21ky-9
前田 銀治(三島南3年)中堅 182/98 右/右 | |
選抜大会では、21世紀枠の選手の中に掘り出しものがいるなと実感させられた 前田 銀治 。しかし、その後は、東海地区においてバリバリのドラフト候補としてスカウト達から注目される存在になっていた。その結果ドラフト会議では、高校生外野手としては高い3位とい順位で楽天に指名されている。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの駆け抜けタイムは、右打席から4.45秒前後。これを左打者換算にすると、4.2秒前後と、ドラフト指名選手としては 中の下 ぐらいになる。ただし、夏の静岡大会を観ていると、隙きあらば積極的に盗塁を試みるなど、走力はもう少し速いタイムを出していても不思議ではない。ただし、プロで足を売りにして行けるほどかと言われると微妙な気はしている。 守備面:☆☆☆ 3.0 打球への反応や落下点までの入りに、キャッチングなどに大きな狂いはない。地肩は投手としても140キロ前後出せるものがあり、実際肩は 中の上~上の下 ぐらいの強さはありそうに見えた。ただし、あまりスローイングの形も良くなく、制球という意味ではもうひとつとの印象だったが。 走力や地肩などの身体能力はありそうだが、盗塁技術や送球技術には課題があり、プロではかなり徹底的に鍛えられないと厳しいだろうといった印象も。ただし、非常に攻撃なプレースタイル選手で、前向きにこれらにも取り組んでくれれば上手くなれるかもしれない。プロで守備が上手くなる選手は、器用さやセンスよりもミスしても尾を引かない性格的なもののが大きいとみている。そういった意味では、この選手はそういったことがプラスに働くタイプではないかとはみている。 (打撃内容) <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を引いて、カカトを浮かして構えています。グリップは下げ気味に添えて、腰の据わり具合・全体のバランスも悪く有りません。両眼でしっかり前を見据えられており、選抜の時のような少しクロス気味に構えていた時よりは、良いのではないかと感じました。 <仕掛け> 早め 投手の重心が下がり始めるときに動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多く観られる始動のタイミングです。この部分は、選抜の時と変わっていませんでした。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を上げて回し込み、少しアウトステップ気味に踏み出してきます。始動~着地までの「間」が取れているので、速球でも変化球でもスピードの変化には対応しやすい。また選抜の時は真っ直ぐ踏み出していたのを、軽くアウトステップするようになりました。内角への意識が強くなったというよりも、ステップが狭めだったのが少し距離が取れて余裕が持てるようになったのは良いところ。 逆に、踏み込んだ足元が早く地面から離れるようになっていたのは気になりました。選抜の時は、なんとか足元が動かず我慢できていたので、夏は気持ちが勝って上半身だけで振りに行き、下半身が支えきれずアンバランスだったのが伺えます。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めているところは良いところ。少しバットが遠回りに出てくるところは相変わらずですが、インパクトの際にヘッドはそれほど下がっておらず、ポイントは後ろですがフェアゾーンに打球は飛びやすいのでは? 春より良くなったのは、スイングの弧が大きく取れるようになり、フォロースルーも使えて右方向への打球が伸びるようになったのかと。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げは小さく、目線の上下動は少なめ。身体の開きが我慢できなくなっているのは春よりマイナス材料ですが、軸足が地面から真っ直ぐ伸びて軸回転ではスイングできています。特に軸足の内モモの筋肉が発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっています。 (打撃のまとめ) 選抜から、かなりスイングはいろいろ変えていたように思えます。それが彼に合っているかは別にして、そういったことをしようという姿勢は評価できます。打席に入る時は、まだ足場を軽く掘るぐらいであり、それほど強いこだわりがあるようには感じられませんでしたが。それでも全体的には、良い方向で改善されていたのは好感でした。 (最後に) 守備でも走塁でも打撃でも、まだまだあまり教わっていないことが多いのではといった気がします。それだけ伸び代を多く残されているという魅力もありますし、本格的な野球環境への順応に苦労するかもしれません。ただし、ポジティブの性格のようなので、そういったものだと教われば、それをこなして行ける能力はあるかもしれません。こればかりは、入れてみないとどんな化学反応を起こすのか想像もできません。春は身体のキレの無さが気になりましたが、今回ポテンシャルの高さを買って、☆ を付けようと思いました。同じ静岡の 紅林 弘太郎(オリックス)も、内外野の違いこそあれ、こんな感じだったのでプロ入り後に大いに伸びるかもしれませんね。 蔵の評価:☆ (下位指名級) (2021年夏 静岡大会) |
前田 銀治(三島南3年)中堅 180/90 右/右 | |
事前に良くしらない選手でしたが、ドラフト候補としてマークできる野手に浮上してきたのではないかと思われる 前田 銀治 。言い方は失礼になってしまうが、まさに掘り出しものといった感じの選手だった。 走塁面:☆☆☆ 3.0 一塁までの駆け抜けタイムは、右打席から4.45秒前後。これを左打者に換算すると、4.20秒前後に相当するので、プロの打者としてはやや物足りない。また三塁打の到達タイムは、11.75秒前後と、このタイムもさほど速いとは言えない(11秒台前半ならばまずまず)。この試合でも、積極的に盗塁を試みるも失敗。しかし秋の成績をみると、34試合で22盗塁を決めている。その走力以上に、攻撃的な走塁をする選手なのではないのだろうか。ただし、上のレベルで足を売りにできるかと言われれば疑問は残るのだが。 守備面:☆☆☆★ 3.5 選抜では彼のところに多くの打球が飛んでいたが、難しい打球は殆どなかった。そのため細かい部分まではよくわからなかったが、打球への目測には大きな狂いはなく、キャッチングにも破綻は無さそう。また、次のプレーを想定した捕球もできていた。投手としてもマウンドに上がり135キロ級のボールは投げられており、実際の送球も 中の上 ぐらいの勢いと強さは感じれた。 (打撃内容) 右の強打者といった雰囲気のある打者で、ライトフェンス直撃のスリーベースを放ったかと思えば、三遊間を破るヒットを放つなど広角に打ち返す強打者だった。 <構え> ☆☆☆ 3.0 前の足を少しだけ引いて、カカトを浮かして構えている。グリップは少し下げ気味で、幾分捕手側に引きがち。腰の据わりは悪くないが、幾分クロス気味に肩が入りがちなので、両眼で前を見据えるという意味ではどうだろうか? それでも見事な体格の選手であり、打席では雰囲気を感じさせる。 <仕掛け> 早め 投手の重心が沈む時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。長打よりも、対応力を重視した打者だというのが伝わってくる。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を上げて回し込み、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの時間はあるものの、幾分ステップの狭めのせいか? 始動が早い割には「間」は上手く取れていないようにも見える。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。 踏み込んだ前の足は、インパクトの際にもブレずなんとか我慢。そのため逃げてゆく球や、高めに球にも食らいつくことができるのではないのだろうか。ただし上記で記したように、ステップが狭めなので元来は引っ張る打撃を得意としているのかもしれない。打球は右方向に苦になく飛ばすことはできるものの、若干上半身が勝ったスイングをする選手との印象を受けた。 <リストワーク> ☆☆☆ 3.0 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めているところは良いところ。しかし、バッとの振り出しは少し遠回りに出てくるので、インパクトまでのロスは感じられる。それでも、バッとの先端であるヘッドは下がらないので、フェアゾーンにボールが飛びやすく打ち損じは少ないタイプかと。 それほどスイングの弧が大きいとか、フォロースルーを生かしてボールを遠くに運ぶようなスイングではない。それでも右方向への打球が伸びるので、悪くはないのだが。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げ静かで、目線の上下動は激しくない。身体の開きもなんとか我慢できているが、ステップが狭いせいか?足元が少し窮屈に感じられる。その証として、スイングの際に軸足の位置を後ろにズラしてから打っており、スイングをするためのスペースが充分に確保できていないことを現している。 (打撃のまとめ) ボールを捉えるセンス自体は悪くないと思うが、遠回りに出てくるスイング軌道と足元の窮屈さが気になる部分ではある。この辺を改善してゆかないと、上のレベルでは打てる球が限られてしまって、内角のさばきを中心に苦労するのではないのだろうか? (最後に) 確かにパワフルで雰囲気のある右の強打者ではあるのだが、全体的に キレに欠ける 点が気になった。本人の志望がわからないのでなんとも言えないが、育成枠あたりならば興味を示す球団は出てくるかもしれない。ただし個人的には、夏までによほどそのへんが変わって来ないと、☆ を付けるまでの魅力には欠けるかなといった印象で、大学などで技量を高めてからでも遅くはないのではないかとみている。それでも貴重な強打者候補なので、夏までは追いかけて見極めて行きたい。 蔵の評価:追跡級! (2021年 選抜大会) |