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和田 佳大(25歳・トヨタ自動車)遊撃手の個別寸評へ







和田 佳大(24歳・トヨタ自動車)遊撃 167/63 右/左 (鹿児島情報-中京大出身) 
 




 「守備は名手級」





 源田 壮亮(西武)を輩出したトヨタ自動車で、ひときわ動きの良い守備を魅せているのが、和田 佳大 。 今やプロ野球屈指の名手となった源田の後継者として、にわかに彼の存在がクローズアップされてきている。


走塁面:
☆☆☆★ 3.5

 一塁までの塁間は、左打席から4.1~3.9秒 ぐらいとまずまず。普段もバットを短く持って、ゴロの打球も少なくない。プロで足を売りにするほどかと言われると微妙だが、純粋なスピード能力は 中の上 ~ 上の下 ぐらいはありそうだ。走塁への意識も低い選手ではないので、自分をアピールするためにも積極的に走力を全面に出して来る可能性が考えられる。

守備面:
☆☆☆☆★ 4.5

 非常に細かい動きとスピード感がある選手で、球際でのバウンドの合わせ方なども上手い。守備範囲も広いが、地肩はドラフト候補としては平均的ぐらいでは? 最近のプロのショートしてはやや出力不足にも思えなくはないが、即チームに入っても1,2番に上手い遊撃手に数えられそうだ。こと守備に関しては、今すぐ一軍混ぜても通用するだろう。上手くプロに順応して行ければ、名手と呼ばれる存在になる資質は充分ありそうだ。


(打撃内容)

 コツコツと当てて、足で揺さぶって来るタイプです。ただし、引っ張って巻き込んだ時には二塁打・三塁打の長打は期待できます。大学時代は、リーグ通算122安打の実績があり、けして打力がない選手ではないのかもしれません。

<構え> 
☆☆☆☆ 4.0

 前の足をしっかり引いた左オープンスタンスで、グリップを高めにバットを投手に向けて構えます。腰の据わり具合、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスはまずまず。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下がり始めるときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。早めに動き出すことで、いろいろな球に対応しようとする、アベレージヒッターに多く見られる始動のタイミングです。

<足の運び> 
☆☆☆☆ 4.0

 足を引き上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は取れており、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。真っ直ぐ踏みだすように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。踏み出した足元は、インパクトの際に止まってブレません。そのため逃げてゆく球や、低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> 
☆☆☆☆ 4.0

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めています。バットの振り出しも、上からミートポイントまで振り下ろして来るインサイドアウトにスイング軌道。バットのしなりを生かしたスイングではないので、プロレベルの球威・球速に対しては少々打ち返せるのかは心配な部分はあります。

 またインパクトの際には、バットの先端であるヘッドを利かして低めの球を拾うのも上手いです。それでも、小力のある打球も見られるし、当て勘自体は悪くないように感じます。

<軸> 
☆☆☆☆ 4.0

 足の上げ下げも静かで、目線の上下動は小さめ。身体の開きも我慢でき、軸足にも粘り強さが感じられます。

(打撃のまとめ)

 技術的には完成されており、あとはプロのスピード・球威に慣れることかと。インサイドアウトにバットが出てくる無駄のないスイング故に、外の球をバットのしなりを活かして飛ばすといったスイングではないことが、プロの球威・球速のある外角球を、キッチリ飛ばすことができるのかは気になります。この点で苦労しなければ、技術や当てる能力はあるので大丈夫だとは思うのですが。


(最後に)

 守備に関しては、間違いなく即戦力級だと言えます。走力や打撃技術はあるので、そのへんはプロでいかに磨かれるかではないのでしょうか。一軍で通用するだけのスイングを身につけられるかかが鍵だとは思いますが、今年のようにプロでショートを任されそうな人材が乏しい年ならば、高い評価でプロ入りする可能性があります。その稀少価値からいっても、中位(3位~5位)ぐらいは期待しても良いのではないかと考えています。


蔵の評価:
☆☆ (中位指名級)


(2021年 日本選手権)