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山田 健太(23歳・日本生命)二塁 183/87 右/右 (大阪桐蔭-立教大出身) 





「何か人をひきつけるものを持っている」






 大阪桐蔭時代から、何が凄いというわけではないのだけれども、人を惹きつける魅力を持っている 山田 健太 。再びプロ解禁となる今年、今度こそプロ入りを実現できそうなのだろうか?


(守備・走塁面)

 内野ゴロで仕留められるケースが少なく、大学時代なかなか走塁タイムが計測できたことがなかった。大学の4年間で83試合に出場するも、盗塁は4年春の2盗塁のみ。けして、足でアピールして来るプレースタイルではない。

 セカンドの守備範囲は広く、球際でのプレーも悪くない。ただし、送球に自信がないのか? 軽く慎重に送球しようとすることが多い。これは、余裕を持ってやっているのか? 送球が乱れやすいので気をつけているのか? そういった傾向は大学時代と変わらない。名門・日本生命でも、セカンドとして出場し続けている。

 現状は、走塁でアピールするようなことはなく、セカンドの守備も無難といった印象を受ける。



(打撃内容)

 23年度の公式戦の成績は、
14試合(37打数) 1本 7点 1盗(0失) 打率.351厘 だったそうだ。打数が少ないのでなんとも言えないが(80打数ぐらいは欲しい)、社会人で打率.350厘以上は一流だと言える。こういった成績が、2年目も維持されるかどうか、気にして見て行きたい。

<構え> 
☆☆☆★ 3.5

 前の足を引いてカカトを浮かし、グリップ高めに引き上げ捕手側に引いて添えられています。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢は良く、全体としては少し癖のある構えにはなっています。ただし、構えは、
本人がしっくり来ることが大事なので、それほど大きな問題ではありません。

<仕掛け> 早め&遅すぎ

 投手の重心が下るときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多く見られる始動のタイミングです。追い込まれなくても、一度引き上げた足を地面に着けて再度ステップしなおす、「遅すぎる仕掛け」を使ってくることがあります。このへんは、
いろいろなやり方で、投手とのタイミングを図ろうとする姿勢が感じられます。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 足を引き上げて回し込み、真っすぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は充分取れており、速球でも変化球でもスピードの変化に幅広く対応。真っすぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプのようです。

 ただし、都市対抗では、踏み込んだ
足元がインパクトの際に止まっていないのは気になりました。大学時代は、、地面にめり込ませ我慢できていたのですが、引っ張りにかかっていたのか? いち早く地面から離れていました。打球方向によって、そういったことを瞬時に使い分けられていると良いのですが。今の感じだと、逃げてゆく球や低めの球に対しては、「開き」が我慢できずに引っ掛けたり、空振りしてしまったりします。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を早く作れているので、速い球に立ち遅れる心配はありません。スイングは上から振り降ろしてくるインサイドアウトの軌道で、引っ張りるときに優れたスイングになっています。気になるのは、バットのしなりを活かせないスイングだけに、
プロレベルの球威や球速の球に対し、このスイングではどうなのか? といった疑問は残ります。

 それでも、バットの先端であるヘッドは下がらないので、広い面でボールを捉えます。したがってフェアゾーンに、ボールが飛びやすいとも言えます。また、スイングの弧は大きく、強烈な打球を生み出す原動力にはなっています。

<軸> 
☆☆★ 2.5

 足の上げ下げは平均的で、目線の上下動も並ぐらい。体の開きが充分我慢できていないので、
軸足の形もやや不安定な感じはしました。内モモの、筋肉自体には適度な強さが感じられますが、調子の波は激しいタイプなのかもしれません。

(打撃のまとめ)

 「開き」が我慢できていなかったように、都市対抗では引っ張りにかかっていたのかなといった気はします。それでも、元来はセンターから右方向への打撃もできる選手ですし、大学時代は「開き」も我慢して打てていたので、さほど気にする必要はないのかもしれません。インサイドアウトのスイング軌道も良いのですが、プロ仕様・それも打撃が売りの選手だけに、このスイングでプロでも結果を残せるのか? といった不安は残りました。


(最後に)

 適度に二塁を守れていて、一発長打を含めた強打が魅力の内野手。下位指名までO.Kであれば、今度こそ指名があるのか? 「打てる二塁手」という強味を活かし、プロ入りを実現できるのか気になるところです。なんやかんや言って、この選手は
理屈抜きに観ていてワクワクさせられる選手。今年一年、追いかけてみたいところです。


(2023年 都市対抗)



 








山田 健太(立教大3年)二塁 183/85 右/右 (大阪桐蔭出身) 
 




 「成績よりインパクト」





  大阪桐蔭時代から、何か秘めたる能力が高そうだと感じさせてくれていたのが、この 山田 健太 。立大では、1年春に.375厘でリーグ4位の打撃成績を残すも、以後は3割5分を越えたシーズンはない。成績だけ観ていると、そこまで図抜けた数字は残していない。しかし実際観ていると、遥かに数字には見えない能力の片鱗が感じられる。


(守備・走塁面)

 この選手、あまり内野ゴロで仕留められることがないので、正確なタイムが計測できず。ただし走塁などを観ていると、けして遅くはないように見える。しかし1年春のリーグ戦デビュー以来、59試合で盗塁は0個。基本的に、走力でアピールして来るタイプではなさそうだ。

 セカンドの守備範囲も広く、球際でのプレーも悪くない。ただし、送球に自信がないのか? 軽く慎重に送球しようとすることが多い。これは、余裕を持ってやっているのか? 送球が乱れやすいので気をつけているのか? 際どいプレーを幾つかみて判断して行きたい。今のところ、セカンド守備は 中の上 ぐらいには捉えているのだが。





(打撃内容)

 打球が、非常に強烈な印象を受ける。そして、ツボにハマればスタンドインできるパンチ力を秘めている。また打球は、引っ張り中心で、レフト~センター方向が殆ど。右方向へとか、そういった合わせにゆく打球は今のところ観られない。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。背筋を伸ばしつつ、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスはまずまず。特に打席では、甘い球を逃さない高い集中力が感じられる。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。対応力を重視した、アベレージヒッターに多くみられる、始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を上げて回し込み、軽くアウトステップ気味に踏み込みます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でも幅広く対応できます。若干アウトステップするように、内角への意識が強いように思えます。

 また踏み込んだ前の足は、なんとかブレないで我慢。しかし打撃を見ている限り、殆ど引っ張り込める球を思いっきり引っ張るというケースが多い。逃げてゆく球や低めの球を苦手しているわけではなく、そういった難しい球はファールにして打てる球が来るのを待っているのかもしれない。無理して、右方向に合わせにゆくようなスイングはしてこない。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めるのは良いところ。バットを引くのが遅れないように、注意したい。バットの振り出しも、引っ張りに特化しているので、上からロス無く振り抜いて来るタイプ。

 バットの先端も下がってないので、広い面でボールは捉えられやすい。そのためホームランも、上手く巻き込めた時に限られるのだと考えられる。また大きな弧を描きスイングするので、打球が極めて強烈です。最終学年において、センターから右方向への打球も意識するのか気になるポイントではあります。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げそれなりで、目線の上下動は平均的。体の開きはなんとか我慢できてますし(まぁ引っ張るだけなら、我慢する必要もないのかもしれないけれど)、軸足も強く安定しています。若干気になるのは、軸足が前に傾きがちなので、体のツッコミには注意して欲しいかなと。

(打撃のまとめ)

 基本的に引っ張りしかしないのですが、自分の打てる球は伸ばさず叩く「鋭さ」を持っています。また捉えた打球は速く、甘く入ればレフトスタンド中心に一発を叩き込める長打力があります。打てる球、打球の方向が限られている部分を、今後どのようにしてゆくのか気になるところです。


(最後に)

 セカンド守備の動き、守備範囲は広いように見えました。あとは、送球が慎重なので、送球難なのか丁寧なだけなのかの見極めは今年して行きたいポイント。打撃は、確率は高くないものの、インパクトに残る打撃をする選手といった感じがします。そういった意味では「強打の右打ちの二塁手」という、ここ数年のトレンドを地でゆくタイプです。上手くそういった需要を持ったチームがあれば、上位指名されても不思議ではない能力は持っているのではないのでしょうか。この選手は、そのプレーや爽やかなルックスなど華のあるプレーヤーだと思います。


(2021年秋 秋季リーグ戦)