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有薗 直輝(日ハム)内野手のルーキー回顧へ







 有園 直輝(千葉学芸3年)三塁 185/97 右/右 





「一番失敗しなそう」 





 今年の高校生スラッガーの中でも、最も失敗するイメージが沸かないのが、この 有園 直輝 。春季千葉大会、春季関東大会、夏の千葉大会と観て、大物に育つかはわからないが、大きく失敗するイメージがわかない選手だった。その理由について、考えてみた。


走塁面:☆☆★ 2.5

 一塁までの到達タイムは、春季関東大会の時と同様に、夏の大会でも右打席から 4.55秒前後だった。これを左打者に換算すると、4.3秒前後に相当する。このタイムだけ観ていると、この選手は走力で勝負するタイプではないことがわかる。確かに走っている姿も速そうには見えないが、最後まで勢いを緩めないで駆け抜ける姿には好感が持てる。また、次の塁を陥れようという姿勢も忘れないだけに、走力に以上に走塁意欲は高いとみた。

守備面:☆☆☆★ 3.5

 打球への一歩目の反応も良く、広い守備範囲を誇ります。グラブさばきも良いですし、投手としても140キロ台を連発する肩も送球を見ているとその強さが伝わってきます。ポカも最初の方はいろいろしそうですが、ゆくゆくはかなり上手い部類の三塁手になれる資質はあるのではないのでしょうか。性格的にも前向きですし、サード向きな選手だとみています。


(打撃内容)

 3年夏の千葉大会では、3試合で 8打数4安打 3打点 1盗塁 打率.500厘 でした。そのうち夏の大会では、2試合ほどチェックできました。パワフルな強打者ですが、右に左へと強い打球を飛ばします。夏の唯一の長打であった三塁打は、右中間を破る当たりでした。

<構え> ☆☆☆☆ 4.0

 前の足を軽く引いて、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスなど良いです。打席でも、適度な緊張感を保ちながら、比較的リラックスして立てているのではないかと。春は、もう少しクロス気味に立っていたような記憶があります。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る時に動き出す、「早めの仕掛け」を採用。この仕掛けは、対応力を重視したアベレージヒッターに多くみられる仕掛けです。

<足の運び> ☆☆☆★ 3.5

 足を大きく引き上げて、幾分ベースから離れた方向に踏み出すアウトステップを採用。始動~着地までの「間」は取れているので、速球でも変化球でのスピードの変化には対応しやすいのでは。また、アウトステップ気味なので、内角への意識が若干強いように思われます。

 踏み込んだ前の足は、地面から離れるのが比較的早いタイプ。それだけ元来は、引っ張って巻き込むのを好むタイプなのでしょう。そのため逃げてゆく球や低めの球には強いタイプではないものの、甘めの外角球や高めの球ならば右方向に払うように打ち返すことができます。

<リストワーク> ☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めるところは良いところ。ただし、ボールを呼び込む時にグリップが上に引き上げる、ヒッチの動作が見られます。これが早めに行われてればよいのですが、動作の一環で行われていると修正には苦労するかもしれません。

 バットの振り出し自体は、高く引き上げたグリップから振り下ろす感じでスイングしてきます。そのためインサイドアウトのスイング軌道になりやすく、真ん中~内角の球を引っ張るのには適しています。実際に内角寄りの球は、肘を上手くたたんでさばくのは上手いです。

 その一方で、外角の球に対し、腕力と金属バットの反発力で打ち返している部分もあります。その点で、木製バットの適応には少し時間がかかるかもという不安はよぎります。それでも、スイングの弧を大きめにとり、しっかり振り切っています。また、インパクトの際にもヘッドは下がっていないので、打ち損じの少ないスイングではないのでしょうか。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは大きい割に、目線が動いていないところは非凡なところ。体の開きは早い部分はあるのですが、軸足は地面から真っ直ぐ伸びてキレイに軸回転できています。また、軸足の内のモモの筋肉は発達しており、強烈な打球を生み出す原動力になっています。

(打撃のまとめ)

基本的にスイングの形は、春から殆ど変わっていませんでした。ヒッチする癖があるのと、足元が充分止まっていないので、逃げてゆく球や低めの球に対する対応は気になるところ。また、バットのしなりを活かすスイングではないので、木製バットへの対応には少し時間がかかるのではないかという懸念はあります。


(最後に)

 ただし、この選手、典型的な強打者らしい、イケイケのマインドはプロ向きです。けして雑なところもありませんし、力を出し惜しむことがないところにも好感が持てます。春季大会で見た時には、牽制で刺されてしまったような記憶があります。そういったポカは結構多そうなタイプですが、それでも憎めない愛されるキャラになるのではないのでしょうか。

 欠点に目をつぶってでも、ぜひチームに加えてみたいと思わせてくれるタイプ。そういった意味では、彼が今後どのように育ってゆくのか気になります。守備での不安がないこと、強打者らしいイケイケの性格などを見ていると、モノにならないとは考え難い選手だと思います。もし駄目だとすると、技術的な欠点が致命的になった時なのではないのでしょうか。春よりもワンランク、その評価を高めて最終評価にしたいと考えます。


蔵の評価:☆☆☆ (上位指名級)


(2021年 千葉大会)



 








 有園 直輝(千葉学芸3年)三塁 184/91 右/右





「評価は別れそうだけれども」 





 かなり癖のある打撃をする 有園 直輝 。関東屈指のハードパンチャーとして、注目度は高い。しかし、球団によってその評価は、大きく別れそうなタイプであるように思える。その理由について、今回は考えてみたい。


走塁面:☆☆★ 2.5

 一塁までの駆け抜けタイムは、速い時でも右打席から4.55秒前後。左打者換算でも、4.3秒前後とかなり遅い。実際観ていてもスピード感はないのだが、討ち取られたような当たりでも最後まで手を抜かず走る姿勢には好感が持てる。また次の塁を狙う姿勢を持っており、その走力以上に実戦的な走力がある。

 下級生の頃は外野手だったが、今春サードとして出場。打球への反応も良く、攻撃的なプレースタイル故にサード向きな性格ではないのだろうか。さらに、投手としても140キロ台を連発できる強肩の持ち主。時々ポカはやりそうなタイプではあるが、プロで鍛えれば充分サードとして勝負できそうだ。「右打ちの強打の三塁手」というアピールポイントがあり、プロとしてはぜひ欲しいと思わせてくれる条件が揃っている。


(打撃内容)

 逆方向にも飛ばせるという話も訊きますが、基本的に引っ張りを好むプルヒッターだと考えています。内角の厳しい球でも、実に上手くさばいてスタンドインできる技術は、天性のものかもしれません。

<構え> ☆☆☆ 3.0

 少し前の足をベース側に置く、クロス気味な立ち方です。グリップを下げ気味に構えるのですが、全体的に身体を動かして揺らぐなどの動作がないので、少し受け身に感じられます。腰の据わり具合は浅く、両眼で前を見据える姿勢や全体のバランスとしても平凡。打席でリラックスを心がけるのは良いのですが、今のところ構えに特別なものは感じません。

<仕掛け> 早め

 投手の重心が下る前から下がり始めるぐらいから動き出す、「早めの仕掛け」を採用。仕掛けの観点で言えば、対応力を重視したアベレージヒッターに多く観られる始動のタイミングです。腕っぷしと金属バットの恩恵もあり、元来は強烈な球足で野手の間を抜けてゆくタイプなのかもしれません。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 足を大きく引き上げて、ベース側に踏み出すインステップを採用。始動~着地までの「間」はしっかり取れていて、速球でも変化球でもスピードの変化には幅広く対応できます。ベース側に踏み出すように外角への意識が強いスタイルで、内角が窮屈に見えます。しかしそれでも内角を上手くさばけるので、外角の球でも引っ張ってやろうという意識を重視しているのでは?

 踏み出した前の足が、地面から早く離れるタイプ。そのため、逃げてゆく球や低めの球には、あまり強くないと考えられます。外角でもさばけるのは、引っ張り込めるぐらいの甘めの外角球や大きく払うように飛ばせる高めの球ではないかと思います。そのへんのスタイルは、下級生の時から変わっていません。また右打者には珍しく、早めに前の足に体重を移して壁を作って打つ前さばきの打ち方であり、この辺が体重移動の観点で右打者の場合ありなのか? 意見が別れるのではないかと。なかなかこうなると、引っ張るのは良いのですが、引きつけて右方向への打撃などができるのか気になります。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」を作るのは遅くないものの、ボールを呼び込む時にグリップをクイッと引き上げるヒッチする癖があるので、その辺を気にする人も多いのでは? 特に今の時代は、手元で微妙な変化をする球も多いのでタイミングが狂いやすいのではないかという心配もあります。

 肘を落としてボールを打ちに行くので、遠回りにバットが出てきそう。その辺はインパクトの際にヘッド下げず、高速で振り抜くことでロスを防げています。そのため甘く引っ張り込める球には、思いっきって振り抜くことができています。腕っぷしの強さだけでなく、>スイングの前も大きく、しっかり捉えた打球は遠くまで飛ばすことができます。

<軸> ☆☆☆ 3.0

 足の上げ下げが大きい割に、目線の上下動はけして大きくはありません。身体の開きは我慢できないのですが、軸足を起点に回転するのは上手いです。軸足の内モモの強さが感じられ、強烈な打球を生み出す原動力になっています。

(打撃のまとめ)

右打者には珍しく、前の足に体重を預けて壁を作って振ってくる特殊なスイング。さらに、ボールを呼び込み方は良いと思うのですが、ヒッチするのが気になる人は気になるのではないかと。引っ張って巻き込むスイングが見事な一方で、引きつけて右方向への打撃ができるのか?といった疑問は残ります。ようは、打てる球は打てるけれど、打てない球はとことん打てないのではないかと危惧するわけです。その辺を、各球団がどう見るのか気になるところではあります。


(最後に)

 強打者でありながら、三塁の動きと肩に優れます。また前向きなプレースタイルに加え、打席に入る時にも足場をしっかり作ってから入るなど、打撃へのこだわりが感じられます。しかし、癖のあるスイング故に評価は別れる素材ではないのでしょうか。それでも「強打の右の三塁手」という稀少価値からも、評価する球団は高く評価する可能性はありそうです。夏の大会のアピール次第では、上位指名もあるかもしれません。


蔵の評価:☆☆ (中位指名級)


(2021年 関東大会)



 









有園 直輝(千葉学芸2年)右翼 183/89 右/右 
 




 「腕っぷしが強い」





 パワフルな打撃をみていると、技術で運んでいるというよりも、上半身の強さで飛ばしている印象を受ける 有園 直輝 。2021年度の、関東を代表する強打者として位置づけられている。


(守備・走塁面)

 一塁までの到達タイムは、一年時に計測したもので右打席から 4.55秒前後。左打者換算で、4.3秒ぐらいと走力はさほど期待できない。ただしベースランニングでは、一生懸命は走る選手なので極端に足を引っ張ることは無さそうだ。

 確認したこの夏の市立船橋戦では、フライを処理する場面は今年は観られず。一年夏の時には、可も不可もなしといった感じの左翼手だった。しかしその代わりこの夏は、ライトからの返球を見る機会が多く、かなり肩は強そうだということ。投手としても143キロを投げ込む地肩があるそうで、送球に関してはプロでも充分勝負できるのではないのだろうか。

 新チーム以後三塁にコンバートされたそうで、ちょっとボールをさばいている映像をみたが、これまた可も不可もなしといった感じで、もう少し観てみないと良くわからない。現時点で言えるのは、肩はかなり強そうだということ。


(打撃内容)

 一年夏の魅せた鮮烈な内容ではなかったが、センターに大きな飛球を放ったり、外角低めの難しい球をレフト線に落とすなど、強打者の片鱗は魅せてくれた。また、一年夏の大会では、内角の球を全く開かずにレフトスタンドに叩き込んだ打球は圧巻だった。

<構え> ☆☆☆ 3.0

 両足を揃えたスクエアスタンスで、グリップの高さは平均的。腰の据わり、両眼で前を見据える姿勢、全体のバランスと、平均的な構えではないのだろうか。特に打席で威圧感を感じるということはなかったが、力んでいるという印象も感じなかった。

<仕掛け> 平均

 投手の重臣が下がりきったあたりで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性と長打力を兼ね備えた中距離打者やポイントゲッターに多く観られる仕掛けです。

<足の運び> ☆☆☆ 3.0

 足を引き上げて、真っ直ぐ踏み出してきます。昨年に比べると、足の引き上げを少し小さくしたのかなといった感じです。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でのスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプかと。

 踏み込んだ前の足は、地面から離れるのが早いタイプ。それだけ引っ張って巻き込みたい打者であり、逆に言えば外に逃げてゆく球や低めの球はあまり得意ではないのでは? 外角でもさばけるのは、引っ張り込めるぐらいの甘めの外角球や大きく払うように飛ばせる高めの球ではないかと思います。昨年と比べても、その辺りは変わっていないようには感じました。

<リストワーク> ☆☆☆ 3.0

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは自然体で、力みなくボールを呼び込めているところは好いところ。気になるのは、かなりボールを呼び込む際にグリップが上にヒッチする癖があること。これにより、速い球にふり遅れやすいのではないかと。そういった意味では、一定レベル以上の球速のある投手にどう対応するのかは気になる部分。

 バッとの振り出しには癖がなく、インパクトまで大きなロスは感じられない。インパクトの際にも、バッとの先端であるヘッドも下がらないので、広い面でボールを捉えられる。それでいてボールの下側を捉えるのが上手く、打球に適度に角度を付けることができている。

 昨年のフォームの方が、スイングの弧が大きくフォロースルーも使えていた印象があり、ボールを上手く運んでいた感じもするがどうだろうか? そういった腕っぷしの強さに頼ったスイングになりがちなので、木製バットを握った時にどうなのだろう?という不安はよぎる。

<軸> ☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げはあるものの、目線の上下動は小さめ。踏み込んだ足が早く地面から離れるために、引っ張って巻き込める球はいいが、そうじゃない球は苦しいのかな?という印象は受ける。非凡なのは、軸足が地面から真っ直ぐ伸びて軸回転でスイングできていること。そして、軸足の内モモの筋肉が凄く発達していて、強烈な打球を生み出す原動力になっている。

(打撃のまとめ)

 この選手の良さは、スイング軌道に癖がなくインパクトまでロス無くボールを捉えられること。そのため、内角の球も実にキレイに振り抜ける。一方で課題は、踏み出した足が地面から早く離れてしまうために、センターから右方向への打撃が現時点ではできないと言う部分。引っ張れる球は全然良いのだが、そうじゃない球に対しての見極めや対応がカギになるのではないのだろうか。あとは、軸が非常にしっかりしている点をあげておきたい。


(最後に)

 内角のさばきと、軸足を起点に回転できるスイングは非凡です。そのため、引っ張って巻き込むことに関しては、非常に良いものを持っているのではないのでしょうか。あとは、三塁など守備で無難レベルに留められ、自慢の長打力をアピールできれば、高校からのプロ入りも意識できる素材。長所を伸ばしつつ、短所が致命的にならないようにできるのか? 最終学年での取り組みが注目される。


(2020年夏 千葉大会)









有薗 直輝(千葉学芸1年)左翼 183/86 右/右 





「2年生だと思ってた」 





 昨夏の千葉大会で、140キロ右腕である 綾部 郁海(我孫子3年)を相手に長打を連発していた 有薗 直輝 。今年のドラフト候補かと思っていたが、来年の候補だと知って驚いた。すでに千葉を代表する強打者の一人として、これから注目されてゆく存在になるだろう。


(守備・走塁面)

 新チームからは三塁を守っているようだが、1年夏の千葉大会では左翼を守っていた。走力に関しては、右打席から4.55秒前後。左打者に換算すると、4.3秒前後に相当する。このタイムは、ドラフト候補としては 遅い部類になってしまう。

 また左翼の守備は可も不可もなしといった感じで、思ったほど悪くはなかった。三塁を任されるということからも、地肩自体はけして弱くはないのだろう。けして動ける選手という感じではなかったが、許容範囲の守備力の持ち主なのかどうか見極めてゆきたい。





(打撃内容)

 腕っぷしの強いパワフルな打者といった感じだが、こういった選手は通常打球は強烈でもホームランが意外に出ないタイプが多い。しかしこの選手は、フォロースルーを使ってボールを遠くに運ぶ術も持っている。

<構え> 
☆☆★ 2.5

 両足を地面にベタと付けて、スクエアスタンスで構えている。グリップの高さは平均的で、腰の据わり具合・両眼で前を見据える姿勢・全体のバランスという意味では並ぐらいだろうか? 構えからは、あまり柔軟性が感じられない構えになっている。

<仕掛け> 平均

 投手の重心が沈みきったところで動き出す、「平均的な仕掛け」を採用。ある程度の確実性に長打力を兼ね備えた、中距離ヒッターやポイントゲッターに多く見られる始動だと言える。

<足の運び> 
☆☆☆ 3.0

 大きく足を引き上げて、真っ直ぐ踏み出してくる。始動~着地までの「間」はそこそこで、速球でも変化球でもスピードの変化にはそれなりに対応。真っ直ぐ踏み出すように、内角でも外角でもさばきたいタイプなのだろう。踏み込んだ前の足は、地面から離れるのが早い。すなわち逃げてゆく球や引くための球には弱く、引っ張りたい意識が強いのではないのだろうか。

<リストワーク> 
☆☆☆★ 3.5

 打撃の準備である「トップ」の形を作るのは、自然体で力みは観られない。バットの振り出しに癖はなく、インパクトまでののロスもそれなり。バットの先端であるヘッドの下がりは大きくなく、いくぶんボールの下にバットを潜らせ打球に角度をつけて飛ばしてくる。フォロースルーも相まって、長打が出やすい形でスイングできている。

<軸> 
☆☆☆★ 3.5

 足の上げ下げは大きい割には、目線の上下動は並ぐらいに抑えられている。気になるのは、開きを充分抑えられていない点。そのため逃げてゆくスライダーや、低めの落ちてゆく球に対しバットが止まるかどうか。軸足の内モモには強さが感じられるので、強烈な打球を生み出す原動力にはなっている。

(打撃のまとめ)

 タイミングのとり方が平凡なのと、下半身の踏ん張りという意味ではどうだろうか? しかしスイング軌道には癖がなく、ボールを捉えるのにロスは少ない。腕っぷしに頼ったタイプかと思いきや、ボールに角度を付けて飛ばすことができ、遠くに運ぶ術を持っている点は興味深い。


(最後に)

 守備・走塁でアピールするタイプではないのだが、許容範囲ぐらいの守備や走力を示せるかがポイント。技術的には課題はあるが、すでに135~140キロ級のスピードに対して苦になく対応できる能力は持っている。順調にゆけば、最終学年にはドラフト候補としてマークされる存在だけに、今から頭の片隅にその名前を留めておいても損のない選手ではないのだろうか。


(2019年夏 千葉大会)