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安西 叶翔(常葉大菊川3年)投手 186/89 右/右 | |
やや腰高で、サイドに近いスリークォーターといった感じのフォームから投げ込んでくる 安西 叶翔 。割合似たタイプとしては、巨人の若きエース・戸郷 翔征 に近いものがある。そんな彼の活躍は、安西を評価する上で追い風になっているのではないのだろうか。 (投球内容) 全身を使って投げ込んでくる力投派というよりは、少し余力を感じさせる感じのフォームです。この夏は、静岡大会途中でチームにコロナが蔓延してしまい、大会途中から試合に出場できずに敗退してしまいました。そのため、2試合で 10回 5安 0四死 11三 0失 という内容で終わりました。強豪校相手に、どんなピッチングをするのか観たかったところですが。 ストレート 常時140キロ~146キロ ☆☆☆★ 3.5 力を入れて投げなくても、140キロ台中盤を投げ込めるエンジンの大きさは魅力です。四死球こそ0個だったのですが、かなりストライクゾーンの枠の中ではバラツキが目立ちます。というよりも、左打者に対しては、内外角しっかり散らすことができる一方で、右打者の球は高めに集まりやすかったり、抜けたりと非常に荒れ球になります。 変化球 スライダー・シンカーなど ☆☆★ 2.5 投球の多くは真っ直ぐで構成されており、時々スライダーやシンカー系を投げ込んできます。打者を仕留めるというよりも、そういった球もありますよ的。これは投球に変化をもたらすためのものであり、まだ速球に依存する投球スタイルに終始しています。 その他 クィックは、1.05~1.15秒ぐらいとまずまずで、牽制も適度に鋭いものがあります。大型ですが、投球以外の部分が緩慢だといったことはありません。特に微妙な間を使ってとか、コース一杯に投げて微妙な出し入れをするとか、そういった繊細な投球術はみられません。 (投球のまとめ) 本人を追い込むほどの相手と戦う前に敗退してしまったので、本当のところ能力がどこらへんにあるのか掴み切れないところがありました。戸郷の場合、夏の大会以後に行われた U-18高校ジャパンと宮崎県選抜との一戦で、自分の能力を遺憾なく発揮することで、指名を確実にしました。安西の場合、自分全力を出す前での敗戦だったので、評価は難しいところです。そのため、高校時代の戸郷からは熱いもの(元々クレバーな印象だった)が伝わってきましたが、安西の場合、能力だけで投げている荒っぽさを感じます。それでもエンジンの大きさは確かでしょうから、4位前後ぐらいでの指名は充分に期待できるのではないのでしょうか。近い将来には、150キロ台を連発するスリークォーターになっているかもしれません。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2022年夏 静岡大会) |