22ky-29





内田 湘大(広島)内野手のルーキー回顧へ







内田 湘大(利根商3年)投手 183/90 右/右 
 




 「意外に順応性高いのでは?」





 投げては140キロ台後半の球速を連発し、打っては強烈な打球を放つ 内田 湘大 。一見荒っぽそうなイメージを抱きがちだが、右方向のバッティングを魅せたり、投手としては手元でグッと曲がる実戦的なスライダーを投げてきたりする。性格的にはイケイケのプレースタイルだけに、将来的には野手向きな選手ではないかとみている。


(守備・走塁面)

 チームでは、投げないときは一塁を守っている。ただし、普段の動きなどを見ていると動きの好い選手であり、三塁もしくは外野あたりならば、充分こなせるのではないかとみる。

 一塁までの駆け抜けタイムは、右打席から4.5秒前後。左打者換算で、4.25秒前後に相当し、ドラフト候補としては 中の下 クラスのタイム。ただし、この時の当たりは、三塁側にめい一杯引っ張った時の打球であり、走り出しの一歩目は明らかに遅れている。途中でのスピード感や最後まで緩めない姿勢などを見ていると、もっと速いタイムは出せるのではないのだろうか。





(打撃内容)

 この夏の成績は、16打数7安打 1本 7点 打率.438厘 。パワフルな強打者ですが、オーバー・フェンスを連発するスラッガーというよりも、二塁打・三塁打なども多い中距離ヒッターといった感じがしました。状況に応じては右方向にキッチリ打ち返すなど、ただ力任せに振ってくるタイプではなさそうです。

<構え> ☆☆☆ 3.0

 前の足を軽く引いて、カカトを浮かせて構えます。グリップを高めに添えた強打者スタイルで、背筋を伸ばしつつ立ちます。特に両眼前を見据える姿勢だとか、全体のバランスとしては平均的な構えでしょうか。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が沈み始める時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターが多く採用する仕掛けです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすいのでは。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でも打ちたいタイプかと。

 踏み込んだ前の足はしっかり止まっているので、外に逃げてゆく球や低めの球も食らいつくことができています。ただし、けしてインステップで踏み込んで来るわけではないのですが、自分からボールに向かって行ってしまうので、内角に関してはさばくのは厳しそうでした。健大高崎戦では、内角の球に対し何度もひっくり返ってボールを避けていました。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めているところは好いところ。バットを寝せて出すので、インパクトまでは少しロスを感じます。それでも、バットの先端であるヘッドは下がらないので、広い面でボールが捉えられ打ち損じは少ないのかもしれません。また、ドアスイングというほどは遠回りでもありません。

 スイングの弧が大きく、最後までしっかり振り切って来るので打球は強烈です。どうしてもボールとの距離感が欲しいタイプだけに、内角へのさばきが窮屈になりがちで改善できるかが今後のポイントなのでは。

<軸> ☆☆★ 2.5

 足の上げ下げはそれなりで、頭は結構動いています。踏み込んだ前の足は止まって開きは我慢できますが、軸足の形は窮屈になったり前に傾いたりと、やや不安定なところがあります。

(打撃のまとめ)

 ただ強く振るだけでなく、状況に応じて右方向にも打ち返すなど意外に器用なタイプなのかなと。スラッガーというよりも、強烈な打球が外野手の間や上を抜けてゆく、二塁打・三塁打の長打が多いタイプなのではないかと感じました。ボールに自分から向かって行ってしまうので、そのぶん内角のさばきが窮屈になったり、軸が不安定になりやすい欠点があります。


(最後に)

 140キロ台後半のボールを連発できる馬力があり、スライダーのブレーキも良くフォームにも癖がなくて力強いです。そのためスカウトによっては、投手として評価する球団があっても不思議ではありません。個人的には、野手的な性格なのかなと言った印象を受けたので、野手として評価したいところです。評価としては、下位~育成 あたりの指名になるのではないのでしょうか。


蔵の評価:(下位指名級)


(2022年夏 群馬大会)