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 工藤 泰成(東京国際大4年)投手 175/70 右/左 (明桜出身)





「制球が粗い」 





 150キロ前後の力強い真っ直ぐを投げ込む 工藤 泰成 。その勢いは健在だったものの、以前として課題である制球力には改善が観られない春だった。


(投球内容)

 スリークォーターから繰り出す、威力のある真っ直ぐが武器。しかしこの春は、第一戦の先発を任されるなどしたものの、1勝2敗 防御率 2.25 の成績で、チームを大学選手権に導くことはできなかった。

ストレート 145キロ~150キロ台前半 ☆☆☆★ 3.5

 
真っすぐの勢いや球威は、おっ! と思わせてくれるものがあります。確かにその球はNPB系の威力があるものの、ボールがバラついていて、本当のコントロールがないところが気になります。

変化球 スライダー・カット・シンカーなど ☆☆☆ 3.0

 スライダーやカットなどでカウントを整えることができ、左打者にはチェンジアップだかシンカー系の球も織り交ぜてきます。ただし、スライダーの曲がりこそ大きいものの、プロの打者を想定すると、
仕留めきれるほどの変化球はないように見えます。

その他

 クィックは、0.95~1.05秒 と高速。ベースカバーへの動きも遅くないですし、牽制も下手では無さそう。ただし、細かい出し入れをする繊細なコントロールや、間を使ってといった投球術はみられません。


(投球のまとめ)

 プロを想定すると、現状は
勢いで押すリリーフタイプといった感じがします。現状はまだ総合力という意味では低く、本会議での指名があるのかはボーダーレベルなのかなと。特に大きな故障などはなかったのですが、秋から大きくは変わっていない感じでした。





(成績から考える)

この春は、
5試合 32回 17安 24四死 35三 防 2.25 といった内容で、登板した試合は全て先発でした。


1,被安打は投球回数の80%以下 ◎

 被安打は、53.1% と、基準である80%以下を充分に満たすことができています。それだけボールの威力は、リーグの中でも図抜けていることが伺えます。

2,四死球は、投球回数の1/3(33.3%)以下 ✕

 四死球率は、75% と極めて高いことがわかります。アマレベルでこの数字ですから、より打者のレベルの上がるプロの世界で、その数字が悪化されることが予想されます。

3,三振は、1イニングあたり0.8個以上 ◎

 投球回数を上回る奪三振を奪えており、先発として充分な数字です。それほど絶対的な変化球があるわけでは無いように見えますが、真っすぐで圧倒しておいての変化球は、それなりに効果的であることが伺えます。

4,防御率は1点台以内 △

 今シーズンの防御率は、2.25 とやや物足りません。2年春に10イニングほど投げて、無失点というシーズンがあります。しかし、他のシーズンも似たような感じで、
四死球の多さが失点に繋がっている可能性があります。

(成績からわかること)

 被安打の少なさや奪三振の多さから、打者を圧倒できていることが伺えます。その一方で、四死球の多さが、防御率の平凡さに現れていることがわかります。


(最後に)

 けして秋に比べて、順調さを欠いたとか内容が悪かったわけではありません。ただし、大きく内容を良化させたわけでもありませんでした。それだけに本会議を決定づけるためには、やはり
制球の不安定さを緩和させたいといった気がします。そこが改善されないと、ちょっと本会議で指名するのには怖いなといった評価になろうかと思います。真っ直ぐに魅力がある選手なので、育成もありならば指名して見ようかという球団は出てきそうですが。その辺が改善されるのか?秋まで追いかけて、見極めてみたいポイントでした。


蔵の評価:
追跡級!


(2023年 春季リーグ戦)



 









工藤 泰成(東京国際大3年)投手の本当に凄いやつへ