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三浦 大輝(中京大4年)投手 180/92 右/左 (時習館出身) | |
昨春、愛知リーグを見に行った時に、140キロ台中盤のボールを投げ込んでいた 三浦 大輝 。当時はまだ、全身力を入れて投げる力投派というイメージしかなかったが、あれから1年半余り、西武からドラフト指名されるまでの投手になっていた。 (投球内容) リーグ戦では、リリーフを中心に起用されます。4年秋のリーグ戦成績は、8試合に登板して 2勝0敗 防 1.74 といった成績でした。この秋の模様を、何試合かみたのでレポートします。 ストレート 常時145キロ前後~150キロ ☆☆☆★ 3.5 球速は昨春のリーグ戦の時と、それほど球速は変わってはいませんでした。ただし、体感的には球速表示以上に感じさせ、容易には前に飛ばさせない勢いがあります。力んで高めに浮くことが多いのですが、この秋は落ち着いて球筋も全体に下がってきた感じがします。細かい制球力はありませんが、相手を押し込む真っすぐの力はあるタイプです。 変化球 スライダー・チェンジアップなど? ☆☆★ 2.5 スライダーだかカット系のボールがあり、球速があって適度な鋭さもあります。他にもチェンジアップだかフォーク系の球を投げてくるのですが、時々高めにスッポ抜けたりと、まだ精度・落差などには課題を残します。どちらかというと変化は、高速で小さく変化する球種で、空振りを誘うというよりも芯をズラす感じでしょうか。 その他 クィックは、1.05~1.15秒 ぐらいと基準レベル。ランナーを背負っても、ボールを長く持って落ち着いて投げられていました。ただし、牽制が見られなかったりフォームを盗まれるなど、まだそういった細かい部分では改善が必要かもしれません。 (投球のまとめ) 以前は力任せ速い球を投げるという感じで、力みが感じられてボールが上吊っていました。しかし今は、だいぶ落ち着いて投げられるようになってきており、以前ほど高めに集まるという傾向は薄れつつあるように見えました。まだまだ細かい制球力・変化球は発展途上ですが、真っ直ぐには確かな魅力があるので、この良さを活かせるようだとリリーフとして期待が持てます。 (成績から考える) この秋の成績から、現在の実力と今後の改善点を考えてみましょう。この秋の成績は 8試合 20回2/3 15安 13四死 13三 防 1.74 でした。 1,被安打は投球回数の70%台 ◯ 被安打率は、72.6% 。基準である70%台をクリアしており、ボールの力はリーグでも上位であることが伺われます。ただし、地方リーグでの成績なので、60%以下などの絶対的な領域ではなかったようです。 2,四死球は投球回数の1/3(33.3%)以下 ✕ 四死球率は、62.9% 。基準である投球回数の1/3のの約倍くらいのペースで出しています。やはり、制球力が大いなる課題として残ることがわかってきました。 3,三振は1イニングあたり0.9個以上 ✕ 三振も四死球と同じ13個で、1イニングあたりの奪三振は 0.63個 。これは平凡な数字で、リリーフならば0.9個以上奪わないと、決め手があるとは言えません。これだけの真っ直ぐを持っていますが、空振りを奪える変化球や真っ直ぐの質に改善の余地があるのかもしれません。 4,防御率は1点台 ◯ 防御率は1点台と基準は満たしているものの、リリーフであることを考えると、やはり0点台は欲しいところ。それでも、3年秋のシーズンには、規定回数を満たし最優秀防御率(0.84)で輝いているので、この点では一定の評価はできそうです。 (成績からわかること) 四死球の多さと三振の少なさからも、制球力の改善と決め手となるボールの習得が課題であることがわかってきます。真っ直ぐで詰まらせて押し込むことはできていますが、それ以外の引き出しをいかに広げて行けるかではないのでしょうか。 (最後に) 実際みた投球の印象と、データの示す課題は合致しており、プロ入り後もそこをいかに改善できるかではないのでしょうか。真っすぐは魅力的な選手だけに、それをどう活かして行けるのか? 現時点での育成枠での指名は妥当であり、数年かけて一軍で通用する術を磨いて頂きたいと思いました。 (2022年 秋季リーグ戦) |