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黒川 凱星(ロッテ)内野手のルーキー回顧へ



黒川 凱星(学法石川3年) 遊撃 180/75 右/右 





 「8番打者なのか」





 3年夏の福島大会では、8番・遊撃手として出場していた 黒川 凱星 。その成績も、4試合で 13打数4安打 0本 0打点 と、数字的にはけして目立つものを残していたわけではなかった。一体この選手の何が気になって、ロッテは指名したのだろうか?


(経歴)

 ジュニア時代は、ロッテJrに在籍。中学では、千葉の京葉ボーイズで全国制覇を経験。監督を慕って、千葉から福島へと越境留学した。1年生の頃からレギュラーとして活躍して、チームの主将を担ってきた。ただし、最後の夏は、8番打者という地味な役回りで終わっている。

(守備・走塁面)

 中学時代から、三拍子揃った好選手として知られる存在ではあったようだ。特に、堅実性の高い遊撃守備が魅力で、この守備力を高く買っての指名だと思われる。打球をさばくところを少しみたが、その動き・送球ともに悪くなかった。

走力に関しては、正確なタイムは計測できず。プロで売りにできるほど、圧倒的な走力があるほどには見えなかったのだが。





(打撃内容)

 3年時の打撃は、陰になって見えない部分が多くわかり難かった。そこで、二年時のものを参考にフォーム分析してみたい。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わり・両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスと良い感じで構えられていました。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターが多く採用する始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆☆ 4.0

 足を引きあげて回し込み、ベース側にインステップして踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にもそれなり対応。ベース側に踏み込んで来るように、外角への意識が強そうです。踏み込んだ前の足もしっかり止まっていて、逃げてゆく球や低めの球にも喰らい付けます。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れないようにしていました。しかし、最終学年では、グリップを引くのは自然体にしており、少しバットを引くのが遅くなっていたように思います。自然体に構えるのはリストワークをや若く使えるので良いのですが、バットを引くのが送れないように注意したいところです。

 バットの振り出しにも癖はなく、バットの先端であるヘッドも下がらずしっかり振り切れていました。むしろ最後の夏は、ヘッドを立てる意識が強すぎて、ヘッドの走りが悪くなっていたのかもしれません。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げも激しくないので、目線も安定しています。体の開きも我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定していました。軸足を起点に、キレイに回転してさばけていました。

(打撃のまとめ)

 参考にした2年生の映像では、ファールになりましたが特大の打球をレフトポール際に運んでいました。そのときのボールの呼び込み方が、何となく 坂本 勇人(巨人)を彷彿とさせるような姿にでした。そういった打撃が、最終学年では狂ってしまっていたのかもしれません。実際のところ、わからないことばかりなのですが、このときのスイングを見る限り、意外に掘り出しものになるかもと思わせてくれるほどのものでした。評価付けするのには全然資料不足で評価できませんが、今後どんな活躍を見せるのか? 密かに気にしてファームの試合などでも観てみたいところです。


(2022年夏 福島大会)