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速水 将大(ロッテ)内野手のルーキー回顧へ







 速水 将大(21歳・BC富山)内野 174/67 右/右 (日本ウェルネス筑北-至学館短大出身)





「ちょっと渡辺直人」 





 速水 将大 のプレーを観ていると、楽天などで長く活躍した 渡辺 直人 を彷彿させる。球団は、守備や走塁を高く評価しての指名だということだが、個人的には打撃が一番違和感なく入って行けるのではないかとみている。


走塁面:☆☆☆★ 3.5

 一塁までの塁間を、右打席から4.15秒前後で駆け抜けられる脚力があります。これを左打者に換算すれば、3.9秒前後に相当しますから、プロでも上位クラスの脚力の持ち主だということになります。しかし、BCリーグでは 55試合で4盗塁 程度と思ったほど盗塁を試みてきません。走力自体はプロに混ぜても上位ですが、盗塁技術に関しては、プロに入ってからということでしょうか?

守備面:☆☆☆ 3.0

 キャッチングまでの動きは、なかなか良いものがあります。バウンドへの合わせ方・反応・グラブさばきなど、プロでもニ遊間で勝負してゆくタイプなのでしょう。ただし、スローイングの形が悪いので送球が乱れることが多い。ここを修正できないと、ショートあたりの長い距離の送球には不安が残ります。現時点では、送球距離の短いセカンド向きの選手ではないかとみます。





(打撃内容)

 基本的にはじき返すタイプの打者で、長打はあまり期待できません。今年のシーズン成績は、55試合 2本 12点 打率.283厘 といった内容でした。ただし、引っ張った時の打球は強烈です。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 前の足を軽く引いて、グリップを高めに添える強打者スタイル。背筋を伸ばし、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスも取れた良い構え。集中力を感じさせる一方で、適度なリラックスもできているところに好感が持てます。

<仕掛け> 平均的

 投手の重心が沈みきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。この仕掛けは、ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた、中距離打者や勝負強さを売りにするポイントゲッターに多く観られる始動のタイミングです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を上げて回し込み、少しベース側に踏み込んできます。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。ベース側に軽くインステップして来るように、少し外角寄りに意識があるのかもしれません。踏み込んだ前の足はしっかり止まっており、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作る時に、バットが引くのが遅れがちで立ち遅れないか気になります。バットの振り出しも、それほど内から出てくる感じではないので、インステップも相まって内角はどうかな?と思っていました。しかし、この点は、肘をしっかりたたんで、思いっきり引っ張れていたのであまり心配ないかと。

 それでも外角の球を捉えるまでには、少し遠回りに出てくる感じ。インパクトの頃には、しっかりヘッドが立って来るので、そこまでドアスイングにはなっていないのですが。それほど長打がない選手でひ弱なのかと思いきや、結構強くバットは振れる選手です。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはそれなりですが、目線が大きく動くというほどではありません。身体の「開き」も我慢できていますし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定しています。軸を起点に回転できているタイプで、好不調の波は比較的少ないのではないかと。

(打撃のまとめ)

 ボールを捉えることに特別なものは感じられませんでしたが、内角はうまくバットが抜けてきますし、スイング自体にも強さは感じられます。打撃が売りの選手ではないのですが、それなりに卒なくこなせる能力はあるとみました。あとは、プロの投手の球に慣れることかと。


(最後に)

 走力の能力自体はありますが、まだ盗塁技術はこれから。守備も動きは良いのですが、送球に不安を残します。そういった意味では、打撃が一番違和感なくプロに入って行けるかもしれません。しっかりニ遊間を守れたり走ったりできて、打撃もそこそこの水準まで引き上げられるようになれれば、一軍も見えてくるでしょう。残念ながら現時点では、 を付けるというまでのインパクトはなかったものの数年後がどうなっているのか気になる選手です。


(2021年 BCリーグ戦)