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永田 颯太郎(楽天)内野手のルーキー回顧へ







永田 颯太郎(国立台湾体育運動大4年)遊撃 178/74 右/左 (菊華出身) 





「肩が強い」 





 菊華高校を卒業後、名古屋産業大に進学。そこから出番を求めて、台湾の 国立台湾体育運動大 に進学した 永田 颯太郎 。 掻い摘む程度の映像しか見られていないが、深いところから乱れず一塁に送球する地肩の強さには目をみはるものがあった。


(守備・走塁面)

 強肩を活かし、深いところからの送球でも球筋が乱れないのが最大の魅力。眼の前でバウンドが変わっても、とっさに反応して対応したり、難しい体勢からのキャッチング~送球までの流れも見事で、その精度はわからないものの、NPBでもショートをやって行ける素材ではないかといった印象を受けた。

 積極的に盗塁を試みて、次の塁を狙う姿勢も感じられる。一塁到達タイムは、計測できたもので4.45秒前後と速いものではなかった。また、三塁打での三塁到達タイムは12.0秒前後と、タイムとしては速いものはなかった。もう少し実際には、速いタイムが出そうには見えるのだが。





(打撃内容)

 打撃成績の詳細なものがないので、打撃フォームを分析する中で考えて行きたい。

<構え> ☆☆☆ 3.0

 両足をベタ~と地面に着けてのスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり、全体のバランスとしては悪くないものの、構えた時に体の何処も動かさずに揺らいでいないので、柔軟性に欠ける印象を受ける。どうしてもこういった選手は、立ち遅れやすい。それでも両眼で前を見据えることはできているので、球筋を錯覚を起こすことなく追うことはできているのだが。

<仕掛け> 遅すぎ

 投手がリリースを迎える直前ぐらいで動き出す、「遅すぎる仕掛け」を採用。ボールできるだけ引き付けて叩くのは悪いことではないが、日本人の筋力やヘッドスピードを考えると、ここまで遅いタイミングでの始動では苦労する。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 カカトを軽く引き上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」がなく、狙い球を絞り、打てる球を逃さない鋭さが求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプといった感じがします。

 踏み込んだ前の足のつま先は閉じられ、開きを我慢できています。そのため逃げてゆく球や、低めの球にも対応できると考えられます。実際打球を見ていても、引っ張りだけでなく、流してもキッチリ打ててはいました。

<リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」を早めに作ることで、始動が遅いのを補っています。バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではないものの、外の球を捉えるまでにはロスは感じられません。インパクトの際にも、ボールの下にバットを潜らせ、打球に角度を付けるのはうまそう。それだけ長打になる確率は高いものの、打ち損じも少なくはないように感じられます。

 インパクト後も、スイングの弧は大きめで、フォロースルーを使ってボールを遠くに運べています。打撃に弱さはあっても、スイングがひ弱いからといったことではなく、タイミングの問題であるように思えます。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げがほとんどないので、目線の上下動は小さい。体の開きは我慢できているのだが、ステップの幅が狭い分、打てるポイントは限られているのでは?といった感じがする。軸足自体には、適度な強さと粘りは感じられるのだが。

(打撃のまとめ)

 基本的に、動作を小さくしてシンプルな形にしています。ただそのためか? タイミングが取るのが下手なのかな?といった感じに映ります。けしてスイング軌道にも問題はないし、それを受け止める下半身もブレない。目線も動かないし、形は悪くありません。ただ、タイミングが上手く取れていないのではと。そういった部分を、今後改善されるかが鍵ではないかとみています。


(最後に)

 圧倒的にサンプルが少ないので、評価云々はできません。一つわかったことは、非常に肩が強いということ。走力もそれなりに動けそうですが、売りにできるほどかと言われるとどうかと。また課題があるとすれば、やはり確実性を含めた打撃なのだろうなとは映像を見る限り感じました。果たして、プロで通用するだけの打力を身につけられるのか? その辺に注意して来春は確認できたらと思っております。