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齊藤 大輝( 23歳・東芝)内野 178/81 右/右 (横浜高-法政大出身) | |
けして長打で魅了するとか、そういった派手さこそないが、攻守に堅実なプレーをする印象がある 齊藤 大輝 。社会人2年目を迎え、再びドラフト解禁の年となる。高校・大学に、二塁手の有力選手が乏しいだけに、セカンドを補強したい球団にとっては、候補の一人となってくるだろう。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、速い時で右打席から 4.35秒前後。これを左打者に換算すると、4.1秒前後に相当し、ドラフト候補としては平均的な脚力の持ち主だと言える。法大4年春のリーグ戦では、6盗塁を決めるなど、走力は 中の上 ぐらいはあるとみて良いのではないのだろうか。 都市対抗では、一塁手として出場。大学時代のセカンド守備は、捕球までは丁寧にプレーしようという意識が感じられた。ただし、少し送球に怪しいところがあり、その辺がどうなるのか? しっかりチェックしておきたいポイントとなる。 (打撃内容) 六大学時代の通算打率は、.290厘 とまずまず。名門・東芝に進んでからも、都市対抗では3番を任されるなど期待の高さが伺われる。大学通算5本塁打を残しているように、ツボにハマればスタンドインのパンチ力を秘めるもの、対応力が勝ったタイプではないかとみている。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 ベース側に両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合・全体のバランスとしては並だが、両眼で前を見据えることはできている。そのため、錯覚を起こすことなく球筋を追うことができる。 <仕掛け> 平均 投手の重心が沈むときに一度地面に足を下ろすが、その後のステップが早く「平均的な仕掛け」ぐらいのタイミングで始動している。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を引き上げて回し込み、少しアウトステップして踏み出してきます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。アウトステップするように、内角への意識が強そうです。 踏み込んだ前の足も、インパクトの際に止まっています。そのため、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができ、センターから右方向への打撃も可能にしています。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めています。バットの振り出しも、けしてインサイドアウトではないものの、外角の球に対してはロスなくインパクト。大きな孤を描いて、しっかり最後まで振り切ってきます。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは平均的で、体開きは腰が早く開くもある程度のどころで我慢できています。軸足も地面から真っすぐ伸びて、安定しています。調子の波は、比較的少ないのではないのでしょうか。 (打撃のまとめ) 大学時代から、打撃フォームはほとんど変わっていません。アウトステップするのは、内角が得意というよりも、少し窮屈になりがちなので、そうならないようにケアするためだと考えられます。適度な対応力とパンチ力を兼ね備えるなど、派手さはありませんが実戦的です。 (最後に) 気になるのは、セカンドを今年は担うのかといった部分。またもし守るとしても、送球含めてどうなのか? 改めて注視したいところです。打つ方はある程度計算できるレベルにあるので、プロに混ざっても一軍半ぐらいでは通用するレベルにあるのではないのでしょうか。問題は、何か売りみたいなものを見出して、プロ側に明確にアピールできるかだとみています。 (2023年 都市対抗) |
齊藤 大輝(法政大3年)二塁 178/75 右/右 (横浜高出身) | |
齊藤 大輝 の広角に打ち返す打撃を見ていると、ベイスターズやソフトバンクで長く活躍した 内川 聖一(ヤクルト)を彷彿とさせるものがある。本格化した3年秋のシーズンには、打率.432厘で六大学2位の打撃成績を残した。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの到達タイムは、右打席から4.35秒前後。これを左打者換算にすると、4.1秒前後でありドラフト指名される野手としては平均的な走力だ。それでも3年春のシーズンでは、1シーズン5盗塁を記録。また外野手がもたつきそうとみるや、次の塁を一気に陥れるなど、走塁自体の意識は高い。一塁到達タイムも、打球によってはもっと速いラップを刻んできても不思議ではないだろう。 守備面:☆☆☆ 3.0 セカンド守備を見る限り、その動きは平均的な印象。捕球までは丁寧に腰を落としていう感じだが、送球に関してはちょっとどうかな?という怪しさは感じる。特に長い距離での送球には疑問の部分もあり、サードあたりだと持ち味が出るのかは微妙ではないのだろうか。牧(DeNA)などもそうだったが、上手くはないけれど丁寧で無難なレベルにということができる選手なのか? 見極めて行きたいポイントでもある。 (打撃内容) 広角に打ち返す対応力の高い打者との印象はを持っているが、3年春のシーズンには10試合で3本塁打を放っており、適度な長打力も秘めている。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 ほぼ両足を揃えたスクエアスタンスで、カカト浮かし気味にかまえている。腰はあまり沈めず全体としてのバランスは並ぐらいだが、両眼でしっかり前を見据えられているのと、リラックスして打席に入れているのは良いのではないのだろうか。 <仕掛け> 平均的 軽く地面をチョンとステップしているが、本格的に動き出すのは投手の重心が沈みきった「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離ヒッターや勝負強さを売りにするポイントゲッターに多くみられる始動のタイミングです。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を小さく上げて、ベースから離れ方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」はソコソコで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。アウトステップするように、内角への意識が強い気がします。 腰が早く開くのは気になるのですが、踏み込んだ足がしっかり止まっているので、ある程度のところで開きを我慢できます。したがって低めや逃げてゆく球は得意ではないのでしょうが、甘めの外角球や高めの球ならば、充分に対応できるものと思われます。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めています。振り出しも上からインパクトまで、それほどロスなく出てきます。インパクトの際にも上手くヘッドを立てて、フェアゾーンに飛ばすのは上手いです。長打は引っ張って巻き込んだ時が多い感じですが、センターから右方向にも追っつけてさばくことができています。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さいので、目線の上下動は少なめ。腰は早く開きますが、足元で我慢できてある程度のところで抑えることができています。ボールをさばくときに軸足を後ろに引いたりして打つことがあるので、これを見る限り少し足元が窮屈なのかもしれません。 (打撃のまとめ) 上半身の動きに悪い癖はありませんし、ボールの呼び込み方も悪く有りません。下半身も腰が早く開くものの、足元が踏ん張れて致命的にはなっていません。むしろ得意の引っ張りのときには、上手く腰の回転を促せています。凄みのある素材ではありませんが、安定した打撃を支える技術を持っています。 (最後に) 中距離・ポイントゲッターといった感じの打者ですが、プロでもセカンドを任せられるといった守備力があるのであれば、「打てる二塁手」としての付加価値が増し評価されるのではないのでしょうか? もしセカンドは厳しくサード向きぐらいの評価になってしまうと、ややパンチ不足なのは否めません。能力はかなり高いので、下の方の順位で獲れたら、想像以上に早く対応して活躍してくれる、そういったこともありうる選手だとは思いますが。果たしてどのような評価で、プロ入りを実現できるのか?追いかけてみたい一人です。 (2021年 秋季リーグ戦) |