22dy-25
西尾 歩真(中京学院大4年)遊撃 168/68 右/左 (中京学院大中京出身) | |
試合を通して見たことがない選手なので、僅かな映像で掻い摘む程度しか確認できなかった 西尾 歩真 。しかし、その映像を見る限りは、長打で魅了するというよりは、対応力を重視した好打者といったタイプだった。 (守備・走塁面) 残念ながら、守備・走塁の場面は確認できず。スカウトのコメントにも、守備や走塁はそつなくこなすと語っているように、プロで売りにするほどではないかもしれないが、走力も遊撃の守備も一定の水準にはありそうだ。そもそも長打を売りにするわけでもなさそうな選手だけに、守備や走塁がイマイチだったら、指名されないと思うのだが・・・。 (打撃内容) 4年春には、首位打者を獲得し、MVPにも輝いているという。リーグ戦では、過去3度の4割越えを達成するなど、対応力の高さが、やはり自慢のようだ。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を軽く引いて、カカトを浮かして構えます。グリップを高めに添えた強打者スタイルで、背筋を伸ばしつつ全体のバランスは平均的。それでも、両眼ではしっかり前が見据えられているので、球筋を錯覚を起こすことなく追うことができている。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が沈んで、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、ボールをできるだけ引き付けてから動き出すので、長距離打者や生粋の二番打者に多くみられる始動のタイミングです。彼の場合、後者のタイプに属するのではないのでしょうか。ボールを良く見極めてから動き出すので、出塁率なども稼げるかもしれません。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を軽く引き上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は短いので、狙い球を絞り、その球を逃さない「鋭さ」が求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。 踏み込んだ前の足は、しっかり止まって動きません。したがって逃げてゆく球や、低めの球にも食らいつくことができそうです。実際に映像でも、右に左へと打ち返す打球を飛ばしていました。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形は早めに作れており、始動の遅さを補っています。あらかじめグリップを引き気味構えると、どうしてもリストワークの遊びがなくなり、柔軟性を損ないます。しかし彼の場合、難しい球をうまく捉えるというよりは、甘い球を逃さず叩くことで、ハイアベレージを実現してゆくタイプなのだと感じました。 バットの振り出しにもロスは感じられず、インパクトの際にもヘッドが下がらないので、外角の球でもしっかり拾えてフェアゾーン飛ばします。けして長打で魅了するタイプではないのですが、最後まできっちりとらえて振り切るといったスイングです。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢でき、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて、調子の波が少ないタイプのように感じられました。内モモの筋肉も適度に強く、当てるのが上手いというだけでなく、鋭く打ち返す打球の速さも期待できます。 (打撃のまとめ) 長打で魅了するというよりは、鋭く野手の間を抜けてゆくコンタクトヒッターといった感じがします。それでいて難しい球を柔軟に捉えるというよりも、自分の打てる球を逃さず叩く、そういったタイプの好打者だと感じました。 (最後に) まともに見られていない選手なので、ハッキリしたことは言えません。遊撃を守る守備やその走力がどの程度までかは把握できなかったものの、話を聞く限りは 基準レベル~それ以上のもの はありそう。ただし、走力や守備がプロで売りにできるほどといった熱量は、コメントからは感じられませんでした。 打撃に関しては、地方リーグでは突出した存在。それが、プロでどのぐらいのレベルか、あるいは今後NPBレベルに順応して行けるかは、混ぜてみないとわからないといった感じです。しかし、技術的にはしっかりしたものを持っており、この点では見劣りはしません。育成13位の指名が示すように、三軍から成績を残す中で、階段を一つ一つ上がってゆくことが期待されます。ぜひその有志を、来季は実戦の中で確認してみたいものです。 (2022年 春季リーグ戦) |