22ky-25
中田 歩夢(東奥義塾3年)遊撃 172/76 右/右 | |
9月10日現在、プロ志望届を提出していない 中田 歩夢 。今年はなかなか高校生に有力な遊撃手がいないだけに、彼にとっては追い風が吹いているように思える。それだけに、ぜひ志望届を出して欲しい一人なのだが・・・。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 スピード感のあるプレーヤーといった印象ですが、一塁までの到達タイムは 4.35秒前後(左打者換算で4.1秒前後に相当)と、プロ入りする選手としては平均的。しかし、試合を観ているともっと速く見えますし、隙があればすかさず次の塁を陥れる姿勢が感じられるので、もっと速いタイムが出ても不思議ではありません。ただし、出塁するとすかさず盗塁をといった圧倒的な走力ではないように感じました。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 最大の売りは、動作の切り返しや動きにメリハリの効いたショートの守備にあります。動きが良い、キャッチングが上手い選手は時々いますが、深いところから送球が乱れずにしっかりアウトにできるショートは中々いません。投手としても148キロを記録するという地肩は本物で、送球の安定感こそ、この選手の最大の魅力なのではないのでしょうか。 (打撃内容) 1年夏から公式戦で活躍しており、最後の夏も 7打数3安打と結果を残しました。高いレベルの投手相手だと、まだまだどうかな?といった感じはしましたが、右に左に鋭い打球を放つことができます。難しい球をさばくというよりも、甘い球を逃さない 桑原 将志(DeNA)タイプの打者です。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 両足を揃えたスクエアスタンスで、前の足のかかとを少し浮かせて立ちます。グリップは高めに添え、バットを投手側にかなり倒して構えています。腰のすわり、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスとしてはまずまずといった感じなのですが、あまり体を動かすような揺らぎがないので、少し固い印象は受けました。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多くみられる仕掛けです。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」はとれており、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプでしょうか。踏み込んだ足元もなんとか地面を捉えてブレないので、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができそうです。そのため、右方向にきっちりはじき返すことができます。 <リストワーク> ☆☆★ 2.5 バットを引くのが遅いので、打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れがちになります。またバットを投手側に傾けて構えているので、ややインパクトまでのスイング軌道が遠回りでロスを感じます。ヘッドが下るようなことはないのでドアスイングというほどではないのですが、少し波打ったようなスイングになるのは気になります。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げはそれなりで、体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。すなわち、その場で軸回転で打てるスイングです。 (打撃のまとめ) けして小柄でもひ弱さは感じられないのですが、上半身の使い方に課題があり、打撃ではそれなりに時間はかかるのかなといった印象は受けます。ただし、甘い球を逃さないという「鋭さ」は、観ていて感じれとれました。当て勘自体は悪くないと思うので、技術的な部分が改善できれば大丈夫だとはみています。 (最後に) 進路に関しては存じないのですが、右打ちのプロでもショートを意識できる選手は貴重な存在です。それだけにプロ志望届けを提出すれば、中位~下位 ぐらいの本会議の間で指名されても不思議ではないようにみています。特に、送球が乱れないショートは滅多にいないだけに、ドラフト戦線においても面白い存在ではないかと感じました。ただし、そこまで走力や打力が現時点では抜けていないので、そのへんで評価は別れるかもしれません。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2022年夏 青森大会) |