22ky-24





井坪 陽生(阪神)外野手のルーキー回顧へ







井坪 陽生(関東第一3年)中堅 177/66 右/右 
 




「指名あるかも」 





 関東の右打ちの強打者の中では、1,2を争う存在なのがこの 井坪 陽生 。あまり雑誌などでは大きく取り上げられていないが、指名の有力な候補だと言えるであろう。


走塁面:☆☆☆ 3.0

 一塁までの到達タイムは、この春計測した時に右打席から 4.55秒前後。これを左打者に換算すると 4.2秒前後に相当する。このタイム自体は、ドラフト候補としては 中の下 ぐらい。しかし、多少緩めての駆け抜けタイムだったので、実際のプレーを観ていると、それなりにスピード感は感じられる。上のレベルで足を売りにするほどにはないにしろ、ドラフト候補としては、平均的な脚力はあるのではないかとみている。

守備面:☆☆☆★ 3.5

 打球への反応、落下点などの入り方などを観ていても、中の上 ぐらいの守備力はあるようにみえる。肩も投手としてマウンドを上がるように、こちらも基準を満たすぐらいはある。強打の右打ち外野手ではあるが、守備力が安定している点はアドバンテージになりそうだ。

 まだ売りにできるほどの、守備・走力ではないものの、大きなマイナスにはならないだろう。守備も鍛えれば、プロでも中堅をあたりを任される存在になるかもしれない。評価の別れ目は、打撃での判断となりそうだ。


(打撃内容)

 高校通算32本塁打の長打力があり、チームでは3番打者として活躍。最後の夏も、2本 5点 打率.385厘 と、新チーム結成以来安定した成績を残し続けた。

<構え> ☆☆ 2.0

 クロスに立ち、グリップを高めに添えて捕手側に引いて立ちます。腰を沈めずに突っ立った形で、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしては癖のある構えとなっています。ただし、構えに関しては、本人が最も違和感なく立てるのが理想だと思うので、本人がシックリしているのであれば良いのではないかと考えます。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みきった底のあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられます。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて回し込み、ベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。ベース側に踏み込んで来るように、外角への意識が強いタイプです。

 踏み込んだ前の足はインパクトの際に止まっていて、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。ただし、長打は左中間方向に引っ張った時が多い印象があります。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 あらかじめグリップを引いて構えているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。バットの振り出しは、上から振り下ろして来るインサイドアウト気味なダウンスイング。踏み込んで来る割には、内角寄りの球をさばくのは下手ではありません。むしろ苦手な外角球をしっかり仕留めるたいめに、インステップしているのかもしれません。

 スイングの弧も大きめに取れており、捉えた打球は飛んで行きます。フォロースルーも含めて、タイミングがあえば上手く飛ばすことはできています。

<軸> ☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げが激しいということはないのですが、前に押し出されて崩される脆さは感じられました。体の開きは抑えられているので、体が突っ込まない軸の安定に気をつけたいところです。

(打撃のまとめ)

 しっかり捉えた時の見事なのですが、まだその精度・確実性に課題を感じます。そういった部分を、今後いかに磨いて行けるかにかかっています。まだそういった意味ではA級ではないのですが、可能性は感じさせる素材ではあります。


(最後に)

 守備力は悪くないのですが、走力・打撃はさほどではありません。長打力がある右打ちの外野手ということで、球団によってはアリだという評価をしてくる球団は出てくるかもしれません。個人的には  はつけませんが、育成枠ならば指名してくる球団が出てくるかもしれませんね。


(2022年夏・東東京大会)










井坪 陽生(関東第一3年)中堅 177/86 右/右 





 「波が激しいような」





 関東大会の健大高崎戦のような爆発的な活躍を魅せたかと思えば、浦和学院戦ではタイミングが合わず全然といった感じで、試合によってデキにバラツキを感じるのが、井坪 陽生 。私が生で見た帝京戦では、ヒットこそ放って魅せたが、そこまで図抜けた内容ではなかった。


(守備・走塁面)

 一塁までの駆け抜けタイムは、計測できた帝京戦で右打席から4.5秒台と平凡だった。実際50メートル・6秒0 で走り抜けるという話なので、それが確かならばもっと速いタイムで駆け抜けても良さそうだ。ただし、プレースタイルを見ていると、そこまで走力でガンガンアピールしてくるタイプには見えなかった。このへんは、夏の大会も含めてもう少し見極めたいポイント。

 中堅手としての、落下点までの入りなどはまずまずといった感じで守備は悪くないように思える。返球もそれなりに強いといった感じで、関東大会ではマウンドに上がり135キロぐらいのボールを投げていた。

 走力はもっと能力を秘めていそうに見えるが、現状はドラフト候補としては 中~中の下 ぐらい。守備に関しては、中~中の上 ぐらいの選手ではないかという印象を受ける。もう少しこの辺は、夏の大会で詳細を詰めて行ければといった感じ。


(打撃内容)

 関東大会の健大高崎戦では、ライトフェンス直撃のツーベースを放ったかと思えば、続く打席でレフトスタンドに叩き込んで魅せた。そういった好い時のプレーを魅てしまうと、この選手凄い魅力的に見えてくる。

<構え> ☆☆ 2.0

 足自体は軽くクローズ気味なのだが、センターカメラからみてハッキリ背番号が読み取れるほど両肩はクロスにして立っている。グリップを高めに添えつつ、腰の据わり・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスと、かなり癖のある構えだといえよう。ただし構えは、本人がもっともシックリした形で構えることが重要だと考えるので、そこまで個人的には気にしない。

<仕掛け> 遅め

 投手の重心が沈みきって、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。ボールを引き付けて叩く、長距離打者に多く見られる始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 始動が遅い割に、足を上げて回し込んでベース側にインステップしてきます。始動~着地までの「間」は短いので、狙い球を絞りその球を逃さないこことが求められます。その割に、間合いを図ってタイミングをあわせてくるので、若干始動のタイミングを早めた方がいいのではないかと思えます。

 ベース側に踏み込むように、外角への意識が強そう。インパクトの際にも足元はブレないので、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができる。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、始動の遅さを補っている。バットの振り出しは、肩が入り込んでいるぶんスムーズではなかったり、幾分外回りには出てくる感じ。

 それでもバットの先端であるヘッドは下がってはいないので、比較的フェアゾーンに飛びやすいのではないかと。スイング孤も大きめで、最後までしっかり振り切ってくる。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは静かなので、目線の上下動は小さい。体の開きも我慢できており、軸足もそれなりに安定している。

(打撃のまとめ)

 構えに癖がある影響で、内角へのバットの出はあまり良くないような。それでも、実際のスイング軌道はそこまでドアスイングとかにはなっていない。始動が遅い割に、結構足を回し込んでという動作をしてくるので、どうしても一定レベル以上の球速・キレのある投手に対しては立ち遅れやすいのではないかと。現状は、上手く合うタイプには爆発的な活躍をする一方で、そうでない選手には脆い部分あるように感じられた。


(最後に)

 右打ちの強打者ということで、プロ側からも魅力的な素材に映るのだろう。秘めたる身体能力が本物であれば、三拍子バランスのとれた外野手となれそう。現状は、下位~育成レベルで指名があるかどうかな?といった印象であり、夏の大会でのアピール次第かなとみている。夏の大会で、そういったムラが減ってくると指名も現実味を帯びてきそうだ。


蔵の印象:追跡級!


(2022年 関東大会)