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(鈴木) 蓮(DeNA)内野手のルーキー回顧へ







 鈴木 蓮(滋賀学園3年)一塁 183/86 右/右





「悪いクセはない」 





 まだまだ素材型だが、強打者としての片鱗が見え隠れるする 鈴木 蓮 。 この夏は初戦で消えてしまったが、打撃には良いものを持っている。


(守備・走塁面)

 3年春にはショートにも挑戦したという話だったが、最後の夏は6番・一塁手として出場。下級生の時から一塁か三塁を担っていることが多く、下級生の頃の三塁手としての守備をみたが、可も不可もなしといった感じ。鍛えようによっては、三塁あたりまではこなせそうな動きはしていた。一応スペック的には遠投120メートルという話で、肩はそれなりに強いとみて良さそうだ。

 右打席からの一塁到達タイムは、4.6秒強。これを左打者に換算すると、4.35秒~4.4秒ぐらいに相当する。走力としてはプロでも劣るタイムだが、けして動きの悪そうな選手ではなかった。スペック的には、50メートル6秒1 と悪くないだけに、もう少し速いタイムが出ても不思議ではないし、動きを見ている限り重苦しさは感じられなかった。

 いずれにしても、現状は守備や足を売りにするプレースタイルではない。なんとか、三塁あたりを無難に守れるレベルまでは引き上げたい。





(打撃内容)

 スイングはパワフルで、捉えた打球は強烈。、高校通算29本塁打を誇り、最後の夏は5打数2安打でレフト横を抜けるツーベースを放っていた。打球は、引っ張りだけでなく右方向にも強く打ち返すことができる。

<構え> ☆☆☆★ 3.5

 前の足を引いて、グリップは下げ気味に添えています。腰の据わり・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスはまずまずで、打席ではリラックスして構えられているのは良いところ。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が下がりきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を上げて、ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプだと考えられる。

 踏み込んだ前の足はしっぱり止まっており、アウトステップでも甘めの外角球や高めの球ならば、充分に対応できそう。もう少し、ボールを呼び込むまでの「間」みたいのを、上手く取れるようになるかが最大の課題ではないのだろうか。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」は早めに作れており、速い球には立ち遅れ難い。バットの振り出しは内からしっかりバットが出てくるタイプで、強打者ではあるがバットが遠回りに出て来ないところは良いところ。スイングも大きめにとり、インパクトの際にもヘッドが下がらず広い面でボールを捉えられ、フェアゾーンに打球は飛びやすい。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 頭の位置も安定しており、体の開きも我慢できて軸足も安定している。内モモの筋肉も強く、強烈な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 「間」の取り方は平凡で、タイミングをいかに上手くとって行けるかが鍵になる。バットは内から出ているし、大きな弧を描きつつ、受け止める下半身もしっかり止まって緩さも感じられない。しっかり捉えれば、強烈な打球で抜けてゆくだろう。体が強いのである程度長打も期待できるが、現状はスラッガーというよりも、二塁打の多そうなパワフル打者といった感じだろうか。


(最後に)

 打撃の形は思いほか良いいので、タイミングが上手く図るようになれば楽しみ。けして、守備や足を売りにするタイプではないが、一・三塁あたりをしっかりこなせるようであれば、今のベイスターズではそれなりに起用の機会はありそうだ。現状は育成枠での指名は妥当ではある感じだが、打撃で何処まで突き抜けることができるのか注視してゆきたい。


(2022年夏 滋賀大会)