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荘司 康誠(立教大3年)投手 188/88 右/右 (新潟明訓出身) | |
DeNAに1位指名された 入江 大生(明治大)投手も、下級生までは今の 荘司 康誠 と同じような感じだった。素材の良さは光っていたものの、まだリーグ戦で勝ち星も僅かだった。そんな、未完の大器 といった感じでは、二人は良く似ている。 (投球内容) セットポジションから、スラッとした体型から投げ込んできます。4年秋のリーグ戦では、6試合 0勝0敗 防御率 2.22(5位) といった成績だった。 ストレート 145~150キロ ☆☆☆★ 3.5 柔らかい腕から繰り出される真っすぐは、適度なキレと勢いがあります。全体的にボールが高いのですが、ボールに勢いがあるので空振りが誘えます。3年秋は、24回1/3イニングで24個と、ほぼ投球回数と同じ奪三振。真っ直ぐで押し込めるほどの球威はないものの、適度に高めで空振りは誘えます。四死球は12個と、ほぼ投球回数の半分ぐらいと、制球がアバウトなのが課題でしょうか。 変化球 カット・スライダー・カーブ・チェンジアップ・フォークなど ☆☆☆ 3.0 球種は多彩で的は絞り難いのですが、狙って空振りを誘える変化球はありません。それでも被安打は17本と、被安打率は69.9%と少なめ。この多彩さが、この選手の持ち味なのかもしれません。 その他 クィックは、1.1秒前後とそれなり。フィールディングや牽制に関してはよくわからなかったものの、あまり細かいコースの投げ分けや間をつかった投球術は見られません。 (投球のまとめ) まだ相手を力でねじ伏せられるほどの球威・球速がないのと、多彩な球種でも絶対的なボールがありません。このへんは、入江の3年時もそんな感じだったので、二人の同時期のレベルは近いように感じました。最終学年でのパフォーマンス次第では、上位指名を意識できる素材なのは確かなのでしょう。 (投球フォーム) セットポジションから、足を引き上げる高さは低く、全体のバランスとしてはあまり良くない。それでも、膝に力みなく立てているところは良いところ。 <広がる可能性> ☆☆☆★ 3.5 お尻の一塁側への落としには甘さが残るものの、カーブやフォークといった球種を投げられないほどではないでしょう。ただし、そういった球の変化が鈍る可能性はあります。 「着地」までの地面の捉えもそれなりといった感じで、前には適度には足を逃せてはいます。武器になるほどの変化球を習得できるかは微妙ですが、変化球のキレ自体が悪いわけではないかと。 <ボールの支配> ☆☆☆ 3.0 グラブは最後まで内に抱えられているので、外に逃げようとする遠心力は内に留めることができています。したがって軸はブレ難く、両サイドへのコントロールはつけやすいと言えます。むしろ気になるのは、足の甲の地面の捉えが浮いてしまい、浮き上がろうとする力を抑え込めていないこと。「球持ち」も平均的でボールが押し込めていないので、全体的にボールが高めに集まる傾向があります。 <故障のリスク> ☆☆☆ 3.0 お尻の落としに甘さはあるものの、カーブやフォークを投げられないほど窮屈では無さそう。そういった球の頻度はそれなりにありますが、そこまで悲観することはないのではないのでしょうか。 ややボールを持っている肩が上がりグラブを持っている肩が下がる傾向があるのと、やや腕が外旋して投げ込まれるので肩への負担はそれなりに感じます。それほど力投派だとは思いませんが、体のケアには注意して欲しいところではあります。 <実戦的な術> ☆☆☆★ 3.5 「着地」までの地面の捉えはそれなりで、ボールの出どころもある程度は隠せています。そのため、苦になるというほどではないにしろ、合わされやすいフォームではないのでしょう。 腕も振れているので、打者としては高めの球なども吊られやすいはず。ボールにまだ充分体重を乗せてからリリースできているというほどではないので、リリースをもう少し体重を乗せられるまで我慢してから放ることができると、打者の手元まで来る勢いや球威が増すように感じられます。 (フォームのまとめ) フォームの4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、もう少し「球持ち」と「体重移動」に粘りが出てくると良いのではないかと。足の甲の地面の捉えが浮いてしまいボールが上吊りやすかったり、故障のリスクはそこそこも武器になる変化球が習得ができるかは微妙です。それ故に、真っ直ぐの出力をさらに引き上げて、いまある変化球を活かすスタイルが求められるのではないのでしょうか。 (最後に) 現状は、素材は魅力的も、まだ決め手に欠けるところがあることは否めません。そこから最終学年で、いかに売りにできるものを作って行けるかではないのでしょうか。そうじゃないと、素材が買われて高い順位で指名されても、プロで伸び悩む可能性が高いです。現状は、まだまだどっちに転ぶかわからない、2022年を象徴するような選手の一人なのではないのでしょうか。 (2021年 秋季リーグ戦) |