22ky-12
| 黒田 義信(東日本国際大4年)中堅 180/84 右/左 (九州国際大付出身) | |||||||||||||||||||||||||||||||
今年の大学生野手の中で、プロ入り後に最も成長が見込めるのは、この 黒田 義信 だと見ている。九州国際大付属高校時代からドラフト候補として注目されており、大学進学後も1年時から主力として活躍してきた選手だ。 走塁面:☆☆☆☆ 4.0 高校時代は「滅法足が速い」という印象が強かった。左打席から一塁まで3.85秒前後で駆け抜ける脚力は、プロの基準で見ても上位クラスだ。この春のリーグ戦でも10盗塁を記録。上級生になるにつれ走力でのアピールが影を潜めていた時期もあったが、今シーズンはその懸念を払拭する働きを見せた。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 高校時代の定位置だったセンターに加え、大学ではライトやサードも経験。4年春の大学選手権では再びセンターとして出場している。打球判断や落下点への入り方には非常に余裕があり、外野手としてのセンスは一級品だ。投手兼任だった高校時代から定評のあった強肩も健在で、低く正確な送球を中継へ送る姿が印象的である。プロの舞台においても、中堅・右翼を高いレベルで守り抜ける守備範囲と送球技術を備えている。 走塁・守備ともに、現時点でプロのトップクラスとは言い難いかもしれない。しかし、その領域に到達しても不思議ではないポテンシャルと身体能力を秘めている。
(下級生までの成績と4年春の成績をセイバーメトリクスの観点で比較) 大学3年時までの通算成績と、最終学年となった4年春の成績を比較すると、その進化は顕著である。セイバーメトリクスに基づいた指標の推移は以下の通りだ。 OPS(出塁率+長打率)の向上: 打撃の総合力を示すOPSは、通算1.039から4年春には1.318へと劇的に上昇した。リーグを支配する打者としての風格を完全に身につけている。 出塁率の飛躍: 安打だけでなく四死球を選べる能力がさらに洗練された。出塁率は.468から.607へと向上。打席内での選球眼が極めて優れており、相手投手からすれば、安易にストライクを投じられない非常に厄介な打者へと変貌を遂げた。 長打力(IsoP)の向上: 長打率から打率を差し引いた、純粋な長打力を示す指標(IsoP)も、.226から.244へと底上げされている。単なるアベレージヒッターに留まらず、パンチ力も兼ね備えていることがこの数値からも証明されている。 三振率の低下: 注目すべきは三振の少なさである。4年春の打数に対する三振の割合は極めて低く、コンタクト能力の高さが際立つ。四死球との比率を見ても、無駄な三振を喫することなく、常に甘い球を仕留める準備ができている。 これらの数値は、彼が単に「打てる選手」から「試合を決定づけられる打者」へと昇華したことを物語っている。特に、これだけの長打を放ちながら高い選球眼を維持している点は、プロの投手相手にも早期から適応できる大きな根拠となるだろう。走塁・守備で見せる身体能力に加え、この完成された打撃技術は、間違いなく今年の大学生の中でも抜けた存在感を示している。 (打撃フォーム) <構え> ☆☆☆★ 3.5 左打席から軽く足を引き、グリップ位置は平均的。背筋を伸ばした構えは全体のバランスも整っており、両目でしっかりと投手を見据えられている。打席内での力みも感じられず、高い集中力を維持できている。 <仕掛け> 平均的 投手の重心が下がりきったタイミングで動き出す、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く見られる始動だ。下級生の頃と比較すると、始動をわずかに早めることで確実性を高めている様子がうかがえる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げてからベース側に踏み込むインステップを採用。始動から着地までの「間」はそこそこで、緩急への対応にもそれなりに対応できる。インステップすることで外角球への意識を強く持っており、以前の真っ直ぐ踏み込むスタイルから、外角球を逃さず捉えるためのモデルチェンジを図っているのではないだろうか。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 「トップ」の形成は自然体で、力みなくボールを呼び込めている。以前はグリップを深く捕手方向に引いていたが、現在は自然な動きになっている。バットの出方はインサイドアウトではないものの、外角球を捉えるまでのロスは少なく、バットのヘッドも下がらない。広い面でボールを捉えることができているため、広角にフェアゾーンへ鋭い打球を飛ばせる。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 目線の上下動は少なく、体の開きも我慢できている。軸足の粘りは彼の大きな持ち味だが、軸足の内転筋周辺にはさらなる成長の余地を残している。下半身が強化され、軸がより強固に安定してくれば、打球速度と飛距離は一段上のレベルに達し、打球の「凄み」が増してくるはずだ。 (打撃のまとめ) 昨年に比べ、始動からスイングの一連の動作に余裕が生まれ、対応力が向上している。もともと備えているボールをコンタクトするセンスに加え、プロのトレーニングで下半身の筋力が増せば、長打力という「破壊力」が加わることは間違いない。 (最後に) 肉体的な伸び代を残しており、プロの環境で経験を積むことで潜在能力が覚醒する可能性が高い。三拍子が高水準で整った選手として、将来的には球界で異彩を放つ存在になれるだろう。現時点では突出した長所というよりはバランス型のため、ドラフトでは3位前後の評価が予想されるが、その順位以上に大成するポテンシャルを秘めていると評価したい。 蔵の評価:☆☆☆(上位指名級) (2026年 平塚合宿にて) |
| 黒田 義信(東日本国際大3年)中堅 180/84 右/左 (九州国際大付出身) | |||||||||||||||||||
九州国際大付属時代、圧倒的な脚力で聖地を沸かせた 黒田 義信 。当時はドラフト候補としては打撃の非力さが課題に挙げられていたが、大学での3年間で彼は飛距離抜群の強打者へと見事な変貌を遂げた。現在の彼が備える「三拍子」の真価を分析したい。 【走塁・守備面】 走塁:評価:☆☆☆★ 3.5 高校時代は左打席から一塁到達3.85秒前後という、プロでもトップクラスの脚力を誇っていた。セーフティバントを武器にするクセモノの印象が強かったが、大学で体重を約10kg増やし、体つきは一回り逞しくなった。その分、純粋なスピードの絶対値は以前より落ち着いた感がある。2年春の10盗塁に対し、3年秋は5盗塁。盗塁技術に関してはまだ発展途上の感があり、最終学年では「走力の高さ」をいかに「次の塁を奪う技術」へ昇華できるかに注目したい。 守備:評価:☆☆☆☆ 4.0 高校時代の定位置だったセンターに加え、大学ではライトやサードも経験。松山合宿でのプレーを見る限り、打球判断や落下点への入り方には非常に余裕があり、外野手としてのセンスは一級品だ。投手兼任だった高校時代から定評のあった強肩も健在。無理に力まずとも、低く正確な送球を中継へ送る姿が印象的だった。プロの舞台でも中堅・右翼を高いレベルで守れる守備範囲とスローイングを備えている。 【打撃成績・分析】 高校時代から捉えた時の飛距離には光るものがあったが、現在はその「再現性」が格段に向上している。 ■ セイバーメトリクス補足 BB/K:1.95 (四球41に対し三振わずか21。選球眼が極めて良く、かつコンタクト能力も高い。強打者へと変貌しながら、三振が少ないというデータはプロにとって非常に魅力的なポイントだ) IsoP:.226 (長打率-打率。中距離打者を超える「長距離砲」の基準とされる.200を突破しており、高校時代の非力さは完全に払拭されている)
【打撃メカニズム詳細】 <構え> 評価:☆☆☆★ 3.5 左打席で足を引いたオープンスタンス。グリップを捕手側に添え、リラックスした構えを見せる。腰の据わりは標準的だが、両目でしっかりと前を見据えており、球筋を正確に追えていることが高打率に繋がっている。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」。ギリギリまでボールを呼び込むこのタイミングは、天性のスラッガーに見られる特徴だ。高校時代の「遅すぎる始動」が改善され、より実戦的かつ力強いスイングに繋がっている。 <足の運び> 評価:☆☆☆ 3.0 軽く足を上げ、真っ直ぐ踏み出す。始動から着地までの「間」が短いため、狙い球を絞って仕留めるスタイル。真っ直ぐ踏み出すように、イン・アウトの両コースを捌こうとする意図が見える。 一方で、足が早く着地してしまうため、タイミングを外された際の脆さが懸念される。「線」ではなく「点」の打撃になりやすいため、上のレベルの変幻自在な変化球に対し、いかに自分の「間」を作れるかが鍵となる。 <リストワーク> 評価:☆☆☆★ 3.5 トップの作りが自然体になり、高校時代の欠点だった始動の遅れが解消された。スイングの軌道に大きなロスがなく、ヘッドが立っているため、広い面でボールを捉えられている。内角球を巻き込むように引っ張った際の打球速度は凄まじい。 <軸> 評価:☆☆☆★ 3.5 上下動が少なく、目線が安定している。体の開きを我慢でき、軸足に粘りがあるため、強靭な内腿の筋肉を効率よくスイングのエネルギーへと変換できている。 【総評】 確実性において脆さを残すものの、肉体的な成長によって打撃のひ弱さは完全に消えた。BB/Kの良さが示す通り、もともと「ボールが見える」打者だけに、甘い球を仕留める精度がさらに上がれば手が付けられなくなる。 確かな走力と強肩、そして大学生トップクラスの飛距離。この三拍子が揃った素材は、最終学年のアピール次第でドラフト中位〜上位指名の枠に十分食い込んでくるだろう。全国大会などの大舞台で、より高いレベルの投手相手にどのような回答を出すのか。その真価が、問われる一年になる。 (2025年 松山合宿) |
| 黒田 義信(九州国際大付3年)中堅 180/73 右/左 | |
これまで 黒田 義信 と言えば、守備・走力はプロ級も、打撃が弱いという印象が強かった。しかしこの夏は、この選手の打球を観ていて、ビックリするような飛距離が出ていたのに驚いた。まだまだしっかり捉えることには課題があるものの、まともに捉えれば物凄く飛ばせる選手なのではないかと思うようになってきた。 走塁面:☆☆☆☆ 4.0 一塁までの到達タイムは、3.85秒前後というプロではトップクラスの脚力の持ち主。セーフティバントが上手く、この時のタイムは3.5秒台にも到達する。しかし、その圧倒的な走力の割には、盗塁の数は物足りない。そういった盗塁センスが悪いのか? もっと走塁を意識が高まれば足を売りにできるのか? この辺の見極めは難しい。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 この脚力を生かしての、広い守備範囲vが自慢。キャッチングや打球の追い方などには余裕があり、けして下手な選手では無さそう。肩もまずまず強く、守備でも売りにして行ける可能性を感じさせる。資質的には高いものがあるので、細部まで追求したり連携プレーを高めて、その精度を高めて行って欲しい。 今年の候補には、有力な外野手が多い。しかし、プロで中堅を担って行けそうな素材は意外に少ない。そういった意味では、この選手はその可能性を秘めた存在だと言えそうだ。 (打撃内容) 夏の甲子園では、7打数1安打。それでもU-18のワールドカップのメンバーに選出されて、9試合出打率.273厘と、そこそこの結果を残しました。ただし、本塁打も盗塁もありませんでした。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスと取れた良い構えに見える。構えた時に、スッと無駄なく立てているので雰囲気があります。 <仕掛け> 遅すぎ 開いていた足をベース側につま先立ちして、リリース直前に始動する「遅すぎる仕掛け」を採用。ここまで遅いタイミングで動き出すのは、プロレベルの球を日本人の筋力で扱うのは極めて難しい。若干始動のタイミングを早めて、動作に余裕を持たせない。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 小さく足をあげて、ベース側にインステップして踏み込んできます。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞って、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。しかしまだ、この始動を扱うほどの技術は、充分ではないように感じます。 ベース側にインステップするように、外角への意識が強い感じ。それでも、踏み込んだ足元は、インパクトの際にブレず止まっている。逃げてゆく球や低めの球にも、ついて行くことができます。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」を作るのが自然体で、力みなくボールを呼び込めるのは良いところ。ただし、始動が遅い上にトップを作るまでも遅れがちなので、一定レベルの速い球への対応には苦労するのでは? その一方で、インステップ気味でもバットの振り出しには癖がない。そのため内角寄りの球でも、それほど苦になくバットが出てくるのではないのだろうか。それでもスイングの弧も大きめで、インパクトの際にもヘッドが下がらず、しっかり振り抜けている。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さめなので、目線の上下動はそれなり。体の開きも我慢できているが、少し足元が窮屈にみえる。内角が厳しいというよりも、打撃の幅が狭いように見える。また、軸足の内モモの筋肉がまだ弱いので、この辺が変わってくると打球の印象にも変化が見えてくるかもしれない。 (打撃のまとめ) 始動の遅さが、打撃全体の幅の無さにつながっているように思えます。しかし、スイング軌道には癖がないですし、下半身もしっかり止まっているなど、抑えるポイントはおさえられている。上手くタイミングがとれるようになれば、大きく打撃も伸びるかもしれません。 (最後に) 春までは、守備・走塁はプロ級だけれども、打撃がなぁという部分が引っかかっていました。しかしこの夏は、対応力は相変わらず弱いものの、まともに捉えられれば相当な長打力を秘めていることを知り、そのポテンシャルの高さを感じました。打撃では苦労するかもしれませんが、指名もアリの素材だと判断することにします。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2022年夏 甲子園) |
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| 黒田 義信(九州国際大付3年)中堅 180/72 右/左 | |
今年の選抜の中でも、その脚力と守備では指名級と評価できる 黒田 義信 。しかし、打撃に関しては、かなりプロを想定すると弱い印象を受けた。 走塁面:☆☆☆☆ 4.0 左打席から一塁到達タイムは、3.85秒弱と極めて速い。このタイムは、プロに混ぜても上位クラスであり、足を売りにして行ける可能性を秘めている。ただし、選抜の3試合では1盗塁。その走力の割に、盗塁をバシバシ仕掛けて揺さぶってくるといったほどではまだない。 守備面:☆☆☆☆ 4.0 中堅手としては、落下点までの入りなどに余裕が感じられる。しかし打球勘や判断力に関しては絶対的なものはないようには見えるが、この脚力を活かし守備範囲は広い。センターからの送球も強く、純粋に走力・肩という意味ではプロの素材だといえよう。あとは、もう少し細部を追求して守備力や連携プレーを高めて行ってもらいたい。 (打撃内容) 選抜では、13打数7安打で打率.538厘と、成績的には悪く有りませんでした。ただし、打球の速さやスイングの強さなどを考えると、木製バットでプロの球に対応するのには時間がかかりそうです。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を引いた左オープンスタンスで、グリップは高めに添えられています。腰を深く沈め、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしてはそれなりといった感じでしょうか? <仕掛け> 遅すぎ 投手の重心が沈む際に、開いていた足をベース側につま先立ちして持ってきます。本格的に動き出すのは、投手がリリースを迎える直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。そのため全体的に動作が遅れがちで、プロレベルのキレ・スピードに立ち遅れる心配があります。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を小さくステップさせて、ベース側に踏み出してきます。始動~着地までの「間」がないので、狙い球を絞ってその球を逃さない鋭さが求められます。ベース側に踏み出すように、外角への意識が強そうです。 踏み込んだ足元は、インパクトの際に止まって動きません。そのため逃げてゆく球や、低めの球に食らいつくことができています。ただし、左の足を売りにする打者がインステップして踏み出すと、どうしても最初の一歩目が遅れて率が残り難い傾向があります。できれば、真っ直ぐ踏み出すぐらいにした方が走力は生きる気がします。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのが、バットを引くのが遅れがちで遅いです。バットの振り出しも、けしてインサイド・アウトではないので、内角へのさばきがインステップ相まって気にはなります。それでも選抜では、内角寄りの球を引っ張ってヒットにはしていましたが。 外の球を叩くのは、それほど大きなロスは感じられません。バットの先端であるヘッドも下がらずに、広い面でボールは捉えられています。それだけ打球が、フェアゾーンに飛びやすいのではないのでしょうか。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。身体の開きも我慢できていて良いのですが、やや軸足の形が崩れがちで安定感という意味ではどうでしょうか? 内モモの筋肉にもまだ強さが感じられず、打球のひ弱さに繋がっています。 (打撃のまとめ) 始動が遅すぎることで、動作全体が遅れがちだったり、動作を小さくすることで対応するような形になっています。これだと、プロレベルの球威・キレに対し、木製バットで対応するのには苦労するのではないのでしょうか。打撃に関しては、一から作り直す必要性に迫られるかもしれません。 (最後に) 守備・走塁に関しては、まさしくプロの素材だと思います。その一方で、打撃がプロを想定すると相当弱い。この部分を、夏までにいかに改善できるかではないのでしょうか。高校からプロに入る選手も多い学校なので、プロ志望ならば育成枠も含めればあるかもしれません。彼も夏まで追いかけて、最終的な判断をしたいと考えます。 蔵の印象:追跡級! (2022年 選抜大会) |