタイプではないのですが、右に左に強い当たりが打てるのが持ち味でしょうか。タイミングの取り方とスイング軌道の改善が、一つ鍵を握ってきそうです。 (最後に) 180センチ台の大型外野手で、ある程度動ける身体能力があるのが魅力の選手です。まだまだ未完成で粗いのですが、プロの始動や環境で、何処まで磨かれるかでしょう。現状は、プロ云々は時期尚早かなといった感じでしたが、ソフトバンクは育成選手でも長い期間面倒をみてくれることが多いので、そういった意味ではじっくりとその才能を育んで行って頂きたいと思いました。 (2022年夏 甲子園) |