22ky-16





戸井 零士(阪神)内野手のルーキー回顧へ







戸井 零士(天理3年)遊撃 181/83 右/右 
 




「ミート能力は高い」 





 攻守に垢抜けたものがなく、良い選手なのだけれども掴みどころがなかった 戸井 零士 。しかし、最後の夏の甲子園では、右に左にきっちりとはじき返す確かなミート力に感心させられた。


走塁面:☆☆★ 2.5

 一塁までの到達タイムは、右打席から 4.5秒前後。これを左打者換算にすると、4.25秒前後に相当する。このタイムは、ドラフト候補生としては、中の下 ぐらいであり、けして足を売りにするタイプではない。これまで3度の甲子園・7試合に出場しているが、盗塁を記録したことはない。全く他の大会などをみると走らないわけではないが、プロレベルで足を売りにしてゆく選手といった感じはしてこない。

守備面:☆☆☆ 3.0

 打球の正面に回り込んで捕球するという、丁寧なプレーに徹しています。捕ってから素早く送球する、動作の切り返しは鋭いです。送球は慎重にやろうという意識が強いのか? 弱々しく見えるのは気になる材料です。それでも、深いところから踏ん張ってアウトにするときもあるので、普段はかなりセーブして送球しているのではないのでしょうか。

 凄く守備範囲が広いとか、球際のグラブさばきや動きが柔らかいとか、肩がめっぽう強いとかそういった特徴はありません。あくまでも、基本に忠実に丁寧なプレーを心がけるといった感じ。二遊間を担ってゆく選手だとは思いますが、プロでショートとして年間を任されるような圧倒的な守備力があるのかは微妙な気がしました。現状は、ショートのドラフト候補としても平均的な守備力かと。


(打撃内容)

 甲子園では、バットの芯でしっかりボールを捉えられるミート能力の高さを実感しました。その一方で、奈良大会の高田商業戦では、緩い球を引っ張りにかかったり、緩急に脆い場面も見られました。今年見た中では、芯で捉えた時の打球が凄い飛距離で飛んでゆくのも見ており、想像以上に飛ばせる潜在能力もあるのかなと実感致しました。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 軽くクロス気味に足を置き、グリップを高めに添えた強打者スタイル。背筋を伸ばしつつ、腰はしっかり据わり・両眼での前の見据えるも良く、春よりもバランスよく構えられていました。打席でも集中力が感じられるので、あとは力まないように注意したいところです。

<仕掛け> 遅め

 投手の重心が下る時にベース側につま先立ちしますが、投手の重心が前に移動する段階で本格的に動き出しているので「遅めの仕掛け」ぐらいのタイミングになります。この仕掛けは、ボールをできるだけ引き付けてから叩く、生粋の二番打者やスラッガーに多くみられる始動のタイミングです。彼がどっちに属するのかの判断は難しいのですが、捉えた時の飛距離などをみると、プロ入り後はもっと長打力が全面に出てくるのかもしれません。ただプレースタイル的には、プロでは二番打者として生き残ってゆく、そういった感じもしてきます。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 小さくステップして、ベース側に踏み出してきます。始動~着地までの「間」は短く、狙い球を絞ってその球を逃さない「鋭さ」が求められます。踏み出すように、外角への意識が強いのではないのでしょうか。

 踏み込んだ足元は、インパクトの際にはブレずに止まっています。夏の奈良大会では、ちょっと引っ張りにかかっていました。しかし、甲子園では、右方向にきっちり打ち返す打撃が見られました。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、速い球に立ち遅れる心配はありません。あらかじめバットを引いて構えていると、リストワークに遊びがなくなり、柔軟性が損なわれるのでは注意したいところではあります。

 バットの振り出しは、上から振り下ろして来るインサイドアウトのスイング軌道。引っ張りを好む傾向が強いのも、このせいかもしれません。逆に外角の球に対しては、多少ボールの下を叩いたりして打ち損じが多い可能性があります。スイングの孤は大きく、最後まできっちり振れてはいますが。ビックリするような打球が飛んでゆくのは、上手く引っ張って巻き込めたときではないのでしょうか。

<軸> ☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。また内モモの筋肉も発達しており、想像以上にしっかり捉え打球は強烈で飛距離も生むのかもしれません。

(打撃のまとめ)

 あまりバットのしなりを生かしたスイングではないので、外角の球に対しプロの球を高い確率で捉えられるのか?といった部分は疑問は残ります。それでもバットの芯で捉える能力は高く、想像以上に打球を飛ばせるパワーも秘めていると言えます。この選手の能力を高く買えるとすれば、私は打撃の才能ではないかと見ています。


(最後に)

 プロでセカンドあたりで、二桁ホームラン打てる選手。そんな未来像を描ける球団ならば、この選手の獲得はありだったように思えます。プロに混ぜてしまうと、埋もれてしまう危険性はあります。しかし、なかなかのナイスガイ。さらに持っている打撃の資質が本物であれば、個人的には面白い選手だとみています。5位ぐらいの獲得ならば、充分ありの指名だったのではないのでしょうか。評価的には春と変わりませんが、春までつかめなかった部分が おぼろげながらも 見えてきた気がしたので、あえて最終寸評を作成してみました。上手くゆけば、プロで 2割7・8分・15本前後 の堅守の二塁手 が生まれるかもしれません。


蔵の評価:☆☆ (中位指名級)


(2022年夏 甲子園)










戸井 零士(天理)遊撃 180/81 右/右 





 「まだ絶対的ではないけれど」





 まだ攻守に絶対的なものはないけれど、プロへの可能性が高そうなのが、この 戸井 零士 。 このまま順調に伸びてゆけば、本会議での指名も充分期待できる好素材だった。


走塁面:☆☆★ 2.5

 選抜での2試合では、一塁到達タイムを計測する機会はなかった。過去5試合出場した甲子園では、盗塁はなし。新チーム結成以来の22試合で、3個の盗塁を記録。みていても、全く動けないようには見えないが、走力でバンバンアピールするタイプといったことは無さそうだ。

守備面:☆☆☆★ 3.5

 打球の正面にまわり、捕ってから素早く捕球する基本に忠実なプレーをしてくる。まだ時々ポカがあったり、送球にもあまり強さは感じられないのは気になる。しかし、打球への反応やフットワークなども悪くなく、プロレベルでもニ遊間で勝負して行ける素材ではないのだろうか。


(打撃内容)

 選抜では、緒戦で破れて3打数1安打に終わった。新チーム結成後の22試合では、チーム最多の3本塁打に打率.358厘を放っている。

<構え> ☆☆☆★ 3.5

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップを高めに添えています。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスとまずまずですが、特に隙き無しの鋭さを感じるとか、凄く威圧感を感じるような凄みはありません。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられます。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を引き上げて回し込み、少しベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でも幅広く対応。少し踏み込んで来ることからも、やや外角への意識が強そうだ。

 踏み込んだ前の足が、地面から離れるのは早いタイプ。そのため外角でもやや甘めだったり高めの球ならば対応できるが、体から逃げてゆく球や低めの球に対しては、あまり強くないのではないかと思われる。それだけ引っ張りを好むスタイルであり、上手く巻き込めたときにはスタンドインできそうだ。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れているが、トップ自体はあまり深くしっかりとってくるわけではない。ということは、弓矢の弓を強く引くが如く、強い反発力はそれほど望めないのかもしれない。

 スイング軌道は、上からインパクトまでロスなく振り下ろせている。また捉えた打球も、スイングの弧は大きく、最後までしっかり振り切れている。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは平均的で、頭の動きはそれでも大きくは動かない。軸足も地面から真っ直ぐ伸びているので、調子の波は少なそう。足元が早く地面から離れる傾向はあるが、そのぶん引っ張りやすいスイングを誘発しているのだろう。

(打撃のまとめ)

 スイングに悪い癖がないので、肉体や筋力がともなってくると、素直に伸びて行けるタイプではないかと。特別感性を感じるとかはないものの、それなりにはなってくれるのではないかという期待は持てる。


(最後に)

 まだ守備でも打撃でも突出したものは感じられないが、基本に忠実な守備や癖のないスイングで、経験を積み肉体の成長伴えば、攻守にさらなる上積みは期待できそう。そういった意味では、失敗のイメージが描き難い選手であり、あとはプロでレギュラーを取れるような選手になれるかどうか、夏まで見極めて判断して行きたい。この選抜でも、数少ない春の時点で  が付けられる選手ではなかったのだろうか。


蔵の評価:☆☆ (中位指名級)