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速水 隆成(日ハム)捕手のルーキー回顧へ







速水 隆成(24歳・BC群馬)捕手&一塁 188/102 右/右 (桐生第一出身) 
 




 「守りが良くなった」





 ここ数年、独立リーグ屈指の強打者として君臨する 速水 隆成 。しかし、毎年のように指名候補にあがりながらも、指名に至らないまま数年が経った。そんな彼だったが、今年は自慢の強打に加え、ディフェンス面で大きな成長が感じられた一年だった。


(ディフェンス面)

 これまでのイメージは、ちょっと悪い言葉でいえば典型的な「壁」といった感じの大型捕手でした。どかっと大きな体で座り、とりあえずボールを捕っているだけといった感じ。相変わらずどかっとした構えで、フットワークが重苦しい感じがすることは否めません。それでも、捕ってからしっかり型をつくりながらの二塁へ送球。そのため、今シーズンは、BCリーグトップの捕殺率である .419厘 をマークし、地肩の強さも活きるようになってきた。キャッチングでも、フレーミングを駆使して際どいコースの球をストライクに導くなど工夫の跡が感じられます。

 どうしても動作の切り返しに重苦しさもあり、中々ハマらないと 1.8秒台の送球はできませんが、精度はかなり上がってきたといえるでしょう。また少々プレーは荒っぽくは見えるものの、第三の捕手&右の代打要員ぐらいの位置づけならば、プロも充分視野に入れられるところまで来ているのではないのでしょうか。どうしても捕手3人を一軍に置いた場合、一人は代打で使えるぐらいの打力がないと厳しいので。また捕手を守らない時には、一塁をこなすこともできます。


(打撃内容)

 今シーズンは、64試合 239打数 12本(2位) 73点(1位) 打率.339厘(13位) OPS 1.058(1位) など、打撃でも健在ぶりを示しました。スイングだけみていると、ほとんど外国人のような打撃をします。

<構え> ☆☆☆★ 3.5

 右のオープンスタンスで構え、構えている時は前の胸を完全に投手にみせて立っています。しかし、打ちにゆく時には戻っているので、それ自体は問題はないのではと。グリップを下げ気味に構え、打席ではリラックスできているところは良いところ。腰は据わっていおらず癖のある構えですが、両眼でしっかり前を見据えられており、球筋を錯覚を起こすことなく追うことができています。

<仕掛け> 遅め

 投手の重心が沈んで前に移動する段階で動き出す、「遅めの仕掛け」を採用。この段階での始動は、長距離打者やボールをギリギリまで引きつけて叩く生粋の二番打者に多く観られる仕掛けです。彼は、典型的な長距離打者なのかもしれません。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 足をほとんど上げず、地面になぞるように動かし、少しベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」が短いのので、狙い球を絞りその球を逃さず叩く「鋭さ」が求められます。それでも長年これだけの成績を独立リーグで残してきたように、甘い球を逃さない打撃はできているのではないのでしょうか。

 少しステップが狭く、引っ張りを強く意識したスイング。踏み込んだ足元はインパクトの際にブレずに止まっているので、逃げてゆく球や低めの球にも対応できそうなものの、基本引っ張りの意識が強いので、そういった球にはそれほど強くないように見えます。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めているところは良いところ。ややバットが遠回りに出てくる感じでインパクトまでにロスは感じられる。またインパクトの際にも、ボールの下にバットを潜らせ角度を付ける感じのスイングなので、打ち損じはそれなりに多いのではといった感じはします。しかし、しっかり捉えたボールは、大きな弧を描いたスイングで強烈な打球を生み出します。けして、フォロースルーを使ってボールを運ぶというよりは、角度を付けて捉えた打球を日本人離れした腕っぷしで強引に飛ばすイメージです。

<軸> ☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げは小さいのですが、目線の上下動は並ぐらいかと。身体の開きは我慢できているのですが、インパクトの際にボールをあげようという意識が強いのか? 身体が伸び上がってしまうような形は正直気にはなります。

(打撃のまとめ)

 どうしても打つタイミングや引っ張り中心のスイングのために、打てる球やゾーンは限られているのでは?といった印象は受けます。そのへんは、NPBの一軍レベルだと投げミスも少ないので、中々BC時代のような確率で捉えられることは少なくなると考えられます。しかし、捕手というポジションを考えれば、打順も下がることでマークが薄くなったりしたら、一定の割合で本塁打を打てるチャンス充分あるのではないのでしょうか。そういった時に甘く来た球を、結果に結びつける能力はあるとみています。


(最後に)

 チームのレギュラー捕手になれるかと言われると疑問は残りますが、一軍の三番手捕手&右の代打という需要ならば、長打が期待できる素材だけに面白いのではないかとみます。特にキャッチングやスローイングの成長が著しく、ディフェンス面でもプロを意識できるようになってきた点は評価できるのでは。今ならば、個人的に  を付けても良いのではないかと考えるようになりました。「打てる捕手」を探している球団には、面白い存在だと思います。


蔵の評価: (下位指名級)


(2021年 リーグ戦)