21ky-6
福本 綺羅(21歳・東海理化)外野 178/90 左/左 (明石商出身) | |
明石商時代から注目されてきた 福本 綺羅 。高校卒業後は、社会人・東海理化に進んだ。2年目の昨年は、都市対抗で5割の打率を残し、新人賞にあたる「若獅子賞」を獲得。再びプロ解禁となった今年は、春先の東京スポニチ大会から打ちまくって存在感を示している。 走塁面:☆☆☆★ 3.5 一塁までの塁間は、左打席から4.0秒前後とまずまず。昨年は公式戦で1盗塁しか記録していなかったが、4月の上旬の時点で4盗塁を記録。走塁への意欲も、かなり変わってきている。プロで足を売りにできるほどかは微妙だが、水準以上の脚力があるのは間違いない。 守備面:☆☆☆★ 3.5 打球への反応や落下点までの入りをみると余裕があり、守備はそれなりといった感じがする。小さなモーションから強い送球ができる選手で、地肩自体はかなり強そう。高校時代は、投手として140キロ台のボールを投げており、その辺も評価して良いポイントではないのだろうか。 守備も足もプロで売りにできるほどかは微妙だが、純粋な走力や地肩は水準以上のものを持っている。そういった身体能力の高さは、昨年の 度会 隆輝(ENEOS-DeNA1位)と比べても、ワンランク上のように思える。 (打撃内容) 高校時代に寸評した時には(下記にあります)、引っ張り中心の打者といった印象でした。しかし今は、広角にどの方向にも鋭くはじき返すタイプのように思います。1学年上でプロ入りした 、来田涼斗(オリックス)外野手ほど長打力はないように見えますが、根本的なミート力では上をゆくのではないかと思います。 <構え> ☆☆☆☆ 4.0 前の足を軽く引いて、グリップを高めに添えます。腰の据わりもよく、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスも悪く有りません。昨年の方が、グッと腰を深く沈めている感じでしたが、少し今はオーソドックスな形に緩和しました。 <仕掛け> 遅め 投手の重心が下がりきって、前に移動する段階で動き出す「遅めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、ボールできるだけ引き付けて叩くので、生粋のスラッガーや天性の2番打者に多く観られる始動のタイミングです。彼の場合は、2番タイプなのかもしれません。 <足の運び> ☆☆☆★ 3.5 足を地面からあまり浮かせず、回し込むようにして少しベースから離れたアウトステップしてきます。始動~着地までの「間」は短めなので、あらかじめ狙い球を絞って、その球を逃さないことがもとめられます。アウトステップするように、内角への意識が強いタイプなのではないのでしょうか。 踏み込んだ前の足も、しっかり止まってブレません。したがって、逃げてゆく球や低めの球にも食らいつくことができます。 <リストワーク> ☆☆☆☆ 4.0 打撃の準備である「トップ」の形の自然体で、力みなくボールを呼び込めている。そのためリストワークが柔らかく使える反面、バット引くのが遅れないように注意したい。 バットの振り出しは、けしてインサイドアウトではないものの、外の球をさばくのにはロスは感じられません。それでいて、内の球を苦にしている感じもないです。バットの先端のヘッドが下がらないので、広い面でボールを捉えられている。それだけボールが、フェアゾーンに飛びやすい。 スイングの弧はそれほど大きいとか、フォロースルーを使ってボールを遠くに運びというよりも、力強く振り切る感じで打球がさほど上がるタイプではないように思える。鋭い打球が、野手の間を抜けてゆくタイプなのだろう。 <軸> ☆☆☆☆ 4.0 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は少なめ。体の開きも我慢できているし、軸足も地面から真っ直ぐ伸びて安定している。比較的、調子の波も少ないタイプではないのだろうか。また、軸足の内モモの筋肉も発達していて、強烈な打球を生み出す原動力になっている。 (打撃のまとめ) 長打を連発するようなタイプではないと思うが、柔らかさを活かしたミート力と、思いっきりの良さを活かした力強さを兼ね備えている。それでいて、守備や走力も適度にバランスのとれたプレーヤーだと言えよう。 (最後に) 度会 隆輝 よりも、守備や走塁面でのアピール度は高いような気がする。その一方で、彼や先輩の来田選手ほど、長打力の魅力は薄い印象を持っている。高卒3年目でも社会人では目立つ存在であり、今年度のプロ入りも現実味を帯びてきているのではないのだろうか。 蔵の評価:☆☆ (中位指名級) (2024年 東京スポニチ大会) |
福本 綺羅(明石商2年)一塁&外野 178/83 左/左 | |
夏の甲子園交流戦では、2年生ながら4番打者として出場していた 福本 綺羅 。今年のドラフト候補として、注目される好打者の一人ではないのだろうか。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、左打席から4.05~4.10秒ぐらいと、平均からやや速いぐらいか。その走力以上に、あまり積極的に足を使ってくるタイプではないのではないかというイメージがある。その辺、最終学年でどのような変化があるのか注視してみたい。 また甲子園では一塁を守っていたが、元々は外野手。また秋の大会でも中堅を守っていた。どのような理由から一塁を守っていたかはわからないが、何やら急造だったのか? おっかなビックリ守っていた印象。けして動きが悪い選手ではないので、慣れの問題だとは思うのだが。また投手としても140キロ台を記録するようなサウスポーらしいので、地肩もかなり強いのは確かなのだろう。中堅手として、どのレベルの守備力かは確認できていない。 守備・走力に関しては、イマイチわからない部分が多い。それだけに、今後しっかりチェックできればと思っている。またこの選手の場合は、この部分のレベルが、指名に大きく左右される部分ではないのだろうか。 (打撃内容) 柔らかいリストワークを活かした好打者だが、打球は引っ張ることが多く打球の幅は広くはない。けして長打で魅了するタイプではないので、レフト方向への打球などが打てるかなど、そういった部分に注目して今後は観てみたい。 <構え> ☆☆☆★ 3.5 前の足を少しだけ引いているが、ほぼスクエアスタンス。腰の据わり具合・全体のバランスなどには優れ、両眼で前を見据える姿勢は並ぐらい。全体的には、適度にバランスの取れた構えとなっている。 <仕掛け> 遅すぎ ベース側につま先立ちして、本格的に動き出すのはリリーフ直前という「遅すぎる仕掛け」を採用。ボールを極端に手元まで引きつけて叩く打撃なので、打てるポイントは限られている。通常日本人の筋力やヘッドスピードを考えると、プロレベルの投手の球を木製バットで打ち返すのは、かなり厳しいと言わざるえない。 <足の運び> ☆☆☆ 3.0 足を小さく浮かし、真っ直ぐ踏み出してきます。始動~着地までの「間」は短く、狙い球を絞り逃さないことがより求められます。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプ。インパクトの際には、足元がブレないので低めの球や逃げてゆく球にも対応できます。 ただし、内角の球をさばく場合、前の足がしっかり止まってしまうと窮屈になりがちです。特に彼の場合は、インサイドアウトのスイング軌道ではないので、ある程度ボールとバットとの距離・空間がないと、内角寄りの球をさばけない傾向にあります。その割に、打球は引っ張ることが多いのは気になります。 <リストワーク> ☆☆☆★ 3.5 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力み無くボールを呼び込めるところは良いところ。バッとの振り出しは、けしてインサイドアウトに出てくるわけではありません。そのぶん内角のさばきは窮屈にはなりがちですが、外角の球をロス無く振り下ろすことはできています。ある程度バットのしなりも活かせるので、木製バットでもボールをはじきかえせるスイングにはなっています。 <軸> ☆☆☆★ 3.5 足の上げ下げが小さいので、目線の上下動は小さく目線が安定している。身体の開きも我慢できいるが、足元のさばきはやや窮屈。それでも軸足の内モモの筋力は発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっている。 (打撃のまとめ) 現状は、そんなに打球が上がるというよりも強烈な打球で野手の間を抜けてゆくタイプか? 柔らかいバッティングをする割に、打球は引っ張り中心で幅が狭い。そういった部分を、この一年でいかに改善して行けるか? それだけに、よほど守備力や走力などでアドバンテージがないと、高校からのプロ入りは厳しいのではないかという思いはある。非凡な部分とそうじゃない部分が同居している選手で、どう転ぶかは読みづらい。しかし持っているポテンシャルは感じるので、春季大会でどうなっているのか確認してみたい一人ではないのだろうか。 (2020年 甲子園交流戦) |